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「うちの騎士が無礼を働いてしまい申し訳ない。」


団長と呼ばれている女性は騎士団のテントに入ると人払いをした後にそう謝罪してきた。頭も90度まで下げている。それを見たかゆ達は顔を見合わせたがとりあえずかゆが話す事にした。


「えっと、顔を上げて下さい。流石にあれぐらいで怒ったりはしませんから。」

「いいえ。部下があんな無礼をしてしまった手前何もしない訳にはいきません。私に出来る事であれば何でも言って下さい。できる限り力になります。」


団長に頭を下げたままそう言われてかゆ達は団長に少し話し合う事を伝え、少し離れてからどうしようか相談し始めた。


「うーん。どうしよっか。」

「休む所を紹介してもらうとか?」

「でも私達この世界のお金持ってないからね~」

「確かに。」

「それに別に私野宿用のテント持ってるから村の外で問題も無いんだよね。」

「でもそれじゃあ何かに襲われたりとかしない?」

「まぁモンスターは居そうだけど私のテント特別製だから大丈夫だよ。」

「じゃあ、どうする?」

「うーん。」


しばらく食べ物を分けて貰うかとか村を案内して貰うかとか色々話し合いはしたが、


「ギルって人の事聞いてみる?」

「結局それぐらいしかないよね。」


最終的にはそうなった。


「すみません…ってうわ。」


かゆ達が振り返ると先程と体勢のままいる団長の姿があった。よく見るとその体勢が辛いのか少し震えている。


「…ずっとそのままいたんですか?」

「…はい。まだ何も言われていませんでしたからそのまま…。」

「とりあえず顔を上げて下さい。話はそれからです。」

「…わかりました。」


団長が顔を上げてかゆ達と向き合う。改めてその女性を見ると髪は赤く、また高い位置で縛っており、その瞳は光を反射しそうなほどの金色の瞳である。服装はそのまま騎士と言った見た目で先程の騎士達よりも少し綺麗に見える。


「それで、私に何か出来る事はあるでしょうか。」

「私達人探しをしているんですけど、この辺で緑色の髪の私達と同じぐらいの男の子を見ませんでしたか?大事な仲間なんです。」

「緑色の髪?正直プレイヤー以外でそんな色を見たことは無いな。大体この世界の人達は黒か茶色だ。よほど凄い力を持つ者や特殊な病にでもかかっていなければ他の色はそうそう見かけない。そういえば君達の髪の色はどちらも珍しいな。君達はプレイヤーでは無い様だし、もしかして何か力を持っているのか?」

「あはは…それについてはノーコメントで。」

「あぁ、すまない。変な事を聞いてしまったな。とりあえず私は見たことは無いな。」

「そうですか。」

「力になれなくてすまない…。しかし、それに関係しそうな噂話を一つ聞いた事があるな。」

「噂話ですか?」

「あぁ。何でも私達が来る少し前まで、この村に一人の騎士が滞在していて村を守っていたそうだ。しかしここ最近現れた賊に連れていかれてしまった。その者の髪色が緑色であったそうだ。」

「それだ!」


かゆが団長の肩をガシッと掴んだ。


「しかしあくまで噂話だからどこまで本当かは分からないぞ?」

「誰から聞いたの!?」

「いや、私も村の人達が話しているのを聞いただけなんだ。」

「ありがとう!ちょっと行ってくる!れいちゃんは待ってて!」


かゆはそう言うと風のごとく騎士団のテントを飛び出して行った。


「ええっと、君の連れは随分と行動派なんだな?」

「そう…みたいですね…。」


残されたれいと団長はかゆが飛び出して行ったテントの入り口を見て乾いた笑いを浮かべていた。

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