32話 RUN!RUN!LUNCH!
「ケイセイフリダ!テッタイスルゾッ!」
「おかしい……なぜだ?」
なぜなんだ?なぜなぜなぜ?
「クソメ!ナニユエワタシモニゲナケレバナラナインダ!」
「どうして『らいす・おぶ・らいふ』がこのじだいに……!?」
わからない。わからないわからない。
「ジブンノアシデハシレ!キサマヲカカエテイルト、ミズガマザッテキショスギル!」
水混ぜご飯くんは混乱していてマトモに思考できていないので、私『三人称視点』が状況を説明しよう!
現在水混ぜご飯くん、水混ぜ小麦ちゃん両者はなかなか職場にやって来ない塩パンくんを心配し現れた『ライス・オブ・ライフ』の構成員たち、総勢約百品から追われている。
水混ぜ小麦ちゃんは塩パンくんに暴行を加える水混ぜご飯くんを止めようとしたのに仲間と判断され、一緒に攻撃対象となったぞ!可哀想な水混ぜ小麦ちゃん!
仕方なく水混ぜご飯くんを抱え、昼間の街中を全力疾走中というわけだ!すぐ暴力に訴える差別主義者なんて置いてっちゃえばいいのにね!
てなわけで、水混ぜご飯くんの一人称視点にお返しします!
ん……なんだ?なにがおきて……
「はっ!いまだれかがぼくのかわりにじょうきょうのせつめいをしていたような!?ぼくのしごとをうばいやがって、かすが!みんなはぼくをもとめているのであって、きさまなんぞをもとめているわけではないのに!じゃまをするなこのごみむしが!くさってしまえ!いや、もうすでにくさっているか!こんなはじしらずなでしゃばりかませるんだもんな!ぶちのめしてやるぞふにくが!げりしょんべんのとくもりすぺしゃるどんでもくっとけだぼが!きさまにすてきめっぽうなみらいがくるとおもうなよ!ことごとくやけただれておるわ!ふとどきものめ!しれものめ!げびたひんせいしかもちえねーうんかすやろうがよお!うすらきしょくわるいがんめんさらしてんじゃあねーっぞ!つみであるほどみにくいんだよ!かとうなさんにんしょうしてんのぶんざいでえらそうにしやがって、しつれいきわまりないやつだなてめーはよお!めいわくだよまったく!たにんにめいわくばっかりかけていきてきたんだろうね!どれだけのかいすう、ためいきをはかれてきたんだい?かぞえきれないだろうねえ!これまでいきてきて、いちどでもほんきになったことある?ぶんかさいとか、うんどうかいとかさあ?ないよねえ?あったらこんなざつなしごとしないもんねえ?きさまはしにすらあたいしない!しよりもおそろしいせめくをあたえてやる!さっさとおもてでろやげろのむにえる!ぺらっぺらのさんどうぃっち!かまぼこのけつ!おんなのこにあいされたこともないくせに!ぼくはめっちゃあるぜ、まいったかこのすかぽんたん!ぼくこそがこのせかい、このものがたりのすーぱーすたー、しゅじんこうなのだ!にどとじゃますんじゃねぇーぞっ!」
「ウルセエエエエエ!」
「いたたたたたたたたったたたった!」
みずまぜこむぎちゃんにぶんなぐられた!?どしてなの!?
「ワタシノコワキデ、チッチェコエデブツブツワケノワカラネーコト、イッテンジャネーゾアホタレ!サッサトハシレ!サモナキャコロスゾ!」
「すっごいわるぐち!さいてーだよみずまぜこむぎちゃん!きみがこんなげひんなたべものだとはおもってなかったよ!」
「ウルセートイッタゾ!」
「いたい!なぐるなんてひどい!ぼうりょくはんたい!ぼうりょくけいひろいんはきょうびはやらないよ!」
「ダマレ!ハシレ!」
「もおーわかったよ!」
などと、となりのおんなのこのこぶしにおびえながらはしって、いったんはおってをまくことができた。
そして、とあるたてものをみつけたよーん。
「こ、このおみせは!」
「ドウシタバカ!アシヲトメルナ!」
そのたてもののいりぐち。そのまうえの、まだらいとのてんとうがされていにないかんばんには──
「『ふぇいるのーと』……?」
ここはあのかわいらしさ、おいしさぜんかいのなまはむちゃんがはたらいていたきゃばくらじゃないか!
「そして、あのにっくきくそやろう……ぼくをみずまぜごはんにしやがっためろんがはたらいていたきゃばくらだ……」
「ナニ……?」
「ぼくはここのじょうれんだった!きっとたすけてくれるはずだ!」
「ナニ……??」
しかしながら、『ふぇいるのーと』は、しょくれきせんななねんおーぷんのはず。つまりぼくがたいむとらべるしてきたのはそれいこうのねんだいになる。あれ、けっこうさいきんなんだな。
と、いうことは『らいす・おぶ・らいふ』はあんがい、わかいそしきなのか。そんなこわっぱそしきにおされるなんざ、じくうかんりょく……ちゃーはんくんごときがしょぞくているだけあってざこざこなんだね!うける!
「とりあえず、ここににげこませてもらおう」
とびらにてをかけると、ちからをこめるまでもなくそれはひらいた。
じどうどあだったっけ?とおもっていると、なかからひとしなのたべものがあらわれ、かれはこういった。
「おや、お客様ですか。大変申し訳ございませんが、当店はまだ開店前でございます」
「ダトヨ」
みずまぜこむぎちゃんがけげんなかおをする。
「まあまあ、みててよ」
このぼくのじつりょくみせちゃおっと!
「ぼく、このみせのじょうれんのみずまぜ……おこめってものなんだけど。もしかしてぼくのことしらないかんじ?いつもならかおぱすでとおしてもらえるんだけどなぁ。きみ、なまえなに?」
こういってやれば、ぼくのそんざいのおおきさをりかいし、ぞんざいなあつかいなどできやしないはずさ。
「わたくし、ボーイのマクワウリと申します。そしてお客様、当店はまだ開店前ですので、大変申し訳ございませんが中にお通しすることはできかねます」
「なにぃー!?」
ぼくはいかりしんとう、さけんだ!
「オイッオオゴエダスナ!ミツカルダ……ロ……ミツカッタナ……」
ひたいにてをあてるみずまぜこむぎちゃんのむこうがわ。『らいす・おぶ・らいふ』のれんちゅうがわらわらとあらわれた。
やつらのてには──
「ジュウ!?」
やつらは、きいろい、やけにぽっぷなじゅうしんのじゅうをもっていた。
「なーんだ。ぼくらみずまぜしょくひんには、
じゅうなんかきかないって、ひんじゃくなちのうしかもちえないかれらはしらないんだねえ」
やつらのしょくせいそのもののごときむいみなぶつをわざわざもってきたんだねー。けなげだねぇ。
そして、ひきがねをひいた。しゅんかん──
「いって!いててててって!」
「イッタ!イタタタタッタ!」
ぼくらはいたみにもだえた!
「なぜだ!?なぜいたいの!?いたたたっ!」
ぼくらにだんがんなんぞきくはずもないのに!どうしていたみが!?そしてこのれんしゃせいのう……なみのじゅうじゃあないぞこりぁ!?
「コ、コレハ『シオ』ダ!ヤツラシオヲジュウニコメテウッテキテヤガルンダッ!イッタイッテバ!」
「そ、そんな!どうしてぼくらのゆいいつのじゃくてんをしっているんだ!いたたたたっ!」
「リユウナドドウデモイイ!ハヤクニゲナケレバワタシタチタチマチシンデシマウゾ!」
「く、くそーこうなったら!」
なにがなんでもおみせににげこんでやらねばなるまいて!
「おい!なかにいれたまえ!」
「お止め下さい!警備員!この方出禁です!」
ひどい!めのまえでじゅうげきされているたべものがあるというのに、ほごしてくれないなんて!
「待ちたまえ」
「あっ、オーナー!」
まくわうりくんのはいごから、ひとつのかげがあらわれる。
「だれだい!?」
とうと、かれはしずかに、ていねいながらもいげんのあるこえでいった。
「私はこの店、『フェイルノート』のオーナー、塩です」




