14-7 男と男の約束(7) エピローグ・夢の続きを
朝の柔らかな光が寝室に差し込む。
ユリウスは目を覚まし、布団の中で少し混乱した表情を浮かべた。
「……夢、見てたかも……」
「どんな夢だ?」
レオンハルトは横で寝そべりながら、静かに聞いている。
「……昔、男の子と遊んだ時のこと……名前は忘れてしまったけど……」
ユリウスはぼんやりとした記憶を口にする。
レオンハルトは、クスッと微笑む。
(やっぱり、俺のことだと思ってないな。『レオン』って名前まで寝言で言ってるくせに)
そうではないかと思っていた。
初めてこの国を訪れた時、初めましての対応をされ、自分のことをまったく覚えていなかったからだ。
レオンハルトは、それならそれでいい、と割り切り、今まで打ち明けることもなくやってきた。
「……ごめん……私、あの子のこと……好きだったかも」
その告白は、嫉妬を引くための策略。
ユリウスは、チラッ、チラッとレオンハルトの顔を伺う。
レオンハルトは、その可愛い挑発に、微かに笑みを浮かべた。
「……そうか。じゃあ……許さないからな」
その言葉と同時に、レオンハルトはユリウスを抱き寄せ、唇を重ねる。
ユリウスは驚きつつも、わざとらしく甘えるように小さな声で返す。
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
ユリウスの体が小刻みに震え、喜びを隠しきれない様子が伝わってくる。
レオンハルトは、微笑みながら、抱きしめる手を強め、耳元で囁く。
「俺の前で、他の男のことを好きだと言うのは許さない。例え、子供であっても……いいな?」
ユリウスは頬を赤く染めながら、コクリコクリと頷き、甘く身を預ける。
朝の光に包まれ、二人は重なり合い、愛と甘さに満ちた静かなひとときが過ぎていく。




