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【『魔剣伝説』ティルヴィング.サーガ。】  作者: シマリス
預言者にして大賢者、ソー.ジャの軌跡。
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円形闘技場(アンフィテアトルム)の死闘!②

『アン.スウェラー兄さんをヴァルハラより呼び戻してーーー!!』


『女神ナリスの転生者なるキュピレス様ーー!!』


戦乙女ヴァルキリーことキュピレスは、闘技場に響く少女の声の方を見上げた。


『銀弓の少女、アル.テミウス!!』


その声に魔術師(マジョリカ)のイージスがツカツカとヒールの音を発てて少女アル.テミウスに近付いた。


『小娘ー!、黙れ!』


少女アル.テミウスの頬を平手打ちにするイージス。


これを見た、覇王ドモフ.ウルワッハが

イージスの手をつかんだ。


『止めるのだ!』


『我、妃を傷付けてはならぬ』


この言葉に覇王の手を振り払い顔をしかめるイージス。


心の中で苦悶の声をあげるイージス。


((妃になるべきは、こんな小娘ではない……


私こそ、妃に相応しい、なぜ、覇王は私をお選びにならないのか!))


キュピレスの背中を守る聖戦士ジークがアスカロンの剣を高く掲げ叫んだ。


『闇の戦士たちよ!』


『汝らに命ずー!』


『聖者の元へ帰るがよい!』


スキル発動!


【ホーリック.インスパィーヤー(聖者への帰還)】


アスカロンの剣から放たれる七色のオーロラが迫り来る闇の戦士たちを包んだ。


たちまち彼らは、朝日を浴びて見覚めた幼子のように瞳から輝きが溢れてきた。


彼らは、聖者の戦士と転身したのだ。


『我らの命は、女神ナリスのもとへ!』


『聖者と共に闇の輩の頭を打ち砕かん!』


『オーーーーーーッ!!』


【キュピレス陣営士気高揚↑↑60→90】


『今が攻め時です!』


『戦乙女、キュピレス殿!』


聖戦士ジークの言葉に頷き彼女は指笛を鳴らし戦場を駆ける紅き(ルージュスター)を呼んだ。


駆け付けた紅き星に股がる戦乙女ヴァルキリー。


聖戦士ジークも、天駆ける白馬(ペガサスミリオン)に股がった。


これに動揺し、うろたえる闘技場に集まっているドモフの兵士たち。


『女神ナリスと、龍討伐騎士ジークだぁーーー!!』


その時、闘技場の外からも大勢の人々の雄叫びが響いて来た。


『女神ナリス様が、我らをお救いくださるーー!!』


四方の門が開け放たれて大勢の老若男女が手に手に鋤や釜、石を持って雪崩のよう闘技場へ流れ込んだ。


【キュピレス陣営士気高揚↑↑〓90→100】


魔術師イージスが叫んだ。


『誰だ!……闘技場の門を開け放ったのは!』


群衆の先頭に立つアル.テミウスの姿に眼を止めたイージス。


『小娘!』


『どこまでも、盾を付くかーー!』


『そちらが、その気なら仕方ない!』


『雷人トールよ!』


『呪いの黒十字(ハーデス.クロス)を大地に突き立てよーー!!』


覇王ドモフ.ウルワッハは無言のままで正面を見ている。


これを暗黙の了解と気取った魔術師(マジョリカ)イージスが叫ぶ。


『覇王のお情けを、仇で返した報いだーー!!


『これを(しか)と見よ、アル.テミウス!』


黒十字(ハーデス.クロス)に縛られたアン.スウェラーの姿が、そこにはあった。


『お前が愛し、そして、お前の手で殺した男だ!』


少女アル.テミウスは、頭を抱えその場にうずくまった。


(((イャーァ……)))


その時、戦乙女キュピレスが紅き(ルージュスター)の馬背を手綱で軽く叩き前に進み出た。


円形闘技場の中央にいるキュピレスは手にしたティルヴィングの剣を真っ直ぐに突き立てた。


主座から、これを見下ろす覇王ドモフウルワッハと彼女の視線が合った。


『悪の頭領、ドモフ.ウルワッハよー!』


『汝の悪行のために、これ以上、血を流させるなーー!!』


『我と、一騎討ちせよ!』


『その首、この女神ナリスなるキュピレスがもらい受けん!』


覇王は主座からスクッと立って側近から大きな南十字剣(サザンクロス)を受け取った。


魔術師イージスが、たまらず覇王に駆け寄り前を遮った。


『覇王様、お止めください!』


『戦乙女ヴァルキリーなどの、挑発に乗ってはなりませぬ……』


覇王は手にした南十字剣(サザンクロス)の刃を、しばらく眺めて呟いた。


『イージスよ、道を開けよ。』


『そなたは、(わし)が。彼の女に首を取られると思っておるのか……』


イージスは頭を垂れて道を開けた。


覇王ドモフ.ウルワッハは階段を降りて砂煙が舞う円形闘技場に足を踏み入れた。


『ラプリタァーナの姫よ……今までどこに隠れておったのだ。』


(わし)は、この時を待っておったぞ!』


『この剣を、よく見よ……そなたの父の剣、南十字剣(サザンクロス)だ。』


『この剣で、そなたの父は黄泉の国へ旅立った。』


『そなたは、最後のラプリタァーナの系譜……』


(わし)の手で、父の元へ送り届けてやろう。』


『よいことを教えてやろう』


『仮に、お前が(わし)の首を取れたの話だか……』


(わし)の血を、あのハーデス.クロスに注いでみよ。』


『黒十字に架けられた者の呪いは解かれるであろう。』


『そなたが、真の女神ナリスならば……ヴァルハラより、あの者の魂を呼び戻せる。』


『しかし、魔術師イージスと雷人トールが黙って見ておるとは思えぬがのう……』


覇王ドモフ.ウルワッハは黒いマント猛牛を思わせる二本の角がある兜を被った。


南の門から、闇の漆黒馬(ブラック.クルセード)(たてがみ)(なび)かせながら疾走して来た。


円形闘技場の真上の空がにわかに黒雲に覆われた。


やがて雷鳴が轟き、強い風に横なぶりの雨が加わった。


ゴロゴロゴロ)))))


ピカッーーーーーーッ》》》


戦乙女キュピレスの股がる紅き(ルージュ.スター)


そして覇王ドモフ.ウルワッハが乗る闇の漆黒馬(ブラック.クルセード)


赤と黒、光と闇、女神と覇王。


魔剣ティルヴィングと南十字剣サザンクロス。


決戦の火蓋が切って落とされた。


キュピレス目掛けて突進する覇王。


『参るぞーーー!!』


『女神ナリスなるヴァルキリー!!』


魔剣ティルヴィングを真っ直ぐに突き立てキュピレスが紅き(ルージュ.スター)で駆ける。


『ティルヴィングの剣よ!』


『我の願いを、叶えたまえーーー!!』












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