第17話 外国との国交の樹立
毎日18時に投稿します。今回は短めです。お読みいただければ幸いです。
イム帝国のほうはクリスと異なりととんとん拍子に進んだ。
8人のヤマト人少年と300人以上のクリス人が届けられ、こちらは捕虜となったイム人たちと拿捕した戦艦を返還した。
さらにイム帝国の中にあるターキッシュ藩国との国交を開く条約が締結され、晴れてミズホ国は独立国として認められた。交易も始まり、アキはミズホ国の指定商人としてイム帝国への出入りを認められた。アキは狂喜したそうだ。
アキ曰く、イム帝国は中央を占める皇帝領と周辺辺境地域を治める藩王国に分かれており、その中の藩王国の一つと国交をむすんだわけだが、事実上イム帝国中央から異議がなければ帝国と外交関係があるのと同じ意味だそうだ。
ヤマトの少年たちは桜井守などと同級生で一緒に逃げた仲間とのことだった。
桜井たちは三方向に分かれて逃げていて、今回イム帝国の捕虜になっていた少年たちは本来地球連合に逃走予定だったそうだが、航路を間違えてイム帝国の領内に入り込み、つかまってしまったとのこと。彼らはお互いに無事を喜びあっていた。
今回来た少年たちにミズホ国に残るか、ヤマトに帰るか選択させた。
ミズホに残る場合、兵士として訓練を受けてもらうことも話した。
「ぼくらも兵士として訓練が受けられるのですか?」
彼らは驚いていた。ヤマトでは男が貴重なため、軍務など危ないことはさせず、女性たちの働きで養ってもらっているとのこと。
それが嫌な場合、結婚を拒否して逃亡者になり、危険を顧みず、手製の船で宇宙に飛び立つしかないそうだ。
8人とも兵役に就くことを了承し、訓練兵としてミズホ王国軍の一員となった。
一方クリス人たちはかなりひどい状況だった。
かなり不潔な状態で、栄養も十分でなく、負傷しているものも多くいた。
ひどいものになると、傷口が腐って蛆が沸いていたり、精神に異常をきたしているものもいた。
彼女たちには直ちに治療を行った。医療ポットを使用したが、精神的若しくは医療ポットでは治療できない者もいた。少年の中に医療関係の勉強をしていたものがおり、またクリス捕虜の中に衛生兵だったものがいたため、彼らを衛生班に任命して、医療機器を与えて治療にあたらせた。
さて、クリス側の捕虜と拿捕した戦艦の搭乗員についてだが、サードナイト大尉を除き、全員ミズホに移住することとなった。
クリス軍の環境はどうもよくないようだ。名門の自然分娩で生まれたものは天然と呼ばれ、人工子宮で製造された人間、クリスでは人工と言われいている。両者は扱いが全然異なるそうだ。
人工は真っ先に危険な戦場に行かされ次々死んでいく。捕虜になっても帰還できるのは名門ばかり、イムに捕虜になると死ぬまで働かされて、使えなくなると安楽死させられることもあるらしい。
それに比べてミズホでは一応平等に扱われ、更に結婚して子供を作れるというクリスでは考えられなかった幸運を手に入れられるチャンスがある。
実際に、一夫多妻だが、何十人の兵士が結婚できている。
我々ももしかしたらという希望がある。
ならば、クリスに帰らず、ここにとどまる方が死の可能性も低く、まっとうな生活ができる可能性が高い。
そういうことを捕虜たちから言われた。
我が国に8名のヤマト男性と300名以上のクリス女性が加わった。
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