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第33章 窮地の応戦

「マキシカが暴走したようです。慌てないでこちらに避難してください!」

 声を張り非常口を案内する職員や警備を担当していた警察官に誘導され、逃げ惑う客たち。メッセの会場は混乱していた。博物館の建物に入らなければ、博物館の敷地から出ることができない。

「手袋に紅夜石(クレナイト)を隠している、か」

 リオードは、手袋をはめた手でマキシカに近づく人物を想像する。紅夜石は本当に小さなものだから、手袋の中に隠しておけば、マキシカに近づいても不振には思われない。コソックは甘いものを苦手のようだが、ネジッレを買わないのにマキシカを近くで見ていたことで、ネジッレマキシカを操作していた女性に不審がられたのだろう。

 ――ネッツはリオードと客たちが移動した博物館の本館の方へ向かった。

 博物館の中に入りきれず、庭園の入り口に人々は停滞していた。マキシカのある方を心配そうに見ている。屋台のマキシカが暴走したとは知らず、展示用マキシカの暴走だと勘違いしている人もおり、マキシカへの怒りをあらわにしている人が怒鳴っている。人々が急に集まったから、身動きが取れないことも人々の不安と不満を生み出していた。

 ネッツは人々の集団から少し離れて、眼鏡の新聞記者を探す。キャラメル色の髪、金縁眼鏡、カメラを持っていたはずだ。それに、白い手袋にマキシカを暴走させる仕掛けをしていると思われる。

 まさか、逃げ果せたのか。いやこの状態で無理に逃げようとするのは、逆に目立つのではないか。

 ネッツは辺りを見渡し、彼を血眼になって探す。絶対に見つけて捕まえるのだ。

 ネッツの体に電撃が走る。探していた人物が彼の赤銅色の目の端に映った。

「いた!」

 ネッツは彼を見つけた。コソックはカメラの調子を気にしている様子で、博物館内に入る扉の脇に立っていた。白い手袋をつけたまま、カメラを覗き込んでいる。

「眼鏡で茶髪のあいつだ」

 ネッツは、ついてきたリオードに伝えた。

「わかった。ネッツ君は少し離れていてくれ」

 ネッツの示したその男は顔を隠すようにそっぽを向いたが、リオードがずいと進み、顔を覗き込んで声をかけた。

 濃灰色のチェック柄のベストとスラックス、真っ白で糊の効いたシャツは紳士の服装だ。キャラメルのような髪の色、金縁の丸眼鏡を鷲鼻に引っ掛けたすらりと背の高い男。ネッツのおかげで、リオードはラゥル・コソックを見つけることができた。

 リオードはその男に声をかけた。

「少しよろしいですか?」

 標的である男は驚いた顔をした。同時に彼の顔を初めて見たリオードも驚いた。ネッツが言うように、目の前にいる男はコーリィの師カミーエ・テンヘンにそっくりだったからだ。

 顔立ちは確かに似ている。ネッツが間違えたことも納得できる。しかし、目の前の男は険しい顔をしており、堅い雰囲気だ。ヨレヨレのシャツなんて許さない几帳面な男に見えるし、眼鏡も異なるから、印象は異なっている。しかし、身につけているものを変えたら、テンヘンと見分けられる自信はリオードにあるだろうか。

「なんですか?あなたも逃げないと、マキシカが暴走したのですよ」

 男は落ち着いた様子でそう言った。あたかも暴走したマキシカから逃れて来た人間を装っているようにも見えた。

 ネッツは少し離れて、固唾を飲んで見守っていた。ネッツが暴走マキシカで事故死したことになったのも、エレックやシャルテをマキシカ暴走事故に関与させたのも、ミセス・トッドマリーの行方不明も彼だ。やっと追い詰められそうなところまできて、ネッツは男に一矢報いたくて仕方がない気持ちをどうにか抑え込もうとする。怒りで震えている。コーリィに出会わなかったら、誰も止める大人がいなかったら、ネッツは無謀な戦いに駆け出していただろう。

 客が会場の外、博物館の中へと警察官や職員たちに誘導されながらゆっくりと移動していく。まだ落ち着かない客もいるが、それを必死になだめ、これ以上の混乱が起きないよう、慎重に避難は進められた。

 庭園の入り口で、リオードに呼び止められた男は、不服そうな顔をした。

「その手袋に何を隠してマキシカを暴走させたのですか?」

 リオードは低い声で問い詰めた。

 男は、堂々としていた。

 すでに客は博物館のホールへと避難し始めており、波が引くように少しずつ人だかりが減っていく。リオードとその男、そしてネッツが庭園の入り口に残った。

 リオードの顔を見たその男は、なぜ声をかけられたのか気づいたかのように、リオードの方を向いた。

「あぁ、貴方はたしかマキシカ家の御曹司のリオード・P・マキシカ氏。マキシカの暴走を他人のせいにするとは、マキシカ家も必死ということですね」

 男はふっと息を吐く。眼鏡の奥の瞳に笑みはなかった。

「手袋の中でしたね?それで疑いが晴れるなら、それくらいお見せしますよ」

 男は両手の手袋をするりととった。手袋は際立って白い。手袋をリオードに渡す。リオードはその手袋を受け取った。

 男はそこで自信満々で立っていた。彼が逃げも隠れもしないのは、やましいことなどないと証明するかのように。

 リオードはその手袋を調べたが、手袋のどこにも紅夜石のような石などなかった。仕掛けもないただの手袋だ。

 大きな体のマキシカを暴走させる紅夜石はほんの0.5オムの小石で十分である。盗まれたメグリエ機関から取り出した紅夜石もほんの小指の先程の小石であったが、何機ものマキシカを暴走させていた。

 この男は、マキシカを暴走させた後、紅夜石を手袋の以外の場所に隠しただろう。その辺に捨てるには惜しい石だから、彼が所持しているかどこかに隠したか。どちらにしろ、すぐには証拠が見つからないと考えてよい。持ち物検査となれば、警察に担当してもらわねばならないだろう。マキシカ家がマキシカ暴発事故を引き起こした犯人をでっちあげるための狂言だと言われれば、マキシカ家が市民からあらぬ疑いをかけられることになる。それはさらにマキシカへの風当たりを強くし、マキシカ所有者にも影響が出るであろう。

 紅夜石を使わずに、別の方法でマキシカを暴走させたのならば、紅夜石を探しても見つからない可能性も考えられるが、熱源を集熱板に近づける方法なら目立ってしまう。

 証拠の品が見つからないため、これ以上、その男を足止めすることはリオードにはできない。

 そこに一仕事終えたコーリィが早歩きでやってきた。アリブレや、合流したディージ警部とシダバー巡査も続く。

 庭園にはすでにメッセの客はほとんど居なくなっていた。

 コーリィは、少し離れて見ていたネッツの脇をすり抜け、リオードとその男の前に立った。

「スナバラ・タイムズの記者のラゥル・コソックさん、ですよね?」

 ネッツの言う通り、男はカミーエ・テンヘンに似ているとコーリィも感じた。コーリィが男の顔をちゃんと見たのはこれが初めてであるが、ネッツが間違えるのもおかしな話ではない。しかし、テンヘンのようにだらしなさや、どこか隙のある笑顔の教師とはかけ離れた冷たく厳しさのある顔つき。目の前の男に一チカもの隙はなく、嘲笑うかのような笑みを浮かべている。

 コーリィがリオードの方を見ると、リオードは、首を横に振った。マキシカを暴走させた証拠となる紅夜石は見つけられなかったということだ。

 ネッツは見守る。マキシカ管理局の職員たちがいるとはいえ、ここで言い逃れられたら、逃してしまう。

 マキシカ管理局の者たちは申し訳ないような顔をして、マキシカの暴走を組織として対策してきたが、暴走がいまだに止められないことに責任を感じていることだろう。

「それ、誰のことだい?私はカミーエ・テンへンですよ、コーリエッタお嬢様」

 その男は、急に柔和な表情を見せ、乾いた笑い声を上げたあと、柔らかく話した。

 その声はネッツにも、その男がテンヘンであると錯覚させてしまう。いくらそっくりだとはいえ、イルズ・カーン、もといラゥル・コソックに違いないと思ったのに。

 二人はネッツが間違えたほどそっくりな人間ではある。いや、彼はテンヘンではない、なぜなら、テンヘンならもっとくたびれたシャツにヨレヨレのタイ。手入れの行き届いていない靴でパーティにくるような人間だ。目の前にはきちんと場にそぐう格好の紳士が立っている。もし、テンヘンにぴったりな服を仕立て、まるで別人のような服装にしたら、コソックと見分けがつかないかもしれない。

 いくらラゥル・コソックがテンヘンに似ているとはいえ、ネッツには違和感しかなかった。奴こそがラゥル・コソックだと言うのに、どうやって彼がカミーエ・テンヘンではなく、ラゥル・コソックだと証明したらいいのか。ネッツの自信が揺らぐ。

「いいえ、テンヘン先生じゃないわ。貴方は孤児院の支援と称し、孤児院に何度も足を運んでいた。だから、ネッツが孤児だと知っていた。そして、新聞記者だからこそ、いち早くあのような記事にできたのでしょう?」

 コーリィははっきりと、そして、男を追い詰めるように怒りのこもった声で言い放って応戦した。周りの人々が証人だ。

「私が孤児の遺体を隠したと書いたのもラゥル・コソック記者。孤児たちにマキシカ暴走の一件に関わらせていたのも、貴方でしょう!」

 コーリィは小さな体で彼を睨みつけた。

「あの記事?やだなぁ、冗談はおしまいにしましょう。僕はカミーエですよ、お嬢様?」

 男は張り付いた笑顔のまま、少女の言葉など戯言だと受け流す。

 ネッツは落胆した。やつを追い詰められたのに、男がラゥル・コソックとは別人だと言い張るならば、ここで彼を引き止めることはできない。ネッツが警官の二人に視線を送ったが、ディージ警部もシダバー巡査もマキシカに近づいたコソックを目撃したわけではないからそう簡単には動けないらしく、見守るしかないのだ。

 この場でイルズ・カーンとカミーエ・テンヘンの両方に会ったことがあるのはネッツだけだ。ラゥル・コソックだと証明するには、ネッツはどうすればいいのか。

 その男がカミーエ・テンヘンではない証拠はないのか。

 コーリィは緊迫した空気を少しだけ緩ませるかのように、少しだけ笑顔を見せた。

「先生なの?」

 彼女は疑っているようだが、テンヘンと話すような柔らかい声に変わる。

「コーリィ!そいつは!」

 彼女でさえお手上げだったのだろう。ネッツは怒りとともに、コーリィがやつを捕まえてくれると信じていた自分に腹が立った。

「ネッツ。私は先生とお話ししているの。静かにしてくださる?」

 コーリィの不機嫌な声にネッツは口を噤んだ。

「先生、疑ってごめんなさい。いつもとお洋服が違うのだもの」

 コーリィは急に別人になったかように、親しい教師と話し始める。

「あぁ、今日は、メッセに行くならちゃんとした格好をしろって友人に言われてね。服を用意してもらって――」

 リオードは悔しさをにじませた表情で俯く。コーリィが心配したとおりに、多くの人の前でマキシカを暴走させられた。現行犯として犯人を捕まえたが、証拠である紅夜石を見つけることができない。警察でないために手袋以外の持ち物の検査は不可能だ。ディージ警部達も逮捕状もなく簡単な職務質問だけでは、決定的な証拠を掴めないため、男の出方を伺うことしかできない。

 マキシカ家が警察に男を取り調べるよう、強制したとなれば、マキシカの悪評にもつながりかねない。

 メグリエ家が孤児の少年の遺体を隠しているという疑惑まで広められており、マキシカの暴走事故も相待って、マキシカへの印象は悪くなっていく。

 完全に相手の策略にはまった。このままでは負けだ。ネッツは歯を食いしばり、男を睨みつけることしかできなかった。

 コーリィは凛としたまま男の前に立つ。

 ふと、コーリィが握手を求めるかのように、白い手の平を向けてきたことに、彼は少し困惑した表情をする。

「先生?」

 コーリィは不思議そうに男を見ていた。

「意見が合わなかったときは、いつも、一通り議論した後の握手でしょ?」

 コーリィは男に握手を求めた。

「――あぁ、そうだったね」

 男は右手を出した。

 コーリィは年相応の少女のように振る舞う。コーリィとテンヘンの約束事、互いにしこりを残さないために、議論をした後に握手をする決まりごとが師匠と弟子にはあるのだろう。ネッツは男と握手するコーリィの後ろ姿をじっと見ていた。

 ラゥル・コソックを目の前にしているのに、捕まえられない。もどかしさでネッツは変になりそうだ。

 その時、コーリィは男が差し出した手を通り越し、手首を掴んだ。

「・・・貴方は、テンヘン先生じゃない。傷跡がない!」

 コーリィは周りの人間にも聞こえるように、声を上げた。

 ネッツは知っていた。そうだ、カミーエ・テンヘンには、コーリィと実験をした時の事故で右手に怪我をした。本物のテンヘンなら、その傷跡がある。ネッツも見ていてそれは知っている。コーリィは、目の前の男の右手にその傷を確かめるために、握手を求めた。

 男はコーリィの手を強引に振り払った。踵を返し、リオードやアリブレ押しのけ、逃げ出そうとした。

 その先に、数人の男が立ちはだかった。

「警察です。ご同行、願えますか。ラゥル・コソックさん」

 そこに現れたのは、どうやらディージ達とは別の警察官達らしかった。

 メッセにはディージ警部とシダバー巡査をはじめとして、制服警官が警備に配置されていたが、私服の刑事もどうやらいたらしい。初老の目を細めた刑事と、若い部下が三人、男を取り囲むように立つ。

 警察なら、任意の事情聴取や隠し持っている可能性がある紅夜石を探すこともできる。しかし、紅夜石でマキシカを暴走させられることは、メグリエ家とマキシカ家の関係者の秘密だ。では、なぜ警察が彼を引き留められたのか。その理由は年長の刑事から告げられた。

「先日捕まったメグリエ機関を盗んだ容疑者が、あなたのことを知っていて、お話を伺いたい」

 男は不機嫌な顔をした。

「なんのことですか?私がなぜ関係があるのです?」

 関与を否定する男に、刑事は告げる。

「我々警察は、テンヘン先生には既にお話を伺い、先生の関与はなかったことがわかっている。彼の右手には傷跡があったことも確認している」

 ラゥル・コソックは苦虫を噛み潰したかのような顔を一瞬見せた。

「ご協力、願えませんかね?関係がなければ、それで構いませんので」

 その見知らぬ刑事は、そうは言っているものの、確信を得ているようだった。彼らはラゥル・コソックに否とは言わせなかった。ここで拒めば、怪しまれ、関与していることを示すことになる。

 ラゥル・コソックは慌てもせずに刑事たちに従った。無表情のまま、刑事たちと立ち去った。

 ディージ警部とシダバー巡査はそれを眺めていることしかできなかった。二人の前にやってきたコーリィは言った。

「お巡りさん達の手柄、とられてしまいましたね」

「あっちはメグリエ機関盗難事件を追っている班だ。窓際部署のうちとは違う」

 ディージ警部はすっかり諦めているようだった。コソックを連れて行ったのは、盗難事件を担当している刑事達だった。

「紅い石を隠し持っていないか調べてください。彼が犯人だという証拠だから」

「は?」

 ディージ警部はコーリィを見た。

「議会との約束で詳しくは話せないけれど、もし彼が紅い石を持っていたら、私に教えてください。小さい石だから見落とすかもしれないわ」

「わかったよ。うちは縦割りだから聞いてくれるとは思えないが」

「お巡りさんの手柄になるはずです」

「努力はするよ」

 コーリィとネッツはディージ達ともに会場であった博物館の庭園から、博物館の本館へと入った。

 博物館の前では、避難した人々がいた。暴走したマキシカが止まるまで避難したようだ。驚いて体調を崩した人もいたらしく、慌てて対応する博物館の職員もおり、ざわついていた。ネジッレマキシカはメッセの会場中を移動して暴れたわけではないのに、市民たちはひどく怯えていた。

 メッセに来ていた新聞記者たちは、メッセの様子を伝えるはずが、マキシカ暴走事故のことを記事にすべく、目撃した人々に聞き取りを始めていた。暴走マキシカの様子、会場の様子、市民の声――。メッセでマキシカの安全性を伝えるはずだったのに、明日はマキシカの恐ろしさを伝える記事が都市の新聞を賑わす。コーリィもリオードも、そしてマキシカ管理局の職員達も、徒労に終わってしまったことに表情が暗くなった。

 見本市に来ていた議員の一人、ロマーク・クラム議員は、記者たちに囲まれていた。紫色のズボンに、フリルの青いシャツ、大ぶりな宝石のついた指輪をはめた手で身振り手振り話す姿は一際目を引いていた。マキシカ反対派として、クラム議員は雄弁に語る。

「やはりマキシカは無くすべきだ!こんな簡単に暴走していては、市民が安心して使えないではないか」

 声を張り上げ、いかにマキシカが有害かを熱をこめて話す。

「マキシカが急に振動して、機械腕を振り回して。何人かはそれに当たって怪我をした人もいた!」

 ネジッレマキシカには、大きな機械腕などついていなかった。ネジッレをねじるための小さな手と、油で揚げたネジッレを掬うための小さな網だけ。しかもそれらの可動域は小さく、マキシカに触れるくらい近づかなければ、マキシカに殴られるなんてことは起こらない。

 クラム議員は事実を誇張して言っている。どうにかして、マキシカを都市から追放したのか、彼の論理は時に飛躍する節があった。

 リオードは弁解に行きたいが、マキシカ家の立場もある。しかし、堪えきれずに一歩を踏み出す。

 コーリィがリオードの腕をそっと掴んだ。リオードはハッとしてコーリィの方を見ると、彼女は何も言わずに首を横に振る。

 コーリィは敗北を認めたのか。ラゥル・コソックがマキシカを暴走させたという罪状ではない理由で警察に連れて行かれた。メグリエ機関盗難に関与の疑いであり、逮捕ではない。彼の疑いが晴れて逃げおおせることだってできる。

 リオードはクラム議員の演説を怒りを堪えながら、コーリィと離れて見ていた。

「マキシカの安全性が疑わしい今、マキシカを全て停止すべきだ!」

 怒り狂い、興奮した様子で、マキシカのことを話すロマーク・クラム議員。

「マキシカの信頼を取り戻そうとメッセに出展をしたのに・・・」

 リオードは悲しい声でつぶやいた。それは、マキシカ社とマキシカ管理局の皆が思ったことだろう。

「彼が警察に事情聴取されることになっただけでも、前進したわ」

 コーリィは冷静だった。メッセでマキシカの暴走が起こらなかったら、ラゥル・コソックを追い詰められなかったかもしれない。暴走しなかったら、警察が別の事件の捜査で彼の関与が判明していなかったら、この結果にならなかった。彼が警察でマキシカを暴走させたことを問われるかはわからないが、余罪として明らかになる可能性がまだある。マキシカの信頼を取り戻すにはまだまだ時間がかかりそうだ。


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