交錯する運命。①
1年後。
エリス.シオン島の北。
開戦前の穏やかな時期。
ドラン連山、裾に広がる森。
霧の国の美女、光の妖精の噂を
新しく国の政を任されたバルキ宰相の口から聞かされたサー王。
銀の弓的手アル.テミウスと、わずかな供を従え華美な装飾の馬車を走らせていた。
馬車の中で、護衛隊長の任に就いている少女アル.テミウスにサー王が宝物箱を開きながら言葉を洩らした。
『アル.テミウスよ、霧の国の美女……早く会いたいのう~♪』
『これほどの宝物を用意したのだ、予の求愛を二つ返事で必ず受け入れるにちがいない!』
『そなたも、そうは思わぬか……ウヒャャャヒヤ(笑)』
馬車の窓から不審な動きに警戒を怠らない少女弓的手アル.テミウス。
その時、アル.テミウスが慕兄アン.スウェラから借り受けた盾【叫びのオハン】が口を開いた。
(((左後ろから、敵の騎士が近付いてくる。)))
森を貫く馬車道以外は鬱蒼とした木々に視界が遮られいた。
アル.テミウスは馬車から半分、身を乗り出し、耳を澄ました。
パカッ.パカッ.パカッ))))
微かに聞こえる馬の蹄の音。
サー王は、叫びのオハンの警告に動揺し体を震わせ大きな声で叫んだ。
『ああ、アル.テミウスよ!』
『は、早く、予の命を狙う恐ろしき敵の騎士を、そちの銀弓で
射止めよ!』
少女弓的手、アルテミウスは眼を瞑り心眼で音の方に体を向けて
満月のように弓をしならせ銀の弓(鎧通し)を射放った。
ビューーーーーーッ》》》》
銀の矢は視界から消え鬱蒼とした森の中へ……
やがて蹄の音が止み、王は安堵の声を上げた。
『アル.テミウスよ!、そちは本当に頼りになるのう。』
王の馬車は霧の湖を目指した。




