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NOSIRP  作者: まるっち
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扇動

エルカトルの城下街にある、バイロンの自宅にある一室に戻ってきた

「あっ!やっと帰ってきた!」

魔法陣の前で待っていた、彼の使い魔である青年は、戻ってきた主人に今起きている問題を伝えた

「あんたらが出掛けて直ぐ、城で反乱が起きて大変な事になってる!

反乱を起こしたコモンゲラートとサモーズの領主とその騎士達が城に立てこもって…

とにかく、今外はかなりヤバい事になってるんだって!」

「…何故だ?」

「いや、知らなねーよw」

あまり関心がなさそうに紳士はいい

研究の続きに必要な素材が…などと言い出したので

ルッツは思わずツッコミを入れた

「いやw王様と仲良しじゃないの?www

助けに行かなくていいの?www」


バイロンは何故私が?と本当に分からないと言ったような態度を取ってから

自分が行かない理由を述べた

「奴は一介の領主ごときが勝てる相手ではない

私とサシで戦って、若干劣るくらいだ…

領主にはどう考えても無理だろう」

「どんだけ自意識過剰なのwww

逆に爺さんそんな強いのwww

いやまあ、確かに強かったけどwww」

ルッツの反応に青年はあれ?っと言葉を添えた

「まさか、この人が誰か知らないのにパーティーに誘ったの?

バイロン・マルクスは勇者の再来とも言われるくらい有名な賢者だぞ」

「…は?www」

バイロンはとにかく行かない面倒だと言ってのけた

「放っておけば自力で解決するだろう

私が手を貸すのは外から敵が攻めてきた時だ」

それよりも、自宅にどう帰るかを考えた方がいいぞとルッツに忠告する

「確かに、私は人に化ける事で紛れ込む事が可能だが

お前はそれが出来ないのだろう?」

アスシアスはミゲルを見ていう

見た目も臭いも酷い彼が、一歩でも街を歩いたらどうなるか

火を見るよりも明らかだろう


「仮に俺が無事にあんたの今の家まで辿り着けたとして…

シェアハウスだと言っていたな

退治されるんじゃないか?」

「それは…」

ルッツ自身が引っ越してきた時ですら大騒ぎになったのだ

そのゾンビ本人が来てしまったら

一体どうなってしまうのだろう

「でも、ルール的には俺を追い出すとか出来ない筈だし」

「辿り着けるのか?」

紙にガリガリと何かを書き殴っていた

バイロンが不意にそんな事をいう

「お前の話では、特定の者しか辿り着けないアパートなのだろう?

ここも特殊な条件を満たさなければ辿り着けない術式が施された場所だ

同じような術式が施されているのなら

客は連れて帰れないのではなかろうか」

「じゃ、じゃあどうしろって言うんだよ…

ジジイを元の場所に戻せって言うのか?」

彼が住んでいた小屋はもう無い

ダンジョンに戻すわけにもいかない


「私のところで少し彼について調べてもいいか?」

アスシアスが手を上げた

彼もミゲルに学者として興味を持っている

そして、彼は魔族であり

性質としてはミゲルと近しいものがある

「俺はいいよ、何処でも…

俺をこんな風にした魔女ともう一度会うためにあそこに居たがそれにも飽きたしな」

「ちょwちょっと待ってw

ジジイは俺の恋人だぞwww

アスシアス絶対手出すなよ?www」

2人が同棲すると聞いて、ルッツは変な方向に心配した

「私は有性生殖では増えない

だから安心していい、他人に性的な興味が湧かないのだ

研究対象として色々調べさせては貰うがな」

会いたくなったらいつでもダスカにこればいいとアスシアスは言うが

この前は会いに行ったけど居なかったじゃないかとルッツは思った

「まあ、そういう事らしいから

ルッツ…俺はこの人と行くよ」


アスシアスとミゲルは、深夜になってからバイロンの家を出る話になった

「じゃあ俺も帰るかな」

外に出ようとすると、ルッツは使い魔の青年に止められる

「さっきの聞いてた?

外は今大変なんだってば」

家の主人であるバイロンが、直ぐに出ていけとも言わず

1人で何かに打ち込んでいるので

ルッツも夜闇に紛れて帰る事を勧められた



「たりーな、本気出せば直ぐにでもヤレるじゃん?」

城に立てこもったコモンゲラートとサモーズの騎士や領主を包囲し

何とか中に入ろうと城下街の騎士たちが奮戦する中で、キースはポソリとこぼした

「それはつまり、主人の身を危険に晒すことと変わらない

勝手は許さないぞキース」

ヴィルヘルムが鋭い目つきで彼を睨んだ

あくまで人間の様に人間のやり方でやるのだと彼は

城の窓から射かけてくる騎士の矢を自らが放った矢で撃墜する

「つかお前のそれ人間からした普通に人間離れしてるけどな」

キヒヒとキースは笑う

混乱状態の城下街は、これ以上の混乱を避けるために外出の禁止が騎士から呼びかけられた

それでも外を歩いている者は、反乱分子の仲間と見なし一時的に捕縛する事になっている


クリスタルレイのバルコニーの一つに

人影が現れ下から見上げていた騎士たちは身構え攻撃に備える

しかし、予想された魔法や弓による攻撃の雨は降らず

代わりに空に魔法による映像が映された


『あー…お前ら見えてるか!?

俺はコモンゲラート領、領主マルク・コロゴロフだ!

お前らエルカトルの人間は王に騙されてる

コレを見ろ!!』

コロゴロフの顔が消え、一瞬の間を置いて捕縛された王とその息子、更に女が映った

女の方はどう見ても人間では無い

『エドリックは魔族の女を寵愛している!

今年のニゲラが2回あったのも

魔族による被害者が出たのも

近年増えている魔物や魔女害も

本を正せば全てこの男のせいだ!!

コイツは魔族と内通し領民を魔族共に差し出しているんだ!!』


この放送を家の窓から観ていた領民は騒ついた

ここ数年、世界は何処かおかしいく

誰もがその理由を求めていたのだ

そして今、責めるべき対象が差し出されたのだ

「…王は魔族の手先だったのか」

「おかしいと思っていたんだ…!」

「殺せ!魔族の味方をする王を殺せ!!」

「人間の世界を取り戻すんだ!!」

城下街のありとあらゆる建物の窓から領民達の怒号が上がった

殺せ!殺せ!と大合唱が起こり

コロゴロフはニタリ顔で両手を挙げてその音頭を受ける

『この国にこの王は要らない!!

我々の国を我々の手に取り戻すんだ!!

お前達領民はこの、マルク・コロゴロフが明るい未来に導いてやる!!』

わー!と歓声が沸き起こり映像は途絶えた

城の周りでそれを見せられた騎士たちも、どういう事だと狼狽える

「王は本当に魔族の手先なのか…?」

「でも…確かに考えてみろ、最近明らかにおかしい

王が魔族と手を組んでたなら…」

武器を持っていた何人もの騎士たちがそれをゆっくり下ろす

「愚かな…」

その中で、マルクスは静かに呟いた

「これが領民の総意だ、もうお前は用無しなんだエドリック」

コロゴロフは手足に枷をつけられ

鎖で身体をがんじがらめにされた王を上から見下ろしながら嫌らしく笑った

「スノームースをお前が治められると思ってるのかコロゴロフ

魔族の問題、ベアの問題…お前なんかには無理だぞ」

そういう王の横っ面をコロゴロフは蹴り飛ばした

王は勢いよく倒れ強かに床に身体を打ちつけ

遠巻きな見ていたミックは目を逸らした

「は!魔族なんて全部殺しちまえばいい!

ベア?残念だったな、ベアは俺らの味方なんだよ!!」

「…なるほど、俺が思っていたよりも

お前の頭の中は空っぽだったわけだ

ベアに唆されてこんなことしちまうんだから…

テメェが利用されてるのも分からないのか?」

「唆されてなんていねぇ!!

俺は俺の意思でこうしてる!!

ベアは俺が利用してやってるんだ!!」

コロゴロフは倒れた王の顔を踏みつけた

暴力を受ける王のその姿を、息子の王子は目を固く瞑り耐え、魔族の女は隣で震えながら見ていた

「んだよ!文句あんのか!クソ女!」

コロゴロフが魔族の女を殴ろうとすると

王が止めろと叫ぶ!

「止めろ!シィべティには手を出すな!!そういう約束だろう!殴るなら俺を…」

コロゴロフは王の腹部を蹴り上げ、王はゴボッと嘔吐する

「おーおー…お熱いこった…

明後日にはベアの軍隊がここに辿り着く

3人仲良く広場で首を切り落としてやるから楽しみにしてろよ

ああそうだ、変な真似したらこの女の命はないってこと忘れるなよ?」

コロゴロフは満面の笑みを浮かべ

自らの兵士達に王と王子を牢に投獄する様に命じると、女の方を連れて部屋を後にした

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