22話 恐怖の研究室
「う……うう……」
あたまがくらくらする。うごけない……。
「おや、起きましたか。水混ぜご飯さん」
「き、きいろぱぷりかちゃん……ここは?」
「私の煎餅屋です」
まわりをみまわすと、むきしつなくうかんだった。
つめたいこんくりーとのかべ、ぱちぱちとたよりなげにめいめつするけいこうとう。
およそせんべいやにもとめられるないそうではなかった。
「せんべいやはもっとあたたかい、おれんじのしょうめいがてらすいめーじだったな……」
「ここは地下室ですからね。私は研究室と呼んでいますが」
「ここであのおそろしいせんべいづくりのぎじゅつを……」
「いえ」とかのじょはひていする。
「素晴らしい技術です。そして、今回の研究材料は……貴方です」
かのじょがしめしたほうをみる。めをうたがった。
ぼくのびしゃびしゃのからだに、なんぼんものほーすがつながっていた。
せすじをさむいものがはしる。
「どうしました?息が上がっていますよ」
「こ、これは……?」
「貴方の身体そのものは使い物になりませんが、“出汁”は別です。どうやら特殊な道具で水混ぜご飯にされたようですね。貴方の溶けだした液体は強い旨味を含んでいる。煎餅作りに活用できそうだ……と思いましてね」
「そ、それでぼくの“だし”を……おこめのだしなんてきいたことないよ!」
「面白いとは思いませんか?米は寧ろ出汁に浸かる側。その米から出汁が出ている」
「すわれるだけすわれて、ひからびるがわからいわせてもらえば、そんなのなんのおもしろみもないよ!」
「まあ、せいぜいホースに出汁を流していてください」
そういって、きいろぱぷりかちゃんはどこかへとさっていった。
しずかなくうかんに、ぼくからだしをすいとるきかいのおとがひびいていた。
「だっしゅつしなければ……らいす・おぶ・らいふをたたきつぶして、おこめのみんなをすくうんだ……!」
「フン、見直したぞ。おこめ」
こえがした。うえからだ。
「えっ」
「とうッ!」
かげが、かけごえとともにちゃくちした。けいこうとうの、あおじろいひかりがあたって、そのすがたがあらわになる。
「1品でよく頑張るじゃないか」
「ちゃ、ちゃーはんくん!?」
「正直、お前はヘタレだと思っていたが……まさか1品で『ライス・オブ・ライフ』に立ち向かうとはな」
「へたれはきみだろ?」
「なっ!?テメェ、今から助けてやろうってのに……」
「たすけてくれるの?」
「ああ」といって、ちゃーはんくんはふところからなんらかのどうぐをとりだした。ぼくのからだにつながったほーすに、そのなんらかのどうぐをあてる。
「ライス・オブ・ライフは強くなり過ぎた。黄色パプリカさえも組織では下っ端。上にはもっと危険な奴らがいる」
「そうなの?くわしいなあ」
「三ツ星板前気取りのガスパチョ。パエリア狂いの冷奴。おはぎ屋パンなど……正気を失った連中ばかりだ」
いいながら、ちゃーはんくんはほーすをはずしてくれた。これでうごける!
「そんなライス・オブライフを潰すため、俺の所属する組織にお鉢が回ってきたというわけだ」
「そしきって……きみってなんのしごとしてるんだっけ」
「言わなかったか?俺は『時空管理局』に勤めてる」
ありがとうございます




