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ツカサの退屈しのぎ  作者: J. E. Moyer
2/19

司とヒロちゃん - 役者の乳房

エピソード #2

司には同級生で仲良しのヒロちゃんという男の子がいます。ヒロちゃんの両親は司の両親の診療所の隣にある散髪屋で、お父さんもお母さんも美男、美女です。ヒロちゃん一家はお店の二階に住んでいて、5〜6人の若い使用人が一階の店の奥に住んでいます。 司の母親の話では、その若い衆の一人は紫色のパンティーをはいているそうです。注射をお尻にした時に見たと言っていました。


このお兄ちゃんはカッコいいし、司の知らない算数を教えてくれました。それは司のお母ちゃんが

「100円札を10円玉に交換して来てくれるか?」と言うので、散髪屋に行って

「お兄ちゃん、10円玉に変えてか?」と言うと、

「100円札は10円玉にしたら90円になるんやで」と言って10円玉を9個くれました。その後で10円玉を一つくれて、「あんたの手数料やで」と言いました。


その時『なんで学校の先生は手数料の事を教えてくれへんかったんやろ?』と司は思ったのでした。


「手数料はお小遣いの足しになるで」とヒロちゃんに言いましたが、100円札の交換もそう頻繁には無いし、ヒロちゃんも他には何も思いつかないみたいです。


近くの銭湯に岩風呂が出来たと聞いたので、司とヒロちゃんは早速昼間の人が入っていない時間帯に行きました。


「おばちゃん、私ら小学生やで。一緒に女風呂に入ってもええか?」と司が銭湯のおばちゃんに聞くと、おおばちゃんは暫く考えているみたいでしたが、ヒロちゃんも司の後をついて女風呂の岩風呂に入れたのです。


岩風呂は洞窟の様で、緑色の湯は良い匂いがしています。


岩風呂の底も岩で凸凹になっていて面白く、二人で潜って泳ぐ練習をしてみました。 司は天井まで届く岩を登ろうとして湯の中に落ちて肘を擦りむいたので、岩登りは諦めました。


銭湯を出た後で、ヒロちゃんが芝居が来ていると言うので、走って行きました。二人で楽屋の外から中を覗くと、女の役者さんがお化粧をしています。楽屋と言っても幕を張って仕切った四角い部屋で、一角は光が入るように幕は腰の辺りから下だけ張られているだけです。


外で司とヒロちゃんが観ているのを知っている女役者が、乳房を放り出して白い化粧を塗り始めました。


銭湯で見る女性の体には抵抗が無い司も、公の場で見る乳房には赤面してしまう自分がおかしくなるのです。ヒロちゃんも恥ずかしそうな顔をしています。


役者の乳房は大きくて、ぶどうの房の様にぶら下がっているのです。


「あのおばちゃん、小さいお乳やったら隠しとんでなあ」と司が言うと、ヒロちゃんは無言のまま赤い顔で、ニヤっと笑うのです。


芝居は侍もので、お金の無い二人はテントの隙間から観て、何か得をしたみたいに思ったのです。

つづく

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