8話 おこめくんスイーツになる
さいきん、おんなのこがぼくとはなしてくれない。なぜだろう?ふしぎだ。ぼくはこんなにもおいしそうなのに。
そこで、ぼくはかんがえた。これはまんねりというやつだね?
そこで、ぼくはかんがえた。まんねりのだはにはなにがひつようか。そう、ぼくのもっともとくちょうてきなぶぶんをがっつりとかえてしまえばいいと。
「そうだ!せんべいになろう!」
ぼくのいちばんのとくちょう、それはつやつやのしろいはだ。いっちょはだをやいていめちぇん、おんなのこにもてもてというさんだん。
にせんにじゅうよねん、しんきいってんいめちぇんだ!
「ぐふふ、やはり……やはりぼくはてんさいなたべものみたいだね!」
そうときまったらせんべいやさんへごー!っだ!
じゃんぷ!
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ちゃくち!
「おほーここがせんべいやさんか〜けっこうおしゃれなんだねぇ〜」
ぜんたいをくろでとういつしたわしつは、ひとことでいうとえろてぃっくだった。ぼくにぴったり!すててっきだね。
「お客様ですね?こちらが受付となります〜」
うけつけばいとのきいろぱぷりかちゃんがぼくをよんでる!
「やぁきいろぱぷりかちゃん、きみはもしかしてすうじゅっぷんごのぼくのような、ぱりっとやけたせんべいがおこのみなのかな??」
せんべいときいろぱぷりかがあうのかはわからないけど、そんなのぼくはきにしない。
なぜならきいろぱぷりかちゃんはおいしそうだからね。あうあわないのかべなんてこえてみせる。
「この用紙にサインお願いします〜。あ、それとせんべい作りは数十分では終わりませんよ〜」
「ふふふ、おいしそうだね。ぼくたちにじかんなんてかんけいないさ、きみがぼくをもとめるかぎり、ぼくはきみにこたえつづけるよ」
くーるなきいろぱぷりかちゃん……いい、いいよ。
「『おこめ』さん……ですね。一応これはここへ来られたお客様全員にお聞きしていることなんですが、お客様はうるち米ですか〜?」
「……………………」
うるちまい?とは?
「あの、お客様?もち米の方はお断りしてるんです〜」
「???……あ、ああ、だいじょうぶ。ぼくはうるちまいだよ」
よくわからないけど、うるちまいだといっておこう。そうしないときいろぱぷりかちゃんとはなればなれになっちゃう!
あいしあうふたりがひきさかれるなんてひげきだから!
「承知しました、それではあちらの列へお並びください〜」
「わかったよきいろぱぷりかちゃん」
きいろぱぷりかちゃんがしめしたほうこうにはたくさんのおこめがれつをなしてる!みんなはだをやくつもりみたいだ。りゅうこうをのがすまいとひっしなんだね!
「ふふ〜ん。れつへしつれ〜い」
でも、でもでもぼくにはおよばないびみょうなおこめだらけだなあ〜。こりゃぼくだけもてもてかな???
「うわあああああああああああ!!!」
うお!びっくりした、れつのむこう、はだやきばしょからさけびごえがしたぞ!
おや?だれかくる。たったいまはだをやいてきたたべものみたいだ。
なんだか、ふらふらしてるぞ?????
「あ、ああ、ああああ……なんということだ。まさかせんべいになるということがこんな酷いことだったなんて……!?」
なにをいっているんだこのひと?りゅうこうにのりきれなかったのかな??
「なんなんだこのカスカスに乾燥した感覚は……最悪だこんな不可逆な調理……」
なっ……かすかすにかんそう?なにをいっているんだ……せんべいはいまはやりのおこめすたいるのはず……。
「お前ら!お前らはまだ引き返せる!早くこんな店出るんだ!何となく体焼くかァ〜なんて軽い気持ちでここに来てはダメだ!!逃げろ!!!!」
えっえっえっ……にげる?にげるなんてそんな、せっかくここまできたのに。
「お客様……?他の方を怖がらされては困ります〜」
きいろぱぷりかちゃん!
「うるせぇ!こんな不可逆な調理を流行らせて、俺たちおこめの未来を壊しやがって!俺は二度と純白になれないんだぞ!」
「大きな声を出されては他の方に迷惑ですので、こちらでお話しましょう〜」
「離せ!俺は啓蒙するんだ!まだせんべいになっていない無垢なるおこめたちに!啓蒙するんだ!離せッ!うっ離せッ!離せェー!!!うわあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
「こちらへこちらへ〜」
あっあっきいろぱぷりかちゃんにべっしつにつれてかれちゃった……。
でも、こえはきこえるぞ???
「ぎゃあああああああ!なんだその器具は!」
「当店こだわりの道具なんです〜」
「やめろ!やめろ〜!!!」
なに!?こわい!こわい!
「バリッ!」
あっあっあっあっ……あああっあああっ!
「うわあああああああああああんんん」
ぼくははしった。みせをでて、なんきろもたって、だれからにげるのか……もうわからない。
でも、ぼくはにげつづける。おそろしいきおくを、ふりきるまで。
あけおめ