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GENERATION☆DESTRUCTION!!  作者: Yuki乃
EP20 Sports Festival ~First Day~
182/277

Sports Festival ~First Day~(9)

 昼休みに入り、食堂で他の三人と合流する。

 テニスの練習は上々であったようで東條は機嫌が良い。

 ニルは車を弄っていたので作業着でやって来る。聞いた所によると今日は暇な時間があると見越してトランクに作業着と工具類を積んできたそうだ。作業着は黒い油で薄汚れていたので食堂に入る前に「着替えて来い」と追い返す。

 軽く食事を済ませ東條とリアはテニスコートへ、他は一端大講堂へと移動しこの後の予定を確認することにした。

 バスケットボール、バレーボール共に一戦目を勝利し二戦目へと進むことになる。一日目は二回戦まで行なうようなのでテニスの後にもう二試合することになる。ちなみに二試合目まで勝ち残らなければ二日目の午前中はすることがなくなる。

 ニルはその方がサボれるから良いと考えているようだが、東條はそうではない。そんな事態になれば絶対何か言われるぞ。

 テニスの試合が午後一番で行なわれ、その後直ぐにバレーボールの試合が行なわれる。よってテニスが長引けば四人で戦うことになるかもしれない。その後、十五時過ぎにバスケットボールの試合がある。一日目はこれで終了だ。

 もしもこの中で勝ち進むことができれば明日は準々決勝くらいからスタートとなる。

 テニスの試合は炎天下の中行なわれた。

 リアは学園の備品のラケットを使用しているが、東條は自前でラケットを持ってきている。マッドシルバーに黒のラインがアクセントになっているデザインだ。ちなみにラケットはものによるが大体二万円前後はする。

 コートの周りには観客が大勢集まっており、もしかするとバスケとバレーの試合で東條が悪目立ちしたのかもしれない。

 試合は三セットマッチで先に二セット先取した方が勝ちだ。リアが前衛、東條が後衛のポジションから始まる。相手は二年警護科で二人共女子である。聞いた話によると二人共テニス部であるようだ。

 試合は二年警護科のサービスゲームで始まる。

 相手のファーストサーブは見事入る。流石はテニス部といった所だろうか。ただそこまで勢いのあるものではなく、確実に入れに行っているように見える。

 東條はトップスピンをかけながらレシーブしエンドラインギリギリの所へ返す。相手は少し詰まりながらもロブを上げリアの頭上を越え逆サイドへ、授業とかでしかやったことの無い人はバックハンドが苦手だったりするだろうが、東條は違う。両手のバックハンドでネットの直ぐ上、低い弾道で返したのだ。少し浅めに入ったショットを相手もボールをすくうように返すが、甘く帰って来たボールをリアがボレーし先制する。

 素人同士の戦いならばどちらが先にミスをするかを競うようなものだ。相手はこちらを素人だと思っていたのだろう。相手は攻めずにミスを減らすような返球をしていた。

 二年警護科0-15二年守護科

 最初のこちらの動きで素人ではないと判断したのだろう。

 本気を出しに行ったのかファーストサーブの勢いが強くなる。

 リアは何とかロブで返すが浅く入った所をスマッシュで返される。

 二年警護科15―15二年守護科

「ごめん」

「次で取り返すから問題ないわ」

 東條は余裕の表情だ。

 相手のファーストサーブはまた入る。ただ東條はその勢いの押されることなく、対角へ打ち返す。

 相手はロブで東條を振るが回り込んでトップスピンで返す。相手はロブで対角へ振る。やはり基本戦法は変えないようで東條を左右へと走らせるが、東條はエンドライン上にショットを打ち込み、詰まり気味に返したロブはこちらのエンドラインを超えたアウトになる。

 二年警護科15-30二年守護科

 その後も警護科は守りのテニスを続けたが東條の強力なショットの連発に耐え切れず、1セット目は30-45で東條たちが先取した。

 コートチェンジで次は東條のサービスから始まる。空へと高く上げたボールは一番高い打点で相手コートへ打ち込まれる。トップスピンがかかっているのだろうか。大きくバウンドしたボールは伸びる。エンドラインより後ろでレシーブするが打ち上げてしまったボールはエンドラインを大きく超えアウトになる。

 周りの観客からは「サービスエースだ」と歓喜の声が巻き起こる。ただそのサーブはまぐれではなかったようで、その調子のままで二連続サービスエースを決める。

 二年守護科30-0二年警護科

 続いてリアの番だ。東條のサービスがあまりに強烈であったため、普通のサーブに見えるが素人とは思えないほどの早いサービスだ。ファーストサーブを入れてくる辺りはテニス部顔負けだ。

 ただリアが後衛で東條が前衛の状態であるため、さっきのようには行かないだろうと思っていたのだが、決してそんなことはなかった。ファーストサーブを相手はクロスに打ち返したのだが、東條がネット際を走りレシーブをボレーし相手の前衛を抜いたのだ。

 周りからは「あの女子は誰なんだ?」「守護科ってなんだ?」と言う声があがる。今年から設立された学科であるため知名度は低いようだ。

 二年守護科40-0二年警護科

 試合はこのままストレート勝ちで大勝利を収めた。

 相手はテニス部だっただけにとても悔しそうだ。

 俺が驚いたのはリアの動きだ。ラリーは勿論だが、素人とは思えない速さと正確サーブだったからだ。正直、テニスがあんなに上手いとは思わなかった

 この後、直ぐにバレーの試合があったが五年諜報科と当たり10-15で惜しいところまでは行ったのだが残念ながら負けてしまった。

 それから一息着く間もなくバスケの試合が始まろうとしていた。

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