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「あ、あなたは?」


ダイヤが緑髪の少年に問いかけると少年は明るく言う。


「俺、ギル=ゼムトって言うッス。そちらのお嬢さんの予想通り村で緑の騎士って言われてたッスね。とはいえまだまだ未熟者ッスけど…ってそう言えば!」


ギルはれいの肩を掴み凄い勢いで問いかけてくる。とても圧が凄い。


「姉御を!姉御を知ってるんスか!?教えて欲しいッス!!」

「教えます!教えますから少し離れて下さい!」

「あっ、申し訳無いッス。つい嬉しくて…。」


ギルは申し訳なさそうに離れ頭を下げた。


「しかし、まずは話よりも安全を確保した方が良いのではないだろうか。またいつ見回りが来るか分からない。」

「確かに…」

「…そうッスね。あいつら無限に湧いてくるッスからね。アンデッド顔負けッスよ。急いで外に…」


ギルが先導して進もうとするとダイヤが呼び止める。


「すまないのだが、私の装備を取り戻しては頂けないだろうか。装備があれば私も戦力になれる。」

「了解ッス。協力するッスよ。」


三人はギルを先頭に洞窟を進む。進んでる間れいとダイヤは村の状況をギルに話した。


「なるほど。っとなるともう村は気にしなくても良さそうッスね。」

「何故だ?早く助けに行かなくては村の人達が大変ではないか。村がどうなっても良いとでも?」


ダイヤはギルを睨みながら言う。ギルは少し笑いながら問いに答える。


「今ここが騒ぎになっていないのが証拠ッスよ。」

「どういう事ですか?」

「お二人が捕まってからそれなりに経ってるッス。それだけの時間があればこの洞窟を見つけることぐらいは姉御ならすでに出来てるはずっス。でもまだ来ていないという事は…」

「村を救ってる?」

「そうッス!」


れいの回答に笑顔を見せるギル。ダイヤも納得し、そのまま進んでいくと少し広い場所が見えた。


「ここッスね。」


ギルの視線の先にはれい達が居たような鉄格子の牢屋があり、その奥に色々な物が棚に置かれていたり、立て掛けられていたりしている。その中にはダイヤの装備とアイテム袋もある。しかし、牢屋の前には二人の賊が見張りをしている。


「あれだ。私の装備は。しかしどうする?こんな場所では近づけばすぐにばれてしまう。」

「大丈夫ッス。任せてほしいッスよ。」


ギルは壁に張り付いたまま顔と片手だけ出して賊に向ける。


「スリプル。」


ギルがそう唱えると賊の片方がその場に崩れ落ちる。


「ん?おい何寝てんだ…」

「スリプル。」

「よ…。」


もう一人もすぐに倒れる。


「これでよしっと。とっとと牢の中の物ごっそり頂いていきましょう。」

「ギル殿。今のは魔法か?」

「そうッスよ。眠りの魔法ッス。」

「騎士なのに魔法まで使えるのか。凄いな。」

「まともに使えるのは戦闘時じゃない時ぐらいッスけどね。今の魔法も戦闘を警戒している相手には効果薄いッスからね。」


話しながら三人は牢屋の中の物を回収した。ダイヤは自分の物を、れいは特に取られたものが無い為二人を見守り、ギルは他全ての物をインベントリにしまっていた。


「よしよし。大漁っすねぇ~。」

「…ギル殿?随分手馴れているようだが…。」

「き、気のせいッスよ。」

「それにそんなに持って行って大丈夫だろうか。奴らが起きたらすぐにばれてしまう。」

「あぁ、それは大丈夫ッスよ。」

「何故だ?」

「彼らが起きた時にはもう手遅れッス。急ぐっすよ。」


ギルは駆け出し、二人もそれに続く。


「もう姉御が着いていてもおかしく無いッス。姉御の心配事を無くす為にも急がないと。」

「しかしギル殿。こちらは入り口とは逆方向では?これでは…。」

「さっきの牢屋まで戻るッス。」


三人はれい達が捕まっていた牢屋に戻って来た。


「どうするんですか?行き止まりですけど。」

「大丈夫ッス。任せて下さい。」


ギルはそう言うと部屋の端に行き、唐突にスコップを手に穴を掘り始めた。


「ギ、ギル殿。まさか一から掘るのか?」

「それじゃ時間が…。」

「まぁまぁ、少し待ってて欲しいッス。」


ギルが凄い速度で穴を掘って行く。そのギルの姿が見えなくなった頃ギルから声がかけられた。


「お二人さーん。来ていいッスよ!」


二人は顔を見合わせて穴に行くと人が一人ずつ通れる程の通路があった。


「隠し通路?何故こんな所に。」

「俺が掘ったッス。」

「掘った!?これを!?」

「そうッス。」

「あなた達には驚かされてばかりだな。」


ダイヤは苦笑しながら先に降りて進んでいく。


「そちらの…って、そう言えばお名前知らないッスね。」

「あっ、私しらもり れいって言います。」

「れいさんッスね。覚えたッス。じゃあれいさんも早く。ここ埋めちゃうんで。」

「わかりました。」


れいも降りて先に進む。二人が進んだのを見てからギルは掘った穴に手をかざして詠唱する。


「ランドクレイ。」


掘った後の土を浮かし、それをそのまま穴に戻していく。


「これでよしっ。急ぐッスかね。」


ギルは先に行った二人を追いかけて走って行った。

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