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第6話

俺は今、一応国外にいる。門から一歩出ているから。


エスプリは国から出れればよいと言っていたがこの状況で良しとはしないだろう。


「今異界人様方は我々アロガン兵団931名によって包囲されています。異界人様がいかなる御力をお持ちになられようと、ここから逃げ出すことはできません」


国内にいた時は30人ちょいしか追いかけてこなかったのは城外に残りを移動させていたのか。それなりに有名な国とエスプリも言っていたしな。それなりの兵は持っていて当たり前か。


「…………エ、エスプリ。どうするんだ?」


「いやぁ…………まさかここまでとは、私も思っていなかったです」


エスプリも大分焦っているようだ。右手を耳に当てている。癖なのだろうか。それはともかく逃げるのは流石に難しいだろうな…………強行突破といえど、俺は戦闘とかしたことないのに対しあっちは訓練を重ねた兵。勝ち目はない


「さぁ、城へおとなしく戻りましょう?」


くっ、逃亡未遂で捕まったら何されるかわからんぞ…………


「エスプリっ、どうする!」


「えっと…………」


エスプリの表情からは既に焦りが見えなくなっている。何か結論が出ただろうか。


























「…………捕まり、ますかσ^_^;」


「…………えっ?」


こうしてまた城へと戻っていった…………



……………………おいおい。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「よくぞ戻った!」


バサァ。マント翻し演出再び。マントいいなぁ。

ちなみに俺はいま縛られている、縄でぐるぐる巻きに。

でもエスプリは何もされていない。くっ、ずるい。これも神の一族の力なのか…………


「異界人殿よ。しばらくはこの城で過ごしてもらう。我々の素晴らしさを身を持って教えてしんぜよう!」


いらん!


って叫びそうになったが、エスプリが制す。

なんだよ、歯向かうなってことか?


「さっ、兵士長よ、異界人殿を牢屋へと連れて差し上げよ」


「はっ」


差し上げるのに牢屋行きかよ。もう連れてけとかでいいんじゃね?


「あ、それとエスプリも連れてけ。異界人の拉致未遂といえば創神様といえど御怒りにはならないであろう」


「…………はい」


「連れてけっ」


「はっ、おいっ」


エスプリも牢屋行きか。まぁ、逃亡を先導したしね、言い逃れはできないか。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



牢屋内。そもそも元の世界で牢屋に入ったことはないからなんとも不思議な気分だ。

牢屋といえばやはり地下。鉄格子に囲まれた部屋へと連れて行かれる。他に牢屋にいる輩はいないが、骨が…………幾つか。


「っと………………この………骨は?」


「前に盗みを犯した奴でしたかね?まぁ、いずれにせよ一月ほど放置していたら死んでいましたしね。遺体はその場で焼きますよ。魔法は便利ですからね。煙を循環させて綺麗な空気に戻す事も出来ますので、室内でも燃やせます。まぁ、焼くのは文官ですがね」


「何故、文官が?」


「基本魔法を使えるのは頭のいい方ですから。柔軟さ、とでも言えばいいのですかね。物事に柔軟な人ほど、魔法のレパートリーも増えるとか。そういう人は城で文官という職で雇われるのですよ、私は使えないのであまり関係ないですけどね」


ふむ、つまり魔法は自分で作るとかなのか?そうならば魔法は多岐にわたる用途があるな。夢が広がるぜ…………


…………………まぁ、出られれば、だが。


「では、ここが牢屋です。そのうち『説得』をしに人が来ますので、それまで御ゆっくりしてください」


「………ここでゆっくりとかする人がいるのか?」


「さぁ?どうでしょう?」


そう言って兵士長は牢屋から出て行った。


「なぁ、…………エスプリ。これからどうするんだ?」


「そうですね…………まぁ、ゆっくりしていれば良いのではないですか?せっかくですし。」


「せっかくゆっくりするならもっとそれなりのとこでしようよ!?なんで来ていきなり牢屋なの!?」


「前にも申したように今の王が無能ですから…………」


「ぶっちゃけたよこの人…………」


王が無能だと牢屋行きとかどんなだよ。


「まぁ、すぐに来ますので、別に困る必要もありませんしね。」


「来る?誰が?」



…………と、その時



突如牢屋の奥、何もなかったはずの空間に…………ひずみが。

ひずみは徐々に大きくなり、人がくぐれそうに大きくなったあと、成長をやめた。


「…………これ、なに?」


魔法といえば魔法だが、それ特有の感覚がない。別の何かなのか?


グワッ。 ひずみが中心から裂け、中から出てきたのは、


「やぁ、元気だったか?」


ローブに身を包んだ、人(?)だった。

身長は180cmちょい位らしく、俺より少し高い。

ローブは白よりは少し暗めの色、と言えばいいか。少し表現しにくい。

フードを深く被っているため、顔を見ることが出来ない。下から覗いてみるが、…………見えない?え、これって、顔がないとか?カ○ナシ?


「顔が見えないのはそういう魔法を使っているからさ。その方が不思議でかっこいいだろ?」


俺の不審な行動から何が聞きたいのかわかったようだ。自分でかっこいいとかはやめとこうぜ…………


「久しぶりだな、エスプリ」


「はい、お久しぶりです、創神様。異界人様、この方が創神様です。」


「はぁ…………、この人が創神……………、創神!?」


これがか!?不気味過ぎんだろ?


「まぁまぁ、元からこんな姿で彷徨いてたからな。周りは慣れてるのさ」


「そんなんでいいのかよ…………」


「あぁ、いいんだ」

「いいのです」


二人とも即答だった。いいのかよ。


「すまないな、異界人君。君がこっちに来たらすぐ会おうと思っていたのだが、上手く探知することが出来なくてね。神族から通達が来るのを待っていたんだ」


「連絡って、神族と創神って念話とか?そんなことできんの?」


「まぁな、神の一族だから、他族よりも神との関係が密接なのさ。」


「門から出た時に連絡しました。」


あ、癖かと思ったあれは連絡してたっていうわけか。あれが神族を見極める違いなのかね。


「会うのが遅くなったお詫びで、知りたいことをいろいろと教えてやるよ。こっちの世界とだと違うこともあるだろうしな。城の兵も当分来ないだろうしな」


「おぉ、それはありがたい」


さて、なにから聞くべきか…………



「次回は多分説明回になるぞ、面倒でも読み飛ばすなよ!」


誰に言ってるんだ、おい。



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