「瑠璃色の瞳に誓う、砂漠の旅④」(月光と絹の蜜)
夜の宮殿、月光が絹と金糸の衣装を淡く照らす。
雪藍の肌に張り付く薄絹は、光を受けて微かに光を反射し、柔らかな胸の膨らみや腰の曲線を濃密に浮かび上がらせる。
金糸の刺繍が月明かりに煌めき、衣装全体に妖しい艶めきを添えていた。
朱華の瞳は、もはや隠しようもない愛と欲望で深く燃えていた。
「雪藍……その姿、あまりにも美しい」
低く、熱を帯びた声が鼓膜を震わせ、雪藍の身体は自然と反応する。
朱華はゆっくりと雪藍の背後に回り、衣装越しに腰を包み込む。
柔らかくしなやかな曲線に触れる指先が肌を撫でるたび、雪藍は小さく身を震わせた。
朱華はそっと雪藍の胸元に手をかけ、衣の合わせをわずかに緩める。ねっとりと濡れた舌先が、首筋から耳へとゆっくりと這い上がり、柔らかな耳朶を湿らせた。
「んっ……!」
雪藍の喉から、先ほどとは違う、より甘く湿った声が漏れる。
それに満足げに微笑み、朱華は囁く。
「もっと……お前の声を聞かせてくれ、雪藍」
その言葉が引き金になったかのように、朱華の手は衣の帯をゆっくりと解き始める。
絹がはらりと床に落ちる音も聞こえぬほど、二人は互いを求め、深く長い口づけを交わした。
「あ…っ、朱華様、このような場所で…!」
「場所など関係ない。俺はお前が欲しい」
朱華はそう囁くと、雪藍を力強く、しかしどこまでも優しく抱き上げる。
寝台へと運ばれる間も、唇は離れない。互いの渇きを癒すように、貪るように求め合った。
乱れた衣装、潤んだ瞳、朱に染まった頬。
その全てを焼き付けるように見つめ、朱華は再び深く身体を重ね合わせる。
見つめ合う視線が、言葉以上に互いの渇望を伝えていた。
肌と肌が触れ合う熱だけが部屋に響き、互いを求める喘ぎ声が重なる。
もはや自分と相手の境界線さえ曖昧になるほどの、絶対的な悦びが二人を包み込んだ。
しばらくして、荒い息遣いだけが重なる中、二人は寝台に身を横たえていた。
朱華の腕の中で、雪藍はとろりとした瞳で彼の胸に指を滑らせる。
朱華はその指を取り、優しく口づけた。
「……雪藍。やはりお前は、この世のどんな宝よりも尊い、俺だけの宝だ」
「はい…」
雪藍は幸せそうに目を細め、彼の胸に顔を埋める。
「朱華様だけの、ものです……永遠に」
夜風は、二人の甘い吐息の余韻を運び、星降る空へと溶けていった。




