表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
GENERATION☆DESTRUCTION!!  作者: Yuki乃
EP10 Dreadful Snowstorm
93/277

Dreadful Snowstorm(4)

 基地の正門で砲撃を行っている七四式戦車が三両、ほかにも小隊規模の戦力が攻撃を行っている。こちらがかなり劣性にも関わらず正門から進軍する様子はない。

「別働隊が内部に侵入している、こいつらは退路を確保している」

「ならば正門前は私が掃除する。お前は先を急げ、この感じだと駐屯部隊がほぼ壊滅している」

「一人では無理だ。それにもうあれは使えないんだろ」

 いくら剣技が卓越していたとしてもあの人数、兵器を相手にすることは不可能だ。そもそも二人がかりでも厳しいだろうに……。

「一人ではない」

 その言葉と同時に高高度から飛来したヘリコプター、CH-47 Chinookから四人の巫女が百メートル近い距離を落下し地面に何事もなかったかのように重力加速度を減少させてゆるやかに着地した。

 チヌークはそのまま海上へと飛び去る。母艦が近くまで来ているのか?

 巫女服を着ているとは言っても正規のものではなくどちらかというとコスプレ用にデザインが弄られたものだった。

 こんな天候、気温にもかわらず、大胆な半袖で下は緋袴というよりミニスカートというべき丈をしている。

武器は月代と同じく日本刀にようだ。

「遅くなりました姫様」

「――――月代って姫なのか?」

「それは今どうでもいい、正面はこちらで叩く、これでお前の言う不安要素は排除されただろ?」

「そうだな、ならば俺は先に行かせてもらう」

 俺は基地を囲む二メートル余りの防壁を強引によじ登り、先を急いだ。

「私はお前を信じている……、これより第一守護隊はナ一号作戦を参加する、相手は戦車、気を抜くな!!」

「――――了解!!」

 巫女は一列に並んで敬礼をしたのを最後に俺は前だけ向いて足場の悪い道なき道を駆け抜ける。

 基地の周りは林になっているため今は見つかりにくいが抜けた先は戦場だった。

 射線を感じて瞬時に避けたが、これは流れ弾、銃声が間近で張り響き、手榴弾や砲撃の嵐だ。

 既に敵が侵入しており前線後退しつつある。

 基地が完全に占拠されるのも時間の問題だ。

 なるべく戦闘地域を迂回している内に俺の居る場所から遠くの場所で爆発音と黒煙が高く上がる。

 位置的には弾薬庫が爆発したようだ。

 司令本部のある建物は辛うじて健在だが弾薬庫は宿泊施設に近辺にあることから状況は悪い。

 駐屯していた戦車部隊は半数が撃破され残りは司令部を守るために後方で援護射撃を行っているだけ、前線は数少ない歩兵部隊だけで孤立しつつある。

 できるなら増援として加わりたいが、イリスの保護が最優である以上見捨てるしかない。

 歩兵部隊の援護もあって司令部までは無事到着した。

 司令部は騒然としており佐官級の人間があたふたしている。訓練はある程度していても実戦経験がないと奇襲には耐えられないだろう。

 そんな中で指示を出しているのは皐月大佐だ。話では機甲部隊の隊長らしいが歩兵部隊の指揮をとっている。

「小宇坂、手伝え、第三戦隊が動いた。三十分後に砲撃を敢行するらしい」

「ここは放棄するのか?」

「そうではないが、近くに呼べる援軍がいない。一時的に退避し戦艦三笠の主砲で戦車を一掃するらしい。俺に止める方法はない」

 最初聞いた時は意味不明だったが、物量で既に負けている状況で援軍もなく、敵の多くは超能力者で構成されている。確かにあり得る作戦ではあるが、もう少し慎重にいくべきだ。

 三十分以内にどうにか離脱しなければイリスが危ない。

「俺はイリスを助けに行く」

「そうか、だがさっきこちらの一個小隊が宿泊所に向かったが応答がない。敵は大人数で奇襲をかけている。上層部からの情報だと能力者を運用しているようだ。気を付けろ」

「ああ……だが一番気を付けるべきは戦艦の主砲だろうさ」

「全くだな……」

 そう皮肉を言い残し再び走りだす。

 宿泊施設は司令部からはそう離れていいないが一直線上に目だった建物はなく、建物の周辺を破壊された装甲車や窓の影に見えているだけで数十人規模、敵に完全に占拠されている。しかも能力者と聞く。

 これはかなり大変な仕事になりそうだ。

 現状からできるような策が思いつかないほど頑丈な守りに対して一点突破しようと考えたが、倒れている小隊を発見し足を止めた。

 まだアサルトライフルの射程にも入っていない場所なのにやられている。

 銃創だが傷は浅い。失神しているだけだがこの寒さだと長くはもたないだろう。

 敵は誰一人として俺を狙っていないのに射線を感じて振り向きざまにライトソードを抜いた。

 ――――――ギィィィィ――――ン!!!!

 飛んできた銃弾を防ぐ。

 すぐに銃弾が飛んできた方向から敵を探す。

 てっきりスコープで狙撃しているからと思っていたがスコープのレンズは反射しない。

 それどころから敵が見当たらない。

 方向的にはほぼ真後ろ、見えるのは仙台司令本部のある建物だ。

 屋上には人影がなかった。しかし不自然に三階の窓が開いていることに気づく。冬に窓を開けることはまずない。

 狙撃ポイントはおおよそわかって来たが、問題は場所だ。

 こちらのホームである司令本部に敵が侵入していることは考えにくい。何せこちらの最終防衛ラインでもあるからだ。

 それに周辺には見た感じ強固な守りで簡単には侵入できそうにもない。

 敵の内通者だろうか?

 わからないが既に敵が見えない以上、俺は再び前進した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ