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時が止まったかのような町の一角で戦闘が始まった一方、れいとアルフアは話ながら捜索を続けていた。


「大変だったんですね。」

「はい。オメガ君がいなかったら私はここに居ませんでした。」


れいはアルフアから二人の経緯を聞いていた。元の世界で施設から脱走しようとした事、兄弟と戦った事、脱出したその場所は戦場でゼロに匿われて来た事など、かなり大雑把であったが大体の経緯は理解できた。


「二人は何故そんな施設に居たんですか?」

「それは…」


続きを話すか迷うアルフアが視線を遠くに向けた時、ドーム状の何かが出来ている事に気が付いた。とても大きく、少なくとも普通じゃない。


「なんですか?あれ?」

「え?」


れいもドームを認識し、その普通じゃない状況にアルフアに声をかけて二人で走り出す。近づけば近づく程その中で行われている事が明確になっていく。


「誰かが戦ってる?」


ドームの中では雷が迸り、空中に人影が二つ浮かび上がる。


「かゆ!?」

「オメガ君!!」


アルフアはれいを置いて走り出す。れいも遅れてアルフアについて行く様に走り出して行った。

ドーム内の二人は家の屋根上や屋上から魔法を打ち合う様にして戦っていた。双方共に雷の魔法を飛ばして拮抗している状況の中、オメガが動きを変える。雷を打つのを止め、魔法を躱しながら接近を行う。


「土よ!その力をもってかの敵を叩き潰せ!ストーンセラ!」


刀身が土に包まれ、剣先に大きな岩が生成される。オメガはその槌のような剣を突き出して雷を防ぎながら近づいて行く。かゆは魔法を打つのを止めて距離を取る。オメガは魔法が止まった瞬間に空中で一回転して剣の属性を解除する事で剣先の岩を飛ばした。かゆは岩が飛んでくるのを躱せないと確認して装備を魔力服から鎧に変更し腕を交差させて岩を受け、そのまま屋上に転がる。


「雷よ!その力をもってかの敵を砕き貫け!スパークライ!」


そのまま追撃で飛んでくる電撃を転がる様にして回避し、立ち上がる。再び同じ場に立った二人は再度剣で切り結ぶ。二人の剣が幾度もぶつかり合い拮抗する。


「私一人倒す事も出来ないで誰を守れるの?その程度で守れるとでも?確かにそれは凄い力だよ。技術も認める。でも私を倒せない時点でたかが知れてる。私以上に強い人なんて沢山いるよ。…それじゃあお姉さんは守れない。私からすらも。」

「………だったらこれ以上の力を示すまでだ。」


オメガは距離を取った後、目を閉じる。かゆは二度目の停止に疑問を持ちながらも今回は攻めに行く。オメガの胴を横切りしようと接近した瞬間、勘が危機を察知してすぐに後ろに飛び、余裕をもって距離を開けた。銀色のオーラを立ち昇らせ、開かれたオメガの目は先程以上に輝いていた。かゆが警戒しながら待機してる中、屋上の扉が開き、れいとアルフアが屋上に出て来た。


「いた!」

「!?オメガ君!!」


オメガから立ち昇るオーラを見てアルフアの顔が青くなる。


「だめ…だめだよ…。」

「アルフアさん?」


オメガとかゆは二人に気付いておらず、互いに見つめ合っているようだった。アルフアはれいが止めるのも聞かずにオメガの元に走り出す。アルフアに気付かないオメガは詠唱を始める。


「接続…」

「だめ…!」

「神なる権能…」

「オメガ君…!」

「我が身に宿る機械の神よ…」

「やめて…!」

「我が身をもって…」


アルフアがオメガに向かって走っていくのが目に入ったかゆもこのままでは危ないとアルフアを止める為に走り出す。しかしかゆは先程距離を開け過ぎていた為、間に合いそうもない。れいもアルフアを追いかける形の為止められない。このままではアルフアがオメガの何かに巻き込まれてしまう。


「力を示せ…」

「いかないで…!」

「顕現せよ、エクス…」

「とまってぇぇぇぇぇ!!」

「うぐっ!」


アルフアの頭突きがオメガの横腹に突き刺さり、二人とも倒れる。すると先程まで立ち昇っていたオーラが消えて無くなっていた。


「…あね…き?」

「このおバカ!何で約束破ろうとしたの!?あれはもう使わないって…約束…したのに…!」

「…ごめん。」

「うぅ、えぐっ、ひっく…」

「ごめん…姉貴、もうしない。」


泣きつくアルフアを無表情ではあるが申し訳なさそうな声でなだめるオメガ。その光景をかゆとれいは顔を見合わせて見守っていた。そうしながられいはかゆに対して声をかける。


「ねぇかゆ。どうしてオメガさんと戦ってたの?」

「ギクッ、そ、それはねぇ~。」

「突然剣を向けられた。その上姉貴に危害を加えると言ってきた。だから戦った。」

「断言してないよ!?するかもっていう可能性の話をね!?」


いい訳をするかゆの横から怒気が発せられる。かゆがゆっくりと横を見ると怖ーい笑顔のれいがかゆを見返していた。その手に持つはフライパン。


「か~ゆ~?」

「あばばばば。違うくて!これはその、オメガ君の事を知るためにですね!?」

「問答無用ーーーーー!!」

「あああああーーーーー!!!」


フライパンを持って追いかけるれいと抵抗せず追いかけまわされるかゆの二人を見ながら、やっぱり信用して良さそうだと思ったオメガが視線を戻すと、動きすぎて疲れたのだろう。心から安心した表情ですやすやと眠るアルフアがいた。オメガはその頭をそっと優しく撫でた。


「止まりなさい!こらーーー!」

「やだーーー!頭バカになっちゃうじゃん!」


少し後にカーンという甲高い音と悲鳴がドーム内に響き渡った。

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