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【『魔剣伝説』ティルヴィング.サーガ。】  作者: シマリス
城塞都市タレントウムの戦い【battle.of.tarentum】
18/69

【城塞タレントウム攻防戦】②戦乙女ヴァルキリー、再び戦火の中へ

聖パトリシア修道院。


祈りの間。


ステンドグラスで綺羅びやかに、装飾されたグランドホール。


(おご)そかなパイプオルガンの音色が静けさを破り響き渡たる。


『何をしているのです……』


『我、妹、ナリス(キュピレス)よ……』


『立ちなさい!』


キュピレスは、女神エリスの声に立ち上がった。


『姉上!』


『わたくしは、勝利したとはいえ、今だ仇敵ドモフウルワッハの首を持ち帰ってはおりません!』


『魔導師団は去り、運命の石も彼らのもとへ、そしてパラキオンの剣も敵、魔術師に奪われました…しかし』


『わたくしは、決して後へは引きません!』


『これより、敵将ドモフの首を取りに行きます!』


『無垢の民を苦しめる悪鬼は、この戦乙女ヴァルキリーが決して許しはいたしません!』


その言葉に女神エリスが答えた。


『それでこそ、我、妹ナリスよ!』


『人は死んでも記憶の中に生きる…しかし名誉を失えば何も残らないです。』


『さぁ、受けとるがよい!』


『そなたに、授ける三っつの力!』


『出でよ!』


『光と炎を帯びし、不敗の剣!』


【クラウ.ソラス】


『出でよ!』


『愛、欲望、意思の矛、行動の矛、智恵の矛より成る三股の矛!』


【シヴァー】


『出でよ!』


『聖法力に溢れし槍!』


【ロンギネスの槍】


『さぁ!、戦乙女ヴァルキリーよ!』


『-勇気と、仲間の絆、そして無敗の勝利をめざし行くのです!』


『いざ!タレントウムへ!』



戦乙女ヴァルキリーことキュピレスと、ヴァルハラより召喚されし二人の勇者はへーベル河北の戦場へと向かった。


国母メグメルとルシュフェンドルフの鉄騎馬隊は、エリスシオン城の守りを固めるため民を率いて帰城した。


その帰路の途中、北の空を目指し飛ぶ三羽の大きな(からす)の群れ。


馬車の窓越しにミグメルがこれに目を止めた。


『なんと大きな(からす)であろう。』


国母の声に従者のモーナが、北の空を眺めた。


『国母様……あれは(からす)ではございません。』


『嘆きの妖精、バンシーでございます。』


『たしか、先王ソー様が戦死された時も嘆きの妖精、バンシーが飛んでおりました。』


『古来より気高き勇者が命を落とす前兆であるとの事でございます。』

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