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ツカサの退屈しのぎ  作者: J. E. Moyer
3/19

司とヒロちゃん - 駅での遊び

Episode #3

中学生の三人と五年生の友達が手招きで司とヒロちゃんを呼んでいます。


「ヒロちゃん、遊びとちがうか? 行こ!」と言う司の後をヒロちゃんも走っていきます。


ヤッパリ!!!


みんなで駅のプラットフォームに行くのです。


これが司の一番好きな遊びなのでジャンプしながら中学生のリードに従って駅に向かって歩き始めました。


このゲームにはルールがあって、駅員の姿が見えるとみんな一斉に隠れなくてはならないのです。


プラットフォームには石灰や芋等が積み上げられていて、次の列車で遠い町へ運ばれて行くのを待っています。


そのプラットフォームでかくれんぼが始まろうとしています。


鬼は 五分間でタグした人数で最後の勝負が決まるのです。


積荷の上を次から次へとジャンプするのが何とも言えない快感で、隙間を見つけるとそこに隠れて、誰かが捕まる迄じっと息を潜めて待っています。


中学生の男の子達は綺麗な五年生の女の子の後を追いかけて、一緒の隙間に入ろうとしているので、女の子はキャッキャッと叫んでいます。


ヒロちゃんは金魚のフンみたいにいつも司のあとを付いて来るので、鬼に見つかる時は二人ともタグされてしまいます。


一時間くらい積荷の上を飛び回って、石灰で服や顔が真っ白になり


「又 お母ちゃんに怒られるで」と、司とヒロちゃんが苦笑していると


「こらぁ!!! 出て来い!!!!!」と駅員の声が聞こえてきます。


鬼役の男の子が駅員に捕まったようです。



「出てこんと警察を呼ぶぞ!!!」と駅員は続けて怒鳴っています。


交番がすぐ側に在るので、仕方なくみんながゾロゾロと積荷の中から出てきました。



今夜は捕まったけど、又何日かすると退屈した中学生が何か面白いゲームを考え出すのを、司とヒロちゃんは待っています。



帰り道で、中学生が

「みんな, ケンケンで歩けよ!」と命令するのです。


それを待ってましたと言わんばかりに競争する司とヒロちゃんです。



帰り着くと、もうすっかり暗くなっていて、司の両親の診療所は真暗で、司の自転車が前に留めてあります。


ヒロちゃんは隣に住んでいますが、司は町外れまで自転車で帰ります。


「ヒロちゃん、あんたの服、真っ白やで。 怒られんようにしいよ」


「うん、司ちゃんも気つけて帰りよ」




つづく

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