円形闘技場(アンフィテアトルム)の死闘!
ワーワー)))
ワーワー)))
会場を埋め尽くす満場の歓声がコダマする。
赤地に猛る獅子の旗が、靡くドモフ王国の中央噴水広場。
その真ん前に、ひときわ大きな建物が建てられていた。
ここ円形闘技場は雷人トールの連戦連勝に湧きたっていた。
見上げるような大きな巨体
上半身には何も纏っておらず
厚手の皮ズボンにガッシリとした大きな斧の紋章が入ったバックルのベルト
さらに熊の毛で覆われたブーツを履いている様 は
まさに野に放たれた大熊という様相を呈していた。
剣も弾く強靭な肉体が彼の存在感を大いに鼓舞していた。
右手には大戦鉄槌が握られていた。
既に、多くの戦士の血を飲み干したせいで紅く染まっていた。
《《《うぉーーーーーっ!!》》》
雷人トールが、次なる挑戦者の血を求めて叫ぶ。
【HP=99sta=90DEF=95Int=30.年齢=不明
】
総合能力値〓『B-Ⅳ』評価(強い)
タンカで円形闘技場の外へ運ばれる戦士の死体。
血風吹の後が痛々しく中央の地面を染めていた。
倒された戦士は、全て捕虜となったエリスシオンと、その友好国の者たちだった。
一段上がっところにある豪華な作りの観覧席に座る覇王ドモフ.ウルワッハがスクッと立った。
『この雷人トールへの挑戦者は、もうおらぬのか!』
『ならば、構わん……すべての戦士を持って雷人トールの相手をせよ!』
続々と現れた、戦士の一団が方円状に雷人トールを囲んだ。
その最後尾から、目立たぬようにキュピレスとジークが続いた。
嵐の前の静寂が会場を満たした。
覇王ドモ.フウルワッハが高々と右手を上げ合図した。
『始めよー!』
雷人トールは、他の者には目もくれず、戦乙女ヴァルキリー、ことキュピレスへ突進していった。
聖戦士ジークが、これにいち早く気付きキュピレスに大声で叫んだ。
『キュピレス!、奴の狙いはお主だ!』
キュピレス〓『特技発動→俊敏力!』
特技のローリングで雷人トールの大戦鉄槌を寸前で交わしたキュピレス。
その時、雷人トールと目が合った。
『裏切り者、戦士バルドランー!』
パワーアップしていた彼は、今や、その名も轟く雷人トールとなっていた。
中央に聖戦士ジークと、ともに降りかかる剣の嵐をかいくぐり移動したキュピレス。
二人の周りを取り囲む闇戦士たち。
覇王ドモフ.ウルワッハの左となりにいた参謀のイージスが前に出て叫んだ。
『戦乙女ヴァルキリー、キュピレスよ!』
『跳んで火に入る夏の虫とは、お前の事だ!』
『こちらから、捜す手間が省けたというもの!』
『ここが、お前の墓場となる!』
『出よー!、我の闇の軍団!』
魔術師マジョリカ、イージスの魔法唱に闇の穴が出現し
その中から骸骨奴隷が群れをなし現れた。
骸骨奴隷たちは手に手に剣を持ち覇王ドモフウルワッハの闇戦士たちと共にキュピレスとジークを取り囲んだ。
『アストラル体である骸骨奴隷の始末は、やはりアストラル体である
このロンギネスの槍を持つロン.ゴミアントと
黄金のハルパー(湾曲剣)のペル.セシウスにお任せを!』
言うが速いか、ロンギネスの槍が、突進してくる6体の骸骨奴隷を目も止まらぬ速さで貫いた。
ビユユーーーーーーーッ》》》》》》
グワシャーーーーーーン))))
砕け散る骸骨の破片。
ガラガラガラガラ………………
『眼( まなこ)に刻めーー!!、悪鬼どもーーー!!』
ロン.ゴミアントの背中を守るペル.セシウスの黄金の湾曲剣が
ブーメランのように円形闘技場を周回し骸骨奴隷たちの頭を砕いて行った。
グワシャーーーーーーン))
グワシャーーーーーーン))
グワシャーーーーーーン))
再び黄金の湾曲剣はペル.セシウスの手元に戻った。
『やっと我らが、キュピレス殿のお役に立てる時が来ました!』
二人のヴァルハラ戦士は、取り囲んだ骸骨奴隷たちを、次々と破壊し、壊滅させた。
その後、霧のように、キュピレスの持つ魔剣ティルヴィングの輝きの中へと吸い込まれていった。
覇王ドモフ.ウルワッハや、周りの将軍たち、そして会場の兵士たちには
アストラルである二人の戦士の姿は眼に映っていなかった。
ただひとり、魔術師イージスを除いては……
『おのれ!、うかっであった、ヴァルハラの戦士を従えておったとは!』
戦いは霊戦から、生身の戦士たちの戦いへと移った。
キュピレスは魔剣ティルヴィングを大上段に構え聖戦士ジークに呟いた。
『ジーク殿、私の背中は任せました!』
聖戦士ジークも、これに答えた。
『お互い、まだヴァルハラへ逝くには早すぎます……』
『我も、まだ目的を果たしておりませぬゆえ。』
周りを取り囲む闇の戦士たちが一斉に二人に襲いかかった。
うおぉぉぉーーーーーーっ!!!)))
その時、覇王ドモフ.ウルワッハの右となりに
おとなしく座っていたアル.テミウスが突然立ち上がり叫んだ。
《《《キュピレス様ーーー!!》》
《《アン.スウェラ兄様をヴァルハラより、呼び戻してくださいませーーー!!》》




