ファンメル兵士訓練所
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ラグジュは内陸国で周りを他の国に囲まれている。
重要機関は都市のラグジュに集中していて郡部はあまり栄えていなかった。
未開拓地も多く、森林も沢山あった。
周りの国と比べるとラグジュは比較的小さい国で、戦争の時もよく狙われ人民は困り果てていた。
ラグジュで起こった一番新しい戦は七年前と、今は比較的平和な状態となっているがいつ攻められてもおかしくはない。
そしてこの国は軍隊だけでは兵力が不足していた。
そこで兵力の強化の為、ファンメル兵士訓練所が生まれた。
ここは国からの支給によって運営することができている。しかし、その分、国が危機に陥ったら命懸けで助けなければいけない。
ここにいる兵士のほとんどは親のいない孤児である。親がいないと一概にはいっても色々なパターンがあった。
親に捨てられた者もいれば、戦争により親を失った者もいた。
だがこの訓練所は戦争の時に軍の手助けをするだけではない。
街で困ったことがあれば、それを解決する便利屋のようなこともしている。
言わば、街と訓練所は多面的に繋がりをもっている。
街が訓練所を運営するための資金などを間接的に払っている。
訓練所が街の安全を守っている。
街と訓練所は互いに助け合って暮らしている
ーー
「……ということだ。分かったな」
イーエスが一通り話を終えて、椅子から立ち上がって言った。
「はい……」
サンサはここにいる兵士が孤児であると言うことを聞いて暗い気持ちになった。
ーいつも世界は残酷だー
サンサも立ち上がり、外を見た。
いつの間にかもう太陽も高く上がっていた。
今回はいつもより短めでした……
次からサンサの訓練所での生活を書きたいと思っています。
よろしくお願いいたします。