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NOSIRP  作者: まるっち
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ヴィンセントの仕事

「…は?金策?」

ノーシルプの共有スペースに出て来たルッツは

そこにいる他の住人にお金の稼ぎ方を聞いて回っていた

「…そんなもん、ギルドの依頼を受けろよ

後は魔物素材とか…」

「それってレベル低いと全然金にならないやつじゃんw」

「…知らねぇよ…」

ルッツの現レベルは20

それで受けられるギルドの依頼など、ルッツとっては小遣い程でしかない

「あ、おっさんが高レベルの受けて

俺を連れてってよw

そうすれば報酬も高いじゃん?www」

「…は?バカか?そこまで面倒見る義理はねぇよ」

呆れたセシルは吸っていた煙草の火を揉み消し、自室に戻って行った

「カノープスなんかない?w」

「そんなもの教えるわけないね!

儲け話があるならアタシが聞きたいよ!」

カノープスは叫ぶようにいう

「ま、そりゃそうだよなwww」

カノープスの言うことは尤もである

自分が同じ立場でも教えないだろう

やはり、地道に稼ぐ他ないかと悩むが

「っても、ちまちまやってたら

金が集まる前に老衰で死ぬなw」

「なら、お前も盗めばいい」

いつからそこに居たのだろう

ボムがニヤニヤしながらルッツを見ていた

「欲しい物、盗ってくるだけでいい

金なんて稼ぐ必要ないぜ?」

この提案は近道に聞こえるが、あの闇市の商人から盗むのは

街の憲兵にしょっ引かれた方がマシなくらいに恐ろしい話だ

「相手が悪すぎるwww

俺最悪殺されるじゃんwww」

「何か欲しい物があるのか?」

丁度部屋から出てきたらしい、ヴィンセントが話しに入ってきた

なので、ダメ元で纏まった金額をできるだけ早く集めたいと彼にも相談してみる

ヴィンセントは暫く考えるように腕を組んで黙っていたかと思うと

ルッツに幾つか質問をした

「君のジョブはシーフだったな

隠密のスキルはどのくらいある?」

「え?…どうだろ、高い方じゃね?」

最近ダンジョンで手に入れた隠密効果の服を着れば、元の能力に上乗せ出来るので結構高くなる筈である

「素早さも高い方か?」

「逃げ足の自信はめっちゃあるw」

「それならいい仕事がある

場所を変えて話そう」

ヴィンセントに言われ、てっきり彼の部屋に行くのかと思いきや

ノーシルプの外へと連れ出された


「何処いくのw」

「行けばわかるさ」

行き先も告げられず、街の中を行く

これはヤバい所に連れて行かれるのかと思いきや

表通りに面した大きな店に入っていった

店の中の商品棚には、様々な効能のポーションや錬金素材が置いてあり

ルッツもここが錬金術師の店だとすぐに気がついた

レジには若い男が1人座っていて、ヴィンセントは彼に声を掛けた

すると、男は少し待つよう言って奥へ引っ込み

暫くして出てきたかと思えば、着いてくるようにと手招きする

そして通された先に、初老の男が居た

「そいつは?」

「人手が足りないと言っていたよな

だから連れてきた

彼はルッツ、そしてこの方はこの店の主にして錬金術師エミル・ハイド氏だ」

錬金術師エミル・ハイドといえば

エルカトルでもかなり有名な術者であり

彼の作る薬はとても優れた効果を発揮するがその分値が張る

庶民には手の出ない高級品でもあった

「ちょ…w錬金術なんて出来ないしw」

「弟子は取らねぇぞ」

ハイドはぶっきらぼうに言うと、ルッツを品定めするように

つま先から頭のてっぺんまでジロジロと見た

「弱そうだ、やれんのかこいつ」

ルッツは意味がわからずヴィンセントを見る

「錬金術をするのに必要な素材を集める仕事がある

例えばそこにある花は

一輪で20エルクは下らない」

机の上に置かれた大きな白い花

それにそんな価値がつくのかとルッツは驚いた

「花を採ってこれば稼げるってことか?」

「まあ、平たく言えばそうだ」

「マジ?簡単じゃんwww」

魔物を倒す訳ではないなら自分にだって出来るうえに

自分が倒せる魔物から得られる素材よりも

明らかに単価が高い花に楽勝だと、たかを括る

しかし、ハイドがそんなルッツに釘を刺した

「その花は渓谷の岩場に生える

採取する為には魔物の居る森を抜け

深い地面の割れ目を降りて行かなきゃならない

それが楽勝ってんならこっちも助かるが」

ハイドは欲しい錬金素材のリストをルッツに渡す

そこに載っている植物は、どれも希少価値が高く入手難易度の高い物ばかり

その代わり、一つに対しての買取価格は高額であるのは確かであった

「持ち帰るのに鮮度は重要だ

こいつを持っていけ」

更に、特殊なマジックバックを渡される

それはパッと見ウエストポーチだが

容量拡張と時間遅延の魔法バフが掛かっているらしい

それらを受け取ってルッツとヴィンセントは店を後にした


「これ何気に要求レベル高くね?www」

「それは君のスキル次第だ

強力な魔物の住む森に生える植物を採るのに

その魔物を倒す必要はないだろう?」

「あー、だから隠密スキルについて聞いてきたのかw」

「今は特に素材が足りてないそうだから

ハイドもいつもより高く買ってくれる」

無理そうなら別に無理してまでやる必要もないとヴィンセントはいい

他に用事があるからと、彼はルッツと別れた


ヴィンセントと別れた後

ルッツは街の書店でエルカトル領のマップと植物図鑑を購入し自室に戻ってきた

「俺の行ける範囲で希少価値が高い素材は…」

セシルと一度訪れた山、ダスカのクレバスに生える植物が目に留まる

“ピクシーフラガ”

更にこの山の山頂付近に生えるという

“パウダーモス”

この二つが錬金素材として名前が上がっていた

「ピクシーフラガが単価10エルク

パウダーモス1gで7エルクか」

スライムゼリー1つあたりが1エルクにも満たない10ディア

15ディアでやっと屋台の串焼き一本くらいの価値で

2000ディアでやっと1エルクになることを考えればこの2つの素材の価値の高さが分かる


「まずダスカから行ってみっか」

お試し感覚でそう決めたルッツだが

この後、なぜこの素材がここまで高値なのかを身をもって知ることになる

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