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ラストメモリーズ  作者: はらずし
第三章 秋
15/24

第十三話 文化祭


あ、あの……なんかもう本当にすみません。


約一ヶ月放置というこの状況、どう謝罪すればいいのやら……。


それはひとまず置いときまして、本編をどうぞ!

朝7時前。いつもならほとんど誰もいない時間に、海斗のクラスメイトたちだけでなく、他のクラス、ほぼ全校生徒が学校にいた。

この季節のこの時間帯は、ようやく朝を迎えたような時間だ。皆一様に朝日を浴びながら寒い寒いと言いあっている。

今日は快晴。雲一つないいい天気だ。

そして、今日から文化祭の始まりである。




今日までの文化祭の準備期間、海斗たちのクラスは順調に進んだ。それはリーダーである勝と有紗の手腕によるものが大きい。

なのだが、それに勝るとも劣らない理由もある。

勝が初めて怒りーーというよりも激怒ーーを孕んだ表情を見せたあの日の一件がその理由だ。

あの日以降、皆は前以上に真剣に準備に勤しんだ。勝のあの表情を恐れた生徒もいたのだろうが、大半の生徒はあの一件を通して自分たちの行っていることの危険性を再確認したことだろう。

翌日の有紗による模擬店の危険性を語った勝へのフォローがその大半の生徒へ響いたのだ。

その時、有紗はこう言った。

「お客様に中毒に陥るようなマネをさせればそれは私たちの責任であって、最悪警察沙汰なのよ。昨日みたいなバカなマネをしていると、痛い目見る羽目になるわよ?」

後半はお茶目に言ったため、笑いを取る形になったが前半の真剣な表情による注意勧告に皆は痛い目を見る羽目になる前に気を引き締める羽目になった。できれば痛い目は見ずに済んで欲しいところだが、その心配も杞憂に終わることとなるだろう。

その後の全員の働きっぷりは教師たちにも褒められるほど一切ダラけることはなかったのだ。だから誰かがヘマをすることはまずないだろう。

そんなこんなで準備をしている最中、海斗はあいも変わらず雑用をこなしていた。

たまに職員室に呼ばれることもあったが海斗の仕事に差し支えもなく、誰にも何も言われなかった。ーーそもそも海斗が職員室に呼ばれていることに気付く生徒は結くらいだった。

そして今日から始まる海斗たちの通う高校の文化祭は木曜日から土曜日までの3日間に渡って行われる。

木曜日と金曜日は基本的に客は生徒だ。地域の人々も少々来るが、何せ平日である。そうそう人は来ない。だからこそ木曜日と金曜日は前夜祭といった雰囲気だ。

そして最終日にして文化祭のピークを迎える土曜日。木曜日と金曜日の様子がまるで霞むかのように盛り上がる。

休みの日ともあってそれはもう大勢の人々が来校する。地域の人々はもちろん、他校の生徒やちびっ子、この学校を卒業していったOBなどが団体のように来るのだ。

その客の数と比例して、店を出しているクラス全てが大忙しになる。休んでいる暇も無い。

そんな“祭”の名にふさわしい盛り上がりを見せるため、この高校の文化祭自体が地域の行事として見られている。

そんな文化祭1日目は木曜日の午前9時に開幕した。




木曜日、文化祭1日目の海斗たちのクラスの売り上げは上々だった。

凝った内装ではなくシンプルな内装だし、これといった特典も一切無かったのだが他のクラスよりは客足が良かった。

最大の理由としては、やはり飲食店での一番の魅力である「味」だった。

海斗たちのクラスには家庭的な生徒が多く、調理する生徒が作る料理はそのどれもが美味しかった。その味の評判は多くの生徒に広まった。おそらく木曜日の売り上げ順位の首位を争えるレベルだっただろう。

その間、文化祭実行委員である勝と有紗は店にはおらず外で仕事をこなしていた。

勝は有紗に余計な干渉はしようとせず、用事がある時や話しかけられた時だけ対応していた。

有紗も有紗で勝の様子を分かっているかのように用事がある時に話しかけたりしていた。もちろん雑談もしようとしていたが勝がそんな調子だったために盛り上がりはしなかった。

そんな様子を海斗は店の受付をしながら見ていた。

次の日、文化祭2日目の金曜日は昨日よりも忙しい様子になった。

昨日のこともあり、客足が増える一方で数メートルもの行列ができた。

海斗は昨日と同じく受付をしていた。午前中だけのシフトだったのだが、受付の交代をしてから一時間給仕をさせられていた。それほどに店は繁盛していたのだ。

明日はどうなることやらと他人事のように心の中でボヤいてから給仕用の服を脱いで制服に着替える。着替えるとは言っても、男子は制服のブレザーをクラスメイトの誰かが格安で見つけてきた燕尾服のジャケットに着替えるだけなのでそんなに手間はかからない。

さっさと着替えて外に出ると、後ろから声をかけられる。

「あ、待って棚瀬くん!」

その声で振り返ると、給仕用の服を着た結が立っていた。その給仕用の服とはもちろん、メイド服である。

男子だけは簡単な服装にしたのはそのせいだ。メイド服を作る班の費用がそこそこかかったため経費削減というわけだ。

だが、それはもう自業自得としか言えない。なぜなら、男子のみならず、女子の半数までもが「喫茶店ならメイド服でしょう⁉︎」と言い切ったのである。勝や有紗もその一人。

そして作られたメイド服を結は着ている。

その姿に海斗は少し見惚れた。

大きな白いリボンでまとめられた長い黒髪。

半袖というには少し短い袖から出る握ったら折れそうなほどにか弱く見える細く白い腕。

誰かの趣味か、コスプレだろうと言ってしまいたい短いスカートと黒いストッキングから見える脚は大人の妖艶さを漂わせる。

それに相乗してメイド服独特の色気と結本人の色気が合わさって、元からかわいい結を誰もが釘付けにされるほどの可愛さを持っていた。

「私もうシフト上がるから待ってくれないかな?一緒に回りたいんだけど……棚瀬くん?」

返事のない海斗に怪訝そうな顔をしてもう一度声をかける結に、ようやく我に帰った海斗は手早く返答する。

「あ、ああ…悪い悪い。いいよ。一緒に回ろうか。ここで待ってるよ」

「うん。急いで着替えるから」

そう言ってさっと更衣室に入って行く結を見ながら、海斗は思った。

(ここ最近、結に見惚れることが多いな……)

その理由に関しては自分でも分からないが、それは考えても無益だろうと思いおとなしく結を待つことにした。

数分して、結は更衣室から出てきた。

「待たせてごめんね?」

「いや、かなり早かったよ。…そんなに急がなくてもよかったのに」

言いながら、海斗は視線を結の頭に向ける。

そこには、さっきつけていた白いリボンがあった。

海斗が向けていた視線の位置に気付くと結は少し照れていた。

「あ、これ?これ付けてた方がいいかなって思って…」

リボンを触りながら結は言っているが、海斗は何がいいのか分からなかった。

そして海斗は結局こう思う。

「まあ結がいいならいいけどね」

海斗が言うと結はにこりと笑うだけだった。

「で、結。どこ行く?」

教室から離れた二人はゆっくりと歩き始める。

目的地も定まっていないがとりあえず移動、ということだ。

「私行きたいところがあるんだけど、いいかな?」

「いいよ。でもその前にご飯食べないか?僕お腹空いててさ」

「うん。それでいいよ。じゃあ、あそこ行こうよ」

結が案内したところで少し遅めの昼食をとった。3年生の模擬店だったのだが、それなりに美味しいと海斗は感じたが、身びいきからか、自分のクラスの方が美味しいと内心で思っていた。

それから二人は結の行きたいというところへ向かう。

その道すがら、海斗はまさか、と思っていた。

海斗は結が先導するその道を何度か歩いている。そしてその行き着く先も分かる。

だがそんなわけない、気のせいだろうと思っていたがその希望は見事に打ち砕かれた。

結に連れてこられたのは教室とは別棟にあるとある部室。

海斗はやはりと思う反面、なぜこんなところにと思った。そしてその部室の前に並ぶ列を見て驚く。

「うわあ、並んでるね。まだ残ってるかな?」

隣で結は感嘆の声を漏らしながらその列の最後尾に並ぶ。

海斗はその最後の言葉に引っかかりを覚えた。

「残ってる?何が?」

訊くと、結は目をパチクリしてから少し笑って答えた。

「ここ、文芸部だよ?それなら売ってるのは本に決まってるよ」

そう。結が連れてきたのは文芸部の部室だ。だがそんなことは分かってる海斗は自分の焦りを抑えながら質問の仕方を変える。

「いや、それは分かる。分かってるんだけど……残ってないかって、何がそんなに売れてるんだ?」

「あれ?棚瀬くん知らないの?文芸部が出してる文集」

「ぶ、文集?……いや出してるのは知ってるけど、なんでまた?」

冷や汗を覚えながら訊くと結は笑って答えてくれた。

「なんかすごい評判になってるよ?小説が5本あって、そのどれもが面白いんだって」

結が言うと順番が回ってきた。

文芸部の部室はそんなに広くない。教室の半分程度だ。最上階で西に窓が付いているため夕日を望むには絶好の部屋と言える。

その部屋の半分の位置に長机が置いてあり、その上に文集が置いてある。もう残り数冊といったところだ。

そしてなぜか売り子をしているのが海斗たちの国語教師兼副担任の深城京だった。

「あれ、深城先生?何してるんですか?」

「凛堂さん?何って、先生ここの顧問なのよ?そりゃいるわよ」

「そうだったんですか。初めて知りました」

「あらそう?言ってなかったかな?」

海斗の動揺など知りも知らず(当たり前だが)結と京は話していた。

結は京と話しながら目当ての文集を買っていた。買った後も、京は売り子を放ったらかしにして結と喋っていた。その喋っている間、客をさばいていたのはなぜか海斗だった。

話も区切りがついたところで、海斗はようやく売り子の役目から解放された。

そして結と一緒に出て行こうとしたが、京に後ろ襟を捕まれ止められる。

「な、なんですか」

「ちょっと話があるの」

「すぐ終わります?」

「うん、すぐ終わる。何?凛堂さん放ったらかしに出来ないの?」

「そういうわけじゃ……ないこともないですけど、とりあえず断ってから来ます」

京はニヤニヤしながら言ってくるのを少しイラっとしながら返答してから結に声をかける。

「結、先生とちょっと話があるから待っててくれないかな?」

「うん。いいよ。時間は気にしなくていいからね」

「いや、手早く済ませてくるよ」

マナーとしてではなく、自分の願望としてそれを口にしてから京の元に戻る。すると京はさっきと同じくニヤニヤしていた。

「なんですか、その顔は」

「いやぁ?青春してるね〜と思ってね」

「そうですね。先生からしたら懐かしき青春時代ーー」

「私、そこまで年とってないわよ!」

「分かりました分かりました。お客さん待たせてるんですから、手早くお願いします」

ちらりと後ろを向くと、客は部屋の外にいる。京がいないため当然売り子はいない。だから客は並んで待っている。

「まったく、あなたは……。まあいいわ。で、本題だけどーー」

話し始めて数分で話は終わった。海斗は京に頭を軽く下げてから部室を出て結のところへ。

部室前で待機していた客はやっとかというような顔で中に入っていく。それを横目でちらりと見てからその場を立ち去った。

「あ、もう終わったの?」

結は部室から少し離れた場所にある階段の近くで壁にもたれかかりながらさっき買った文集を読んでいた。

海斗が近づくのに気づいたのか結は顔を上げて声をかけてきた。

「うん。まあそんな大した用事じゃないし。ていうか、結って本読むんだな」

「うん。読むよ。ていっても月に1、2冊しか読まないけど」

「ヘェ〜。なんか意外……でもないか?」

「なにその間」

「いや、なんでもないよ。それで、それおもしろい?」

海斗が指差したのはもちろん結の持っている文集。結はそれを見てにこりと笑う。

「まだ少ししか読んでないけど、面白そうだなあって思うよ」

「ふーん。そっか」

素っ気なく返事をしている割には、内心ホッと胸を撫で下ろしていると結が怪訝そうにこちらを見ていた。

「な、なに?」

「何って、なんかさっきから棚瀬くんおかしいなぁって思ってさ」

「いや、そんなことないと思うんだけど」

「そうかなぁ。自分で気づいてないだけじゃない?この文集の話始めてから変だよ?」

「そんなわけないさ。僕はいたって普通……ではないよな、うん。分かってたよ……」

「ほら、自分でも分かってるじゃん」

結はクスクスと笑う。

海斗が途中で意見をひっくり返したのは自分でもおかしな態度を取っていたことにある程度気づいていたこともあるが、結がじっと半目でこちらを見てくるのが辛かったのが大きな理由だった。

「でも何でおかしかったの?この文集に何かあるの?」

「うーん、まああるような、ないような…」

海斗は誤魔化しながら考える。このことは言ってもいいのかどうかを。

だが、言ったところでそんなに害があるわけでもないし誰にも迷惑をかけることはない。迷惑を被ることになる可能性があるのはせいぜい自分か京くらいだ。

それに結がペラペラ誰かに話すこともないだろう。海斗はそう思った。

「結局どっちなの?」

「ん……まああるよ。ちょっとね」

「何々?」

「……ちょっとこっちきて」

海斗は階段を降りて人気のない場所に結を手招きした。結はキョトンとしながらもついてきた。

「ここならいいかな…」

「そんなに訊かれたくないことなら無理して言わなくていいんだよ?」

「他の人なら確かにごめんだけど、結になら別にいいよ。結なら誰にも言わないだろ?」

否定しながら訊き返すと、結は苦笑する。

「言われたくないことは言わないよ」

「ならオッケーさ。まあそんな大したことじゃないんだけどね」

そう前置きを置いてから、海斗は思い出しながら話し始める。

「その文集の小説さ、僕が全部書いたんだよね。先生に頼まれて」

「ええっ⁉︎この5本の小説全部⁉︎」

「まあね。そこそこ苦労したよ」

「そこそこって……。で、でもこんな量をどうやって……?」

「夏休みさ。その前に職員室に呼ばれてね」

夏休みに入る前のこと。海斗は京に呼び出され、文集を作ってくれと頼まれた。

なぜ、と海斗が訊くと京は

「いや、まあ色々事情がね……」

とはぐらかそうとしたので、海斗は京に無理やり吐かせた。

曰く、前任の文芸部の顧問は去年転勤となり京に顧問の仕事が渡ってきた。

曰く、去年で文芸部の部員は皆卒業。一年生の新入部員は誰一人もおらず、廃部寸前だったが今の2、3年生の生徒が兼部で入ってくれたのはいいが活動は一切なし。

曰く、書類上でも部活が続いている限り文化祭には何か出品しなければならない。しなければ廃部になる。

と、京の弱みを握っていた海斗は理由の全てを吐き出させた。

ではなぜそんなに廃部にさせたくないのかと訊けば、それはすんなりと答えてくれた。(誤魔化しても無駄だと悟ったのかもしれない)

顧問1年目にして部を廃部にするのは前任の顧問に申し訳ないと言っていた。京とその教師はそれなりに関係があったのだろう。海斗からしたらどうでも良かったが。

そしてなぜ海斗にそんなことを頼むかと訊けば、何か宝物を発見したような目で答えてくれた。

前にあった授業で、海斗たちは作文を作ったのだ。その作文の中で海斗の作文が他の国語教師からも反響がよく、京も大変気に入ったらしく、それでこの問題の解決を海斗に頼もうと思ったそうだ。

全てを聞かされた海斗はその頼みを聞き入れようかどうか悩んだ。なんせ、最低でも4本の小説を書かなければならないのだ。

夏休みの宿題と並行してやっていたら確実に自分が遊ぶ時間が無くなる。

だがそんなことも見越していたのか、京はある提案を出した。

即ち、国語の宿題の免除だ。

それだけでもありがたいのに国語の成績を少し上げてくれると言う。

その上、文集は売り物になり金が入るため、売り上げ金額の3割は海斗の金にしてくれると言った。

それならば、と海斗は引き受け夏休み中に書き上げた5本を京に提出した。

と、今まであったことの全てを身振り手振りも交えて結に話すと、結はなぜか少しばかり怒っていた。

「なに怒ってるんだ?」

「いいな〜って思って。宿題免除されて」

「まあそれが報酬だったしね」

「ずるいなぁ、棚瀬くん」

結は少しムッとした顔をしていたが、そのうちそれも消えた。

その顔が消えて、今度は目を輝かせながら海斗の書いた小説を絶讃し始め、海斗はそれを終始苦笑いで聞いていた。




日も落ち始めた頃、二日目の文化祭は幕を下ろした。だが生徒たちの意気込みは静まることはなく、逆に燃えさかっていた。

明日は最終日にして客が一番多く入る日、そして一番盛り上がる日だ。そうとなれば皆のテンションは上がりに上がっていく。

そんな中での今日の後片付けは少々、というよりかなり盛り上がっていた。

なにが楽しいのか(たぶん今の状況なら何をしても楽しいのだろう)片付けるだけだというのに皆ハッチャケている。

その輪に入るのに疲れた海斗は静かなところに行こうと教室を抜け出した。

静かなところを探してウロウロしているといつの間にか海斗は別棟に来てしまっていた。

さすがにここにいてはマズイと思った海斗は教室に戻ろうとしたが、ある声が聞こえてきて立ち止まってしまう。

「これ、明日の日程と仕事内容が書いてあっから」

バサっと音がする。紙を手渡した音だろう。

そしてその声の本人はこう続けた。

「分かってるよな。明日、緊急の連絡がない限りーー」


「一切俺に近寄るな」


海斗は自分の耳を疑った。本当に“あいつ”がそんなことを言うとは思わなかった。

あの“勝”が。

そして、こんなことを言われている相手も同時に分かってしまった。分かりたくはなかったが分かってしまった。

有紗だ。

言うことはそれだけなのだろう。上履きが廊下を打つ音がする。海斗とは反対側に去ろうとしている。その勝に有紗は言った。

「ありがとうね、勝くん」

なぜそんな言葉が出るのか。普通ならば怒る場面、もしくは泣くところだ。なのに、なぜ。

鋭く息を呑んだ。

だがそれは海斗ではなく、有紗に礼を言われた勝だった。

そして勝は思い切り自分の足を廊下に叩きつけた。

バンッ!と音がなる。

「俺はっ!……お前に礼を言われる筋合いはねえ………!」

最初は大声で、最後は押し殺したように言う勝の声。

その声とともに勝はその場を去っていった。

海斗にはわけがわからなかった。

酷い一言を突きつけた勝。

それに礼を言う有紗。

そして取り乱す勝。

そしてーー

ぴちゃん。

涙が落ちる音がした。

「くっ……!」

かける声も分からず、そもそも聞いてはいけない話を聞いてしまった罪悪感、そして涙を流す有紗に何も言わずに海斗はその場を去った。




嵐の予兆はこの時に少しだけ感じていた





お久しぶりですねっ!本当に!


遅れてしまいすみませんでした!

なんか毎週一回は更新するぜ!とか豪語していたころが懐かしく感じます……。


あと、先週の二話更新予告。思っくそ出来ませんでしたね。すみませんでした。

その日少し体調を崩してまして……。


かなり投稿が遅れたのでペースを戻していきたいと思います。

気合で数日で何話か上げて行きたいと思ってます。


ではでは!またお会いしましょう!

See you!

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