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ツカサの退屈しのぎ  作者: J. E. Moyer
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浮気 I

Episode #6

ヒロちゃんの母親に浮気相手が出来て家から出て行った、と噂になっているのを司も耳にしました。


ヒロちゃんの母親はこの辺りでは見かけない程の美人で、パッチリした目とスラッとした容姿は人の目を引きます。


いつもニコニコ顔のおばちゃんがヒロちゃんと弟をほって出て行ったとは、司には信じられないのです。


それ以来暫くはヒロちゃんも顔を出さないので、司はヒロちゃんの家の裏戸を何回もチェックしています。


ある日、裏戸から出てきたヒロちゃんは、弟とひっついている様で司と遊ぼうとしないのです。そして弟と自転車に乗って何処かへ消えて行くのです。


それが数日続いた次の日に紙芝居が来ました。


水飴を食べながら紙芝居を見ている司の横にヒロちゃんが立っていたのです。


「ヒロちゃん、氷工場の水場に行こか?」


「うん、行こ」

と返事するヒロちゃんの元気な声を聞いて、司はヒロちゃんの母親の事を忘れていました。


水場は、氷工場から排出される綺麗な冷たい水で出来た小川で、鉄道のすぐ横にあります。


おばちゃん達が洗濯に来ていない日は子供たちの水遊びが出来る場所です。


たまにおばちゃん達と子供達が一緒になると言い合いになる事があるのです。それは、おばちゃん達が水の排出口の近くで洗濯している時で


「おばちゃん、もっと下流で洗濯しいな! 泡だらけで遊ばれへんやんか!」


と子供達が文句を言うと


「あんたらは水をバチャバチャさせてうるさいがな!」


とおばちゃん達も負けていません。



おばちゃん達は絶対に動かないので、子供達が帰っていくハメになるのです。


ヒロちゃんと司は水場で水の掛け合いをして、ビチャビチャになってしまいます。


もう家に帰っても怒られる事が無いヒロちゃんなので


「お母ちゃんに怒られるで」


と言いそうになって、それを口に出さずに飲み込んだ司でした。






つづく

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