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GENERATION☆DESTRUCTION!!  作者: Yuki乃
EP26 Bad Premonition
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Bad Premonition(17)

 ――――――ギィィィ――ン!!!!

「何んだと!?」

 だが血肉が絶たれるような鈍い音ではなく、鳴り響くのは甲高い金属音だ。

「……華流翠月かりゅうすいげつ、抜刀」

 音もないくらい静かかつ高速に移動していた東條が居合抜刀した華流翠月が軍服の女の新月を受け止める。

 華流翠月かりゅうすいげつの鎬の先端から鍔にかけて刻まれたラインの溝がキラキラと疎らに薄っすらと青色に輝く。

「お前は……なるほど」

 軍服の女が東條の顔を見るなり、何か納得したような表情をする。

「何が目的かは知らないが、あなたの企みはここまでよ」

「一撃受け止められただけで調子に乗らないことだ。東條の血族よ」

 どうやら東條のことを知っているようだ。

 だが、東條は驚くことはない。

「やはりですか、あなたが――――」

「――――気づいたか?」

 軍服の女が嘲笑う。

「そうだよ、終戦時の混乱に乗じて東條家を滅ぼしたのはこの私なのだからな!!」

 その言葉を聞いた東條は怒りに満ちながらもどこか冷静、いや冷淡というべきか。

 嫌な雰囲気が彼女を包み込む。

 何の話かはさっぱり分からないが、この二人には浅からぬ因縁があったということなのだろうか。

「――――古賀翡翠!!」

「そうだとも!! 私こそが古賀翡翠、この世で最後の大日本帝国軍人だ!!」

「――――殺す!!」

 互いに鍔迫り合いになり、同じタイミングにバックステップで距離を取る。

 古賀翡翠の言うことが戯言ではないとするのであれば、不老、またはそれに近い何かしらの能力を持っていることになるのだろう。なぜなら終戦から既に半世紀以上経っているのだから……。

「一族の仇討たせてもらう!!」

「やってみろ、だが忘れるな、彼ら大本営が全て悪いのだ。大日本帝国を滅ぼした彼らの罪は重い、一族郎党皆殺しだ!!」

 古賀翡翠は大声で笑いながら俺たちを見る。

 大本営とは日清戦争から第二次大戦の間、大日本帝国に戦時中設置された軍の最高統帥機関のことだ。

「そうだろ? 戦犯は全員裁かなれば行けないわ」

「あなたにその権利があると? そう言いたいのか!!」

 東條は激怒する。

「そうだとも、愛国派である我々が最後は敵と見なされ売国奴どもに駆逐されるのは許されたことではない。あと一か月あれば、あと一か月あれば我々は戦争に勝利していたのだ!!」

「戯言を!! 私は先代の行いを善とは言わない。だが、悪だとは決して思わない」

 後一か月、それで何が変わったと言うのだろうか。戦況を更に悪化させるだけだと歴史を客観的に振り返れば誰もが思うはずだ。

「それはただの身内贔屓だ。悪だよ、こんな日本にした彼らを私は許すことなど到底できないのだからな!!」

 古賀翡翠の高速の連撃を同じ高速の連撃で東條が受け止める。

「それはあなたの勝手な考えだ」

「勝手で結構、そのために今の今まで生きて来たのだ。今更に引けるものか!!」

「それほどの力を持ち、今日まで生きて来たのなら他にも道があったはずだわ」

「ふん、私の恨みは時が忘れさせてくれるような浅いものではないのだ」

「ここであなたを倒して、その恨みを断ち切る」

「やってみろ、小娘如きに遅れを取るものか!!」

「ならば、受けてみなさい!!」

 東條は一歩下がり脇構えの態勢を取る。

「――――天璋流九式【陽炎かげろう】!!」

 脇構えからの高速必殺の一撃だ。

「――――甘い!!」

 ――――――ギィィィ――ン!!!!

 東條は目を見開く。

「何!?」

 初見で躱すのは難しい一撃を古賀翡翠は態勢を低くすることで意図も簡単に躱したのだ。

「遅いわ、その程度で私は止められないわ」

「やるわね……」

「そうね……」

 古賀翡翠は何か考えるような素振りを一瞬見せる。

「ならば私がお手本を見せてあげるわ」

「まさか!?」

 東條が一歩下がる。

 だが、間に合わない。

「――――天璋流九式【陽炎かげろう】!!」

 ――――――ギィィィ――ン!!!!

 辛うじて刀で受け止めたが衝撃を吸収し切れずに数メートル後退する。

 俺はライトソードを抜刀し走り出すが、それよりもコンマ数秒早くアイリスが前に出る。

「――――天璋流九式【陽炎かげろう】!!」

 古賀翡翠は連続で上級技を繰り出す。

「――――朱雀流守弐式【鍾馗水仙しょうきすいせん】!!」

 アイリスが東條の前に出て受け止めようとするが……。

「きゃぁぁ――――!!」

「邪魔をするな!!」

 アイリスも攻撃を受け止められず体は宙に浮き吹き飛ばされるが、後ろの東条が何とか背中を支え抱き寄せる。

「これで終わりだな」

「――――俺がいることを忘れてんじゃねぇ!!」

 俺はアイリスたち古賀翡翠の間に入る。

「――――天璋流九式【陽炎かげろう】!!」

 またも上級技を繰り出す。

 上級技は集中力と体力を著しく消耗する諸刃の剣、普通に人間であれば、連続でそう易々と繰り出せるものではない。

 だが、これで三連続、この女は能力だけではない。剣の技量も圧倒的に上だ。

 まるで化け物だ。

 しかし、俺はここで恐れ慄く訳にはいかないのだ。

 俺がやる、やってやるぜ!!

「――――朱雀流攻漆型【秋桜こすもす】!!」

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