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【『魔剣伝説』ティルヴィング.サーガ。】  作者: シマリス
聖都エリス.シオン城攻防戦【battle.of.eris.sion】
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エリスシオン城、攻防戦①

エリス.シオン城を陥落に追い込もうと周囲に大軍で群れ成す魔物たち。


それは手に棍棒を持ち、牙を剥き出しながら叫ぶ恐ろしいゴブリンと巨人獣オーガの姿だった。


聖戦士ロング.ムウと、彼に付き従う民兵たちは


どうにかして魔物たちの囲いを突き崩し城内の人々を救おうと坑道を掘っていた。


城内では、食糧も底を尽き始めて援軍の見通しもつかぬまま、兵士たちの士気も下がりつつあった。


しかし彼らは元をただせば名家ラミスの家臣であり誇り高きエリスシオンの騎士団でもあった。


彼らは天を仰ぎ祈る……


『エリスシオンの三人の女神よ、我らにこ加護の手を差し伸べてくださいませ!』


その時、エリスシオンの城壁掲立つ櫓で旗を掲げる一人の乙女。


紅く染め上げた布地に白き百合の花。


『我!ここにありーーー!!』


『恐れるな!、エリス.シオンの勇敢なる騎士団よ!』


兵士たちが、櫓を見上げて口々に叫ぶ。


『戦乙女!ヴァルキリーだぁ!!』


『我らの救世主が降臨されたぞ!!』


『剣槍と弓を取れ!』


戦乙女ヴァルキリーが旗を大きく振って叫ぶ。


『我々の領土を侵す者共に怒りの鉄槌を下すのだ!!』


『我らには女神のご加護りーーー!!』



その時、城内に天から一筋の光が差した。


城内にいる婦人や子供たちが歓喜の声をあげている。


その場所には美しい女神アリスの姿。


赤銅色(あかがねいろ)の艶やかな長い髪に白雪の様な肌。


若葉に滴る朝露の煌めにも似た澄んだ瞳をしていた。


女神アリスの手には、尽きない収穫籠があつた。


アリスの周りに集まる婦人や子供たち。


やがて中央に様々な実を成らせる大木がみるみる成長していった。


『あなた方は、祝福されし民、満ちたりるまで収穫なさい。』


『そして、あなた方を守る騎士団の方々勇気づけるのです。』


取っても、取っても、次々と実を成らせる無尽収穫樹(アビニヨン)


人々は、この奇跡に天を仰ぎ感謝した。


沸き上がる城内からの歓喜の声。


坑道を掘り進むロング.ムウたちの耳元にも届いた。


『民が喜んでいる……何やら、城内で起きたようだ……』


『とにかく、城の中まで掘り進もう。』


その頃、城門を何とか破壊しょうと巨人獣オーガが大木を頻りにぶつけていた。


ドドーーーーーン》》》》


ドドーーーーーン》》》》


城門の真上に来た戦乙女ヴァルキリーが兵士たちに命じ


予てより用意してあった熱油釜を巨人獣オーガの頭目掛けて浴び掛けた。


《《《ギヤオァァァーーーーッ》》》


熱した油を被り、苦痛にもんどりうつて暴れまわり叫ぶ巨人獣オーガ。


『弓隊、前へーーー!!』


城壁に整然と並ぶ弓隊に戦乙女ヴァルキリーの命が下る。


『巨人獣オーガの額、目掛けて放てーーー!!』


一斉に弓が嵐の如く放たれた。


ビュュューーーーーッ》》》》


ビュュューーーーーッ》》》》


ビュュューーーーーッ》》》》


戦乙女ヴァルキリーが背中の尽無矢を構えて満月の様に引き絞った。


『我、怒りの炎の矢、受けてみよーーー!!』



『フェニックス.アロー!!』



魔物たちの上空で火の矢は、空を覆い、たちまち大きな火の鳥へと変容していった。


炎の矢が火の鳥が、羽ばたく度に魔物たちを襲う。


ウギャーーーーッ)))


ウギャーーーーッ)))


逃げ惑う魔物たちの群れ。


エリスシオンの城壁の上で雄叫びを挙げる戦乙女ヴァルキリーと騎士団。


『オッーーーーーーッ!!』



これを魔物たちの後方から冷ややかな眼で見詰める暗黒魔獣軍団総帥オリハルコン。


『どうやら、俺が出て行かなくてはエリスシオンは落とせないようだな……』


傍らに立つ人物に視線を送るオリハルコン。


『わたくしの背に乗り存分に暴れてくださりませ。』


『久々の大戦……ラプリタァーナの滅亡以来でごさいますゆえ、楽しみでございます。』

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