第15話 コロニーへの突入と救出
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グンカンコロニーは民間のコロニーで、武装もろくにない。ユウとユアが民間船に偽装して先行し、グンカンコロニーに近づいたところ、宙族どもが民間船を改造した戦闘艇で攻撃してきた。
そんなのは正式な戦闘艇の敵ではない。あっという間に破壊した。
ヨーデルはコロニーに強制着艦、九頭とマイが桜井と陸戦訓練を受けていた少女兵30名を率いて突入した。
「桜井君仲間はどこにいるのかい?」
「この先です。この奥の区画にとらわれています」
宙族たちの会話
「おいおい、なんでヤマト連邦とクリス連邦の軍が乗り込んでくるんだ、それもこんな早く。」
「ボス、はやく生命維持区画に逃げ込みましょうぜ。あそこに立てこもったら簡単に手は出せませんぜ」
「そうだな。残念だが、奴隷はおいていくしかねえか」
「あいつらは奴隷を取り戻しに来たに違いありません。回収したら引き上げるでしょう」
「仕方ねえ、おい生命維持区画に逃げこむぞ」
「へい」
「おいみんな大丈夫か」桜井君はいった。
「ああ、なんとか生きてるよ。助けに来てくれたか」そこにいた男の子たちは、疲れたような顔をしていたが、皆無事だった。
「ああ、よかった。とりあえず逃げるぞ」桜井君が皆に呼びかけるも、「悪い、ずっと監禁されていたから足が動かなくて」と帰ってきた。
「「「「「「「「「私たちが担いでいきます」」」」」」」」」」クリス兵の子たちが即答した。
「ええっと、この子たちは?」男の子の一人が尋ねた。
「いいからさっさと行くぞ!」桜井君が質問を遮って、叫んだ。
「グンカンコロニーはまともな人間はいないのかい?」私は端末を操作しているミィに尋ねた。
「鉱業関係者がまだ住んでいるみたい。彼らは宙族どもに支配されていたようだよ」マイが端末を操作しながら言った。
「全員後から来るみずほに乗せて、希望者はミズホへ移住させる。第2惑星は鉱物資源が豊富だ。そこに移住してもらう」私は命じた。
「なお、グンカンコロニーは解体し、再利用できる部分はすべて回収する」
「了解しました」エリーは答えた。
宙族どもが立てこもった生命維持区域を除き、居住区、生産区、エネルギー発生機関などすべてを取り外し、サルガッソーの入口までもっていった。
停泊していた宙族の船も戦利品として回収した。輸送船を改造した船だが、かなり重武装に改造しており、十分利用できる代物だった。
そこで組み立てなおし、予備の生命維持装置があったのでそれを使って、とりあえず生産区だけ維持できるようにした。
なお、グンカンコロニーには500名ばかりの鉱山関係者がいた。彼女らの代表と話をした。
「私はミズホ王国の九頭大尉で、この国の代表をしている」
「俺はスミ。一応こいつらの頭をやらしてもらっている。いや、助かったぜ。あいつら武装してやがるし、いの一番で生命維持区画を占拠されちまったからどうしようもなくてな」
「なにかされたのか?」
「まあ、酒はすべて没収されたが、後は特になかったぜ。まあ、食い物は十分足りているし、金目のものも何もないしな。鉱山星が枯渇して、どこにも行くことのできない連中が残っていただけだし」
「ところで相談なんだが」
「なんだい?」
「うちの国に来る気はないか?」
「ミズホ王国だって?聞いたことのない国だがどこにあるのかい?」
「サルガッソーの中にある国だよ」
「サルガッソーの中だって!冗談言うなよ」
「冗談じゃないんだよ。新しい国を作ったんだ。私の国のうち、第二惑星は鉱物資源も豊富で、今はロボットによる自動制御で掘っているが、君たちが来てくれれば生産量は増大するだろう。どうする?来るかい?」
「冗談じゃないのかよ。うん、わかった、女は度胸だ。一緒に行こうじゃないか」
「よし、君たちは第二惑星に住んでもらう。利益は5分5分でどうか?」
「おいおい、それはないんじゃないか。8分2分だろう」
「ミズホはサルガッソーの中にあるからな。生産した鉱石を輸出するには船でいちいち輸送する必要があるし、各種資材の供給から食料や嗜好品もすべて輸入する必要がある。さらに我々は皆軍からの脱走兵だから、物資の購入にも気を遣うんだ」
「脱走兵?」
「そうだよ。我々はヤマトとクリスからの脱走兵さ。どうする?移住をやめるかい?」
「ええい、一度言ったことを取り消せるか!いいよ5分5分で。その代わり酒をくれ!できるだけ早く。しばらく飲んでいなんだ」
「了解。酒をすぐに用意しよう。契約成立だ」
こうやって、スミ達は第二惑星に移住することとなった。
続・宙族たちの会話
「おい、あいつら生命維持区画を除いて全部持って行きやがったぞ」
「我たちの船はどうした!あと、エネルギー発生機関はどうなっている!」宙族のボスは怒鳴った。
「船も持って行かれました。エネルギー発生機関もです。どうしましょう、ボス」
「とりあえず、緊急時の予備エネルギーでこの生命維持区画は動いているが、数日もすると止まっちまうぞ」
「救援信号を出しますか」
「バカヤロー、このコロニーはすでに廃棄されていて、周りには人っ子一人いないだぞ。だから俺たちが根城にしたんじゃないか」
「それじゃどうしましょう」部下がおびえたように言った。
「しかたがねえ、降伏を奴らに伝えろ。死ぬよりましだ、投降するぞ」
しかし必死の降伏連絡にもかかわらず、何の返答もなかった。ミズホ王国軍はサルガッソーの中に帰還してしまい、通信を受けるものがいなかったからだ。生命維持区画だけでは本体を移動させる推進装置もなく、ただ宇宙を漂うばかりであった。
数日もすると、生命維持装置のエネルギーが尽きたのか区画の活動が止まり、さらに数日すると通信も止まった。
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