25話 かことイマは瑞々しく━━。
「カァ〜〜〜〜……ペッ!」
きたないおととともに、ぼくはよぞらからふりおとされた。
やわらかなじめんがささえてくれ、ぼくのしゃびしゃびのからだにはきずひとつつかなかった。
みあげれば、ほしぼしのきらめくよぞらがあり、ふりかえれば、なみのゆらめくふかあおのうみがあった。
「きれいだな」
とおくのほうでよぞらとうみがとけあい、すいへいせんはそのそんざいをあいまいにしていた。
そらにうかぶあながある。あそこからぼくはここ、かこにとばされたのだろうね。
「さて、これからどうすればいいのかな?」
ちゃーはんくんはなんのしじもださなかった。
……ださなかった!?!?
「あのっばかめし!かこでなにすればいいのか、このぼくになにもいわなかったのか!?」
しんじられない!!!
「ぼ、ぼぼぼぼぼくはどうすれば!?!?」
な〜にが『じくうかんりきょく』だぁ!?
まともなしごともできねぇであんなきどったかおしてたのか!?むのうか!?!?
「もおおおおお!!」
そもそもこのじだいっていつごろだよおおお!!!
「ド、ドウカサレタンデスカ?」
はいごからこえがした。おいしそうな、おんなのこのこえだった。
「えっ」
しぜんとこえがもれる。こっけいをおとであらわしたようなこえになってしまった。
ぼくとしたことが!たましいだけはおいしさをたもつときめていたのに!!
ふりかえってこえのぬしとたいじするまえに、ぼくはさんかいほどかおをたたいて、おいしそうなたましいをとりもどした。
「なんのようかな…………げっ!!!」
「ソ、ソウデスヨネ……ワタシヲミタタベモノハミンナソノヨウナハンノウヲスルンデス」
うつむいたそのたべもの……いや、“それ”はぼくとめをあわせたちょくご、
「……ゲッ!!!」
しつれいなはんのうをした。
「き、きみまさか……」
ぼくはかのじょにゆびをさしていった。
「ア、アンタマサカ……」
かのじょはたべものにゆびをさすのはしつれいにあたいするとままからおそわらなかったらしく、ぼくにゆびをさしていった。
「みずまぜこむぎ!?!?」
「ミズマゼゴハン!?!?」
ぼくにとっての『かこ』。かのじょにとっての『いま』。
━━ぼくらはしゃびしゃびだった。
あざます
 




