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第2話

「よし、こんな感じか…………

集中さえすれば腕や足からも魔力を出せるのはかなりいいな。でも魔力の制御はまだちょっと難しいな。魔力を出す量によって操作の難易度も変わるって感じか。魔力は何か別の物質に触れるとそれに似た物質に変化するみたいな感じなのか。でもそうすると周りの環境で魔法が限られるっていうことなのかなぁ…………

…………なら、この場所なら土に関する魔法が基本なのかな」


何気ない動作で右手を動かす。そうすることで魔力が右手へと集まる感覚が現れる。その感覚をそのまま地面へと下ろし、土に変換させる。その後すぐに自分の欲しい形を想像する。


想うのは剣。


すると視認することが難しかった魔力は刃渡り1m程の武器へと変化する。始めのうちは形を変えようとする前に魔力が完全に物資化してしまいどうすることもできなかった。

どうやら魔力(・・)の状態でないと変化することができないようだ。


重い。


日本に居た時は剣などは持ったことはなかった。武器を持つことすら禁止されていた国だ、それもしょうがないのかもしれないがここは魔力がある。日本ではないだろう。

なら、自衛する方法は早めに身に付けておくべきだろう。

そう考えたから俺は剣を作ることを優先した。盾や鎧なども考えたが、それほど大きい物を作れるとは思わなかったしそもそも自分の魔力の保有量がわからないのだ。できるだけ省エネした方が良いだろう。


「すごいな、剣ってこんなに重量があるのか。8kgほどかそれより少ないくらいか…………切る他にも叩き潰すことも出来そうだな。」


ヒュン、ヒュン。


振り回した剣は周りにある草などを軽く切り飛ばし、木の枝すらもやすやすと落とせる。

斧の要領でやれば木を切り倒すことも出来そうだ。


「やっぱ剣は最高だな。異世界=剣と魔法だよな! よっしゃぁ!!!!…………って、うおおお!!!!」


殺気。


それまではいかないが何か後方に気配がした。勢い良く振り向き、そこにいたのは魔力について考える前に発見したオークだった。


振り向いた俺はそこにオークが居たことに今更気付き、軽く腰を抜かしその場に座り込む。


殺されるのか。


脳裏にそんな言葉がよぎる。オークが手に持っているのは槍。今俺が持っている剣でさえ殺傷能力があるのだから、元々異世界(ここ)にいたオークの武器も確実にそれがあるだろう。

…………だが、当のオークは俺を殺そうとしなかった。

それどころか手を差し伸べ、起こす手助けをしてくれた。


「あ…………ありがとう。」


なぜオークは助けてくれたのか?

そんな疑問を口にする前に、先に感謝の意を述べた。日本人として礼儀は尽くさないとな。


…………が、


「々÷|<4♪?5〒7-〒×#+°¥×¥」


「は?」



うまく聞き取れない。


オークは槍を動かし、何かを言おうとしている。


「¥%=○*¥♪÷:¥÷>°¥☆♪*→…,-/」


「ゴメン、何言いたいか全くわかんね。」


聞いたことのない言語だ。この世界の言語だろうか。一応返答してみるが言語が通じないので意味がないだろう。オークはいまだ身振り手振りで意思疎通しようとしている。


(翻訳とかって魔法で出来るのだろうか…… …。いや、それは相手の言語がわからないとムダか………。 言葉を使わず相手が言いたいことを知る………… 相手の脳波を読み取るとかか………? そんなことできるのか………?


まぁ、とりあえずやってみるか)


右手をオークの頭の上に挙げる。オークがキョトンとしているようだ。俺はそんなことに構わず魔力を放出し、オークの頭へと接触させる。オークは少々驚いた表情をしている。


直後。


=*^7×*%々<「%$*=$¥×=*+×*>++¥¥×=」>☆>*×」|×÷☆37々=々¥」…「6×-[×÷々|」¥+÷♪〆」56¥3○3☆#☆×」¥」「>5」-[¥」〒%〆○〆××「>×々」¥○¥+313134|々々…/)/+6○6¥3☆2々|」^☆>÷%☆〆


「…………くっ」


頭が、痛い。


恐らく脳の信号の様なものが魔力を通じて流れ込んでいるのだろう。よかった。魔力がオークの頭に変化する、みたいなことにならなくて。自分でオーク作成とか不気味すぎるだろ。


…………そんなことを考えている間にも信号が流れ込んでくる。頭がズキズキする。どれかを日本語に変換できないだろうか。


「…………これか?」


何か意味のありそうな羅列をとらえる。魔力でそれを日本語に補整…………………


《えっと………… 何しているんですか?》


「うおっ!」


いきなり日本語になった。思わず驚いてしまった。同じくオークも俺が叫んだためすこし後ずさっているようだ。

うまく説明出来ない、だが、感覚的にはこれで日本語に翻訳することはできそうだ。


「おーい、なんて言ってるか分かるか?」


《え!? まさかあなた、魔族語がわかるんですか!?》


…………うん、上手く出来たようだ。

てか、魔族語ってなんだ。ならこれかれ魔族語を扱うやつと話すときはこういう方法でなんとかなるな。


頭に(脳に)魔力を繋ぐ。日本語に変換。


それを応用すれば逆に俺の言葉も相手の言語へと変換できる。かなり楽だな。英語とか覚えなくてもいいな。


…………てかなんでそんなへりくだった態度なんだ。

会話ができるようになった途端にいろいろと疑問が湧いたがまず一番気になる魔族語について聞いて見るか。


「えっと、その……魔族語?っていうのは何? 一応翻訳の魔法みたいなのを使ってるんだけど」


《魔族語じゃないのにこんなはっきり会話出来るのですか………… と、翻訳魔法?というのは聞いたことがないですね。基本的に他族との会話がないですしね。》


「会話がない?」


《はい、というか他族間の交流とか基本無いですよ。出会ったら片方が逃げるか戦闘になりますし。》


自分達の交流はするけど外とは関わらないもしくは追い返すとか鎖国というか鎖族じゃないか。


まぁ鎖族なんて言葉聞いたことないけど。


「なんだよそれ…………物騒すぎんだろ。」


《そういうものですよ。同じ種族同士はそんなことないですけどね。

えっと、私はオークです。》


やはりオークだった。だが、


「個人名とかはないの?」


純粋に疑問。名前がないなら別のオークとはどうするんだ?


私はオークです。 あぁそうですか、私もオークです。ってか?


《個人名なんてないですよ?無くても気になりませんよ。人族の方は皆、名を付けるのが普通だそうですが、魔族にそういった習慣はありませんので。》


オークってこんな知識的なやつだったのか!?ってくらい博識な気がする。もっと獣的なイメージがあったんだが………。


「そうだったのか。名前が無くてもなんとかなるんだな。

そういえば、すっごい喋るのが流ちょうなんだが………みんなそうなのか?」


《えっと…何も知らないんですね…………》


…………うん、すっごい 可哀想な物を見てる目をされてる気が…………


「そ、そんなことないぞ!ここらへんに来るのが始めて………っていうかここどこなんだよ!」


ここにきてやっと俺は現在の状況に慌てる。


知らない森。 知らない魔法。知らない(オーク)


えっ、なんなのここ?異世界じゃないの?てか俺は誰?


《その格好はここら辺で見ませんし、あの人がおっしゃっていた異界人ではないのですか?》


「は?あの人?てか異界人か…………」


もともとの世界に魔法なんてなかったし(ましてやオークなんているはずもない)ここが異世界なら俺が異界人と言われてもおかしくはない…………というのはもともと考えてはいたが異界人という存在を知っている人物がいるとは……………………。


《異界人が来るとおっしゃったのは創神様です。その見た目ではどう見ても異界人ですね。》


「そうか………制服なんてかなりポピュラーだと思ったのに………… 。で、創神って誰?」


まぁ制服なんて学生の証だしな。ここらに学生なんて無いのかもな。


《創神様です! ご本人様はそう呼んでおられていますので普通はそうお呼びしますが、儀式などでは創造神様とお呼びします。三神を創られたお方でして、この世界で最も偉い方です。》


なるほど。この世界では神が実在するのか。


「そんな偉い人物だったのか…………三神も知らないんだが教えてくれないか?てか種族的なのはみんな教えてくれ。」


初対面の奴にこんな上から目線で教えてくれるのだろうか。俺なら他人からこんな言われ方されたら絶対教えないが。

そんな事を考えながら聞いてみる。


《はい、異界人相手ならば断る理由もございませんので。》


承諾されてしまった。







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