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対峙するのはかゆ達4人に対し、大分数の減った10人程度。


「一人3ぐらいで大丈夫?後は私も前に出るからもう少し持てるよ?」

「いや、俺も行けるッス。姉御の負担を増やすつもりは無いッスよ。」

「ダイヤが一人と対峙できるようにする。という事ですわね。いいですわよ。時間稼ぎぐらいなら付き合ってあげますわ。」


ダイヤを中心に正面にかゆ、左前にギル、右前にゼロが並ぶ。


「皆さん…ありがとうございます。この戦い、負ける訳にはいきません!私に…力を貸して下さい!」


三人とも当然と言わんばかりにそれぞれ武器を構える。


「世界を守る為、私が私である為に、不死鳥騎士団…いや、騎士ダイヤ、悪を討ちます!」


そして二つの勢力はぶつかり合う。


かゆは騎士くずれが二人と賊のを相手に剣と斧で来る二人の攻撃を短剣で防ぎ、もう一人が飛ばしてきた魔法に対して二人を押しのけた後、ナイフを投げつける。刀身が非常に細いそのナイフは魔法を打ち消しながら貫通し、魔術師ののどに刺さる。


「ぐ、が…」

「喋れないでしょ。しばらくそのままでいてね。」


魔術師はのどに刺さったナイフを引き抜こうとするが、刀身の先に返しのついているナイフは簡単には引き抜けず、挙句の果てに細い刀身が折れ、魔術師ののどに刀身の先が残る事になった。

魔術師は何も出来なくなりその場に崩れ落ちた。


「この化け物がぁ!」


左右に分かれて襲い掛かってくる二人。かゆは左側から来る敵に向かっていき、斧を振り下ろそうとする所に腹パンを決める。速度に対応できなかった賊は腹パンを受けてその場に崩れかけるが、かゆが賊の首後ろ側の服を掴んで持ち上げ、そのまま賊をもう一人に向かって投げた。かゆを追って近づいていた騎士は突然飛んできた賊を躱すことはできず、頭と頭でぶつかる事になり二人ともそのまま気絶した。


「そのままゆっくり眠ってて。次起きる時にはもう全て終わってるから。」


かゆは三人を気絶、または戦意喪失にした。


一方ゼロの方は騎士くずれが三人。一人が剣、二人が杖を持ち対峙している。


接敵する前にゼロは三人を一人ずつ指さしてから本を使用する。その間に接近していた騎士がゼロに切りかかって来る。


「くたばれえぇぇぇ!」


勢いつけて切りかかったその剣は、いつの間にかゼロの左手にあった白く輝く剣に防がれていた。


「何!?魔法使いじゃないのか!」

「あら。私はどちらかというと魔法の方が得意ですわよ?魔法使いに剣で防がれて恥ずかしくないのかしら。」

「馬鹿にしやがって!」


騎士はしばらく剣を振るがゼロはそれを全て防いでいく。


「クソッ!何故通らない!」

「単純に力の差ですわ。命を懸けているか懸けていないか、それだけでも十分に差はつくものですわ。それにしてもそんな甘い攻撃でいいのかしら。」

「…何?」

「私あなた達に時間経過が発動条件の魔法をかけていますの。あまり時間をかけすぎると時間切れになりますわよ?」

「!?おい!お前らも攻撃しろ!早く仕留めるぞ!」


後ろで待機していた魔法使いの二人も加勢してくる。ゼロは微笑みながら剣を捌き、魔法を剣で切り裂いていく。


「残り一分間。存分に遊んであげる。楽しませて下さいな。」


そしてギルの方は、賊と騎士くずれの三人全員剣と斧で構成されていた。


「うーん。魔法が無いだけ救いなんスかね?」


ギルは盾を構えながらもどうすればいいか悩んでいた。敵は普通に向かってくる。


(普通三人も相対して無事じゃ済まないッスよ~。)


接敵したギルは攻撃に当たらない様に回避し、躱せない攻撃のみ盾で防いでいる。


(そもそも俺攻める事ってあまり出来ないんスよね。)


剣を受け流し、斧を躱し、二つの剣を盾で受け止める。後ろから振り下ろされる斧をしゃがんで剣と共に防いで勢いをつけて立ち上がる事で三人をはじき返す。


「すみません姉御!さすがにちょっと三人は無理っぽいッス!攻撃出来ないッス!」

「しょうがないなぁ。一人だけだよ?」


その会話を聞いて三人は警戒してかゆの方を向くが、既に戦闘を終えているかゆはこの場にとても似合わないピクニックシートを敷いて団子を頬張りながらこちらを見ているだけで何もしてこようとはしない。そんな普通じゃない姿を見て賊達は少しの間思考が止まった。


「よそ見とは余裕ッスね!」


ギルは斧持ちの賊に切りかかりしっかり胴体を捉えた。


「ぐあっ!」


痛みはなくともある程度動きが鈍る。これほどの傷を付けれたのは大きい。


「このガキィ!おいお前ら!とっとと…」


賊が反対側にいる騎士達を見ると、騎士達は剣を下ろし直立していた。


「な、何してるんだお前ら…。」

「分からねぇ、体が、動かねぇんだ。」


騎士二人は頭以外を動かそうとしているようだがびくともしない。


「あ、ごめんギル。その二人近かったから一緒にかかっちゃったみたい。」

「あなたも弟子には甘いんですわね。」

「べ、別に偶然だから!意図してやっては無いからね!」

「そう言う事にしておこうかしら。うふふ。」


かゆは恥ずかしそうにしながら団子に食いついている。その隣にはいつの間にかゼロが一緒に座って湯呑みでお茶を飲んでいるようだ。その景色だけ切り取るとまるで花見にでも来ているかのようだ。


「いいなぁ、俺もなんか食べたいッス~。」

「だったら大人しく俺の斧でもくらっとけやガキィィィ!!」


ギルの態度に激昂した賊が全力で斧を振り下ろそうと向かってくる。


「流石に一対一で負けるつもりは無いッスよ。シールドバッシュ!」


斧を振り下ろす前に相手の胴体に盾で突進を当てて吹き飛ばし、勢いはそのままに体が浮いて無防備な状態となっている賊に追撃を掛ける。


「スラーーーッシュ!」


賊の体に横一閃の斬撃が通り、賊はそのまま地面に倒れた。


「くそ!まだだ!まだ体力は残ってる!」


体力が少ないであろう状態でも起き上がろうとする賊にギルは魔法を唱える。


「いや、終わりッス。スリプル。」


強い眠気に襲われた賊は恨み言を呟きながらそのまま眠りに落ちた。


「これで大丈夫ッスね。」


確認後、花見状態の二人の元に戻る。


「ギル君お疲れ~。」

「申し訳ないッス~。姉御の手を借りてしまって。」

「まぁしょうがないよ。ギルは守るのに長けてるからね~。攻め手にかけるのはどうしようもない事だよ。」


師弟の関係である二人の会話をゼロは優しく見守る。少し話した後にギルがダイヤについて二人に質問する。


「そういえばダイヤさんはどうしたッス?」

「それなら、丁度あちらでも決着がついたようですわよ?」


ゼロが指した方向を見ると、騎士の体をダイヤの剣が貫いており、その騎士の体は光となり消えていった。


剣を下ろしたダイヤは周りを見渡し、かゆ達の姿を見つけると困惑しながらも向かってくる。


「えっと、これは?」

「お団子!」

「暇だからお茶を飲んでいましたわ。」

「いや、まぁ見れば分かりますが、そちらも終わっていたのですね。」


周りは動けない者、意識の無い者、戦意を無くしている者と様々な状態で無力化されている。


「凄いですね。本当にこの数を無力化するなんて。」

「後はあなたが全てとどめを刺すのみですわ。」

「…わかりました。」


ダイヤ達は体を動かす事の出来ない騎士達の元に向かう。

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