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【『魔剣伝説』ティルヴィング.サーガ。】  作者: シマリス
預言者にして大賢者、ソー.ジャの軌跡。
33/69

ソー.ジャの出時

曲がりくねつた畦道を進む騎士と従者、そして魔術師の一行。


黒装束で身を包んだ、その出で立ちを見て、村人たちは農園の収穫の手を止め、あたふたと家に入った。


格子窓越しに様子を伺い、人々は木窓を降ろした。


子供たちの、はしゃぐ声も止み静まりかえる農村。



『どうやら、余り歓迎されてはいないようだな……』


ハル.ホロン王子こと改め漆黒の破壊騎士(クラッシャー.ハル)が参謀のスレンに呟いた。


『王子、気になさいますな……』


『あの者たちは、ただ漆黒の破壊騎士(クラッシャー.ハル)様を見て


その気高さに恐れをなしているだけでございます。』


小さな川を挟んだ向こうの山間(やまあい)に煙突のある小屋が見えてきた。。


その小屋を眼に捉えた漆黒の破壊騎士が

小川に架かる木の橋を渡ろうとした時


参謀のスレンが先を進むハル.ホロン王子に声を掛けた。


『黒騎士王子!』


『お待ちください!』


その声に漆黒馬(ブラック.クルセード)の手綱を引いて足を止めた黒騎士ハル。


ヒヒヒヒーーーーーン》》》


『どうしたのだ?、スレンよ。』


スレンは馬を小走りに駆けハル王子の前に出て、頻りに辺りを見回していた。


『何やら、ただならぬ妖気を感じましたゆえ……お止めしたのですが。』


黒騎士ハル王子は、付き従っている兵士たちを辺りに散開させた。


辺りをくまなく検索した後、再び隊列を整えた兵士の長がスレンに報告した。


『申し上げます!』


『川で魚釣りをしている老人以外、特に怪しき者はおりません!』


それを、となりで聞いていた黒騎士ハル王子がスレンに話しかけた。


『どうやら、お主の取り越し苦労だっなようだな。』


漆黒馬(ブラック.クルセード)の手綱で軽く馬背を叩いて歩を進める黒騎士ハル王子。


橋を渡り終えたところで、ピタッと漆黒馬の足が止まった。


畦道の傍らに立ち、両手で鮭をハル王子に差し出す仕草を見せる老人の姿。


『何者!』護衛の兵士隊長が剣を抜き、前に出た。


『待て!、下がるのだ。』


参謀スレンが老人に近付いて訊ねた。


『その魚を、ハル王子様へ献上すると申すのじゃな。』


その老人は長い白髪に、顔を覆う白髭(しろひげ)


編んだ腰ひも一つで頭からスッポリと(みどり)のローブを身に付け身けている。


スレンが兵士の一人に命じ、老人から鮭を受け取るよう促した。


『老人よ、心遣いに感謝する。』


黒騎士ハル王子は老人の眼を見て礼を述べた。


『鮭の左目をハル王子へ……』


老人は、それだけ告げて橋の下へと降りて行った。


黒騎士ハル王子の一行は、山小屋へと歩みを進めた。





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