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ツカサの退屈しのぎ  作者: J. E. Moyer
11/19

綿菓子屋のお兄ちゃん

Episode #11

若いお兄ちゃんが銀行前で綿菓子を作って売っています。


自転車で引っ張って来ているので、ここが一番人通りが多い十字路だと思ったのでしょう。


司は綿菓子屋を素早く見つけて


「お兄ちゃん、綿菓子作ってくれるか?」と言いながら


プラスチックカバーの前にへばりつく様に立って、五円をポケットから取り出しました。


「よっしゃ!」と言って、お兄ちゃんは白い砂糖を機械に入れて、大きくまん丸の綿菓子を作ってくれました。



この十字路は、ケンバン筋の通りと寺町(てらまち)通りというセンター街が交差して出来たもので、自転車の高校生や買物に行く人で賑わっています。


寺町通りは車が通らない上、両側にお店がぎっしり並んでいて、アーケード形式なので雨の日も快適な買物ができます。


寺町通りは駅前から川の土手まで続いていて、全長が1kmあります。


司は河原まで自転車を飛ばす時に、ここを通るのですが、人通りの少ない裏通りを通るのも好きです。裏通りには、美味しいお芋を売っているお婆ちゃんの家があるので、司も時々お芋を買うのです。



綿菓子を食べながら、お兄ちゃんが作っているのを見ていたら、ピンクのワンピースを着た可愛い中学生の女の子が寄って来て


「綿菓子作ってちょうだい」とお兄ちゃんに言いました。


「何色の綿菓子が欲しいの?」とお兄ちゃんは笑顔で聞いています。


「何色が有るの?」


「ピンクとブルーと白だよ」


「私はピンクが好きよ」


「それじゃピンクだね」


こうして、女の子は大きな綿菓子を手にして去って行きました。



それを見ていた司は


「お兄ちゃん、あんた私には何色がええかと聞かへんかったやんか!」と言うと


「そうだったかい?」と、とぼけているのです。


「あの女の子は可愛いからやろ !!」と司は腹を立て始めています。


「そんな事ないよ!」と否定するお兄ちゃんの顔が赤くなっている上、司の文句が不理屈であるかの様に手を腰に当てて胸を張っているのです。


「嘘言うてもわかっとんねんで!」と、言い返す司に、お兄ちゃんも腹を立てているようです。


そして、怒った顔をして司を睨んでいるのです。


そうすると司も諦めて去っていくと思っている様ですが、そんな事で引く司ではありません。


「何で私に何色がええか聞かへんかったんよ?!」と責める司に


暫く沈黙が続き「...何色が欲しいんや?」と現滅した顔で応えるのです。


「私もピンクがええなぁ。この白い綿菓子はいらんで!」と言うと、


苦い物を噛んだ様な顔で、大きなピンクの綿菓子を作ったのです。


そして、白い綿菓子もオマケとしてくれました。



次の日も綿菓子屋のお兄ちゃんを見つけた司は、走って行くと


「やぁ! 今日は何色が欲しいんかな?」と言って、お兄ちゃんは笑っています。


「今日はブルーがええなぁ」




つづく

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