「瑠璃色の瞳に誓う、砂漠の旅①」(瑠璃色の誘い)
西域から献上された瑠璃色の腕輪は、清らかな空をそのまま閉じ込めたような光を宿していた。
指先に触れると、ひんやりとした感触の奥に、遥か彼方の異国の風が流れ込んでくるようだ。
雪藍は思わず息を呑み、夢見るように呟いた。
「まあ…まるで、果てしない空をそのまま閉じ込めたようですわ」
朱華は、その腕輪ではなく、腕輪を愛おしげに見つめる雪藍の横顔から目を離せなかった。
「…ならば、雪藍の瞳に、本物の空と星々を映してやろう」
「え…?」雪藍は驚いて振り返る。
朱華はゆっくりと彼女の手を取り、耳元に低く甘やかに囁いた。
「砂漠の空は、瑠璃のように澄み、夜には無数の星が降り注ぐ。その光を、お前の瞳に映させたい。
俺と共に、西域へ行こう」
頬を染める雪藍。胸の奥に熱が広がり、鼓動が早鐘のように響く。
「……朱華様は、ずるいお方です。そんなふうに誘われて、断れるはずがありません」
朱華は満足そうに微笑む。
「良い返事だ。お前を異国に連れて行くこと、それが何よりの楽しみだ。……いや、どこへ行こうとも、お前と共であれば、すでに楽園だがな」
その言葉に、雪藍は胸の奥を掴まれるようにときめき、思わず視線を伏せた。
「……朱華様のおそばなら、砂漠も、星も、すべてが宝になります」




