挟撃!!ラグナロクの丘~新たな鼓動の脈動。
『今だーーー!!』
『突撃せよーー!!』
『キュピレス姫をお救いするのだ!!』
魔法障壁が消滅したラグナロクの丘に向かい怒濤の進軍を再開するキュピレス軍団。
一方、オリハルコンとデッドアルヴァーが陣取るラグナロクの丘の反対側からは
聖戦士ロング.ムウの組織した軍団が攻め上がってきた。
オリハルコンがデッドアルヴァーに告げる。
『挟撃されるぞ!』
『この地では分が悪い……』
『丘を下り、ラグナロクの石橋を渡れ!』
『対岸のラッシュ平原で体制を立て直す!』
デッドアルヴァーは止めを刺せなかったキュピレスを見て悔しそうに顔をしかめた。
オリハルコンとデッドアルヴァーは左右から迫り来る軍団の合間をかいくぐりへーベル河の方向へ敗走した。
キュピレスの周りを囲むように彼女の軍団が陣を組んだ。
ソージャがキュピレスに近づき訊ねた。
『姫、危のうございました……あの得体の知れぬ伏兵軍団が現れなかったらどうなっていたことか……』
キュピレスは身をお越し伏兵軍団の方を見た。
『あれは……パトリシア修道院で私が女神に託した少年では……』
『確か名は……継ぎし者』
ロングムウの軍団はオリハルコンらが撤退したことを見ると、水が引くように迅速に撤退していった。
賢者ソージャが、彼の指揮ぶりに感嘆し呟いた。
『あの采配ぶりは、かなりの軍才』
『味方ならば、これほど心強い者はおりませんが、敵となれば恐ろしきことこの上ない。』
そこへ伝令兵士が駆け寄った。
『申し上げます!』
『後方より鉄騎馬隊な大軍が迫っております!』
アンスウエラが振り向き呟いた。
『くっ!』
『一難去って、また一難か!』
ウイリーアステルが肩を竦めて答えた。
『ここは戦場……敵が次々と現れなきゃつまんないでしょう♪』
アンスウエラはチラッとウイリーを見た。
『お前は軍のムードメーカーだなぁ…』
『たまに突拍子のないことを言う。』
賢者ソージャがキュピレスに進言した。
『姫、我らも疲弊したこの陣容では、とても鉄騎馬隊の大軍に対抗できませぬ。』
『一旦、エリスシオン城へ撤退し体制を整えましょう。
キュピレスは不思議そうにソージャに訊ねた。
『エリスシオン城は、既に敵の手に落ちている聞いたが……』
アンスウエラが口を開いた。
『敵のただ中に飛び込むことになるのでは……』
ソージャは何も言わずにキュピレスを見て、彼女の決を待った。
『賢者ソージャの言うことに……間違
いない。』
『,このキュピレスの行くところ、女神の導きが必ずあります!』
『全軍、エリスシオン城へーー!!』
その時、大きな鴉がキュピレスの頭上を霞めた。
地に落ちた真っ二つになった銀仮面の片眼からプロメテウスのリングを啄み加えて飛び去った。
『新たな時代の鼓動が動き始めておる……』
賢者ソージャの言葉の意味を知るものは今は誰もいなかった。




