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バッドエンドは全力でぶち壊す!  作者: 血迷ったトモ
31/50

第30話良い流れ?

役得ですね

アホな男が退散していくのを見送り、雄貴は、ホッと一息つく。


ーまさか絡まれるとは…。未だに、ああいう奴との対峙は慣れないみたいだな。ー


元々、荒事とは無縁な世界で生きてきた雄貴。対策課に所属してからの1年間で、大分慣れてきたつもりだったが、覚悟を決めて向かえる現場ならまだしも、突発的に発生されると、少し戸惑いが先に来てしまうようだ。


「いや〜、災難だったね。大丈夫?」


「え、えぇ、ありがとう。それよりも、デートとか何とか言っちゃってごめんなさい。」


「あぁ、そこに関しては、こちらこそ悪いね。俺なんかと付き合ってると思われちゃって。まぁ、幸いな事に、奴が言い触らす事は無さそうだし、大丈夫だと思うけど。」


ゲームでは、あのチャラ男とは、未来永劫会うことは無かったはずだ。少なくとも、登場はしていない。


本来なら、悠人が殴りかかってきたチャラ男を軽く取り押さえて耳元で脅し文句を並べ立て、心をバキバキに折る筈なので、雄貴がした事と、結果としては変わらないだろう。


「にしても、やっぱり変装してても、あんまり容姿は隠せてないみたいだね。もしくは、チャラ男とはいえ、安曇さんの可愛さを見抜くだけの目があったのか。」


「な、あ、アンタは急に何言ってるのよ!?人を急に可愛いとか!ふざけてるの!?」


緊張が解けたせいか普段よりも、口数が多くなっている雄貴の言葉に、顔を赤くして過剰に反応してくる。


「え、別にふざけてるつもりは微塵も無いけど…。ああいう輩に絡まれるから、その格好なんじゃ無いの?」


「ただ単純に、知り合いにバレたくないだけ何だけど。」


「へ、そうなの?可愛いから外に出れば、あちこちで声をかけられまくりだから、普段からそういう格好してるものだと。」


「さ、さっきから可愛いって!変な事言わないでよ!」


「ちょ、な、何でそんなに怒ってんのさ。おかしな事は言ってない筈だよ!?」


『うがーっ』と顔を赤くして威嚇してくる由橘乃に、慌てて弁明する。


「…アンタ、鈍いとか言われない?」


「い、いや、全く?」


雄貴の言葉を受け、急に落ち着いた様子になった由橘乃の言葉に、雄貴は首を傾げる。


ー…冷静になってみると、さっきから可愛い可愛いって、言い過ぎてね!?そんな仲良くも無い相手に、気持ち悪いんじゃないか!?ー


今更ながらに、雄貴は自分の発言の気持ち悪さに気が付く。好きでも無い男子から言われまくっても、気があるんじゃないかと思い、警戒されてしまうのではないかと危惧する。


「な、何かごめん。気が緩んで、つい本音が出たみたい。」


「だからそういう事なんだけど…もう良いわ。そういえば、そろそろお昼だけど、ご飯行かない?」


何か言いたそうだったが、何故か急な話題変更をしてくる。


「え、あ、うん。良いけど、どこ行く?」


先程まで帰ると言っていた由橘乃が、いきなりご飯に誘って来た事に、驚いてしまう。一体、どういう風の吹き回しなのだろうか。


「う〜ん…適当に歩いて、目に付いた店で良いんじゃない?」


「そうだね。ここで決める事は無いか。うん、じゃあ一旦外に出るようか。」


時刻を見ると、まだ12時前だったので、少し歩いたぐらいが丁度良いだろう。


ーさて、何だか妙な事になったけど、これはこれで、良い流れなのか?ー


外に出て、由橘乃と並んで歩きながら思う。本来なら、これは悠人が起こすイベントなので、何とも言えない気分となる。


「う〜ん…何か和食の気分なんだけど、あそこでいいかな?」


少しお高めな和食屋を指さす。1人でなら、絶対に入らないレベルの店であるが、由橘乃と一緒なら、この位で無いと駄目だろうと判断した。


何せ由橘乃の実家は、大富豪であり、数多くの会社を有しているので、彼女は根っからのお嬢様であった。


「うん、私も賛成。奇遇にも同じ気分だわ。」


どうやら由橘乃のお眼鏡にかなったようだ。少し奮発した選択肢をとって、正解だった。


そうと決まれば、さっさと入店する事にする。もし満席だったら、1から決め直しである。


だがそれは杞憂だったようで、店内はそれなりに空いており、直ぐに席へと通された。


「…あんまりこういう店には来ないから、何を頼もうか迷うな。」


案内された席に座り、メニュー表を開いて呟く雄貴。


「え、そうなの?自然に選んだから、てっきり慣れてるものかと。」


「中々1人だとね。こうして誰かと食事する時以外は、自炊するか、コンビニ飯か、軽くインスタント食品で済ませちゃうから。」


比較的お金に余裕があるとはいえ、今後の展開によっては、あちこち飛び回る必要があるので、節約は必至であった。


だが、由橘乃達ヒロインズとの交流の為ならば、使っても良いだろうという、そういった考えのもと、多少の贅沢を許容したのだ。


「へ〜、自炊が出来るのね。何だか貴方、あんまり器用じゃ無さそうだから、意外だわ。」


「仰る通りっす。中々鋭いね。まぁ、料理は嫌いじゃないし、何とか生活は出来てるよ。」


何とも手厳しい言葉だが、見事に雄貴の特徴を捉えており、何も言い返せない。ただ苦笑いを返すことしか出来ないのであった。

雄貴は不器用です

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