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おこめくんは茶碗入りしたい  作者: 高端 朝
水分過多編

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19/28

19話 虚空に響く最強の力

「水混ぜご飯から戻れないなんて……茶碗入りできないなんて……有り得ない……有り得ないいい!!」


高層ビルの立ち並ぶ都市の中心で、僕は叫んだ。絶叫が天を突き、僕を元のおこめくんに戻してくれる……なんてことはなかった。


つまり天は僕の敵ということだ。許さない。


「なにあれ〜」


どこからか声がした。口調から、僕を嘲笑っていることは明白だった。


声のありかには、キウイの女の子がいた。


「やめときなって」


隣の男が制止する。彼はチョコだ。キウイにチョコを合わせるなんてどうかしている。


「今までの僕ならキウイと茶碗入りしてあげるところだが、最早お前に価値はない!消えろゲロマズが!」


「なに?なんか文句でもあんのか!」


くっ……僕に盾突こうってのか!


「ゲロマズ?お前にだけは言われたくないね!なんだその格好、水混ぜご飯か!」


「なっ……ああ……ああ……ああああああ」


ゆ、許さない!その名で僕を呼ぶなんて!許さない!


「僕はおこめくんだあああああああ!!」


怒りに震える身体。力が入り、水が飛び散った。


「ぎゃあ!」


キウイは悲鳴を上げて飛び退く。まさか……


「僕の体液が嫌なんだね?うひひ……」


そうして僕は、ところ構わず体液を振り撒いた。


「みんな……みんなが僕から逃げていく!僕は最強だ!最強の力を手に入れたのだ!」


悲鳴と狂騒に酔い、気分は興奮を極めた。食べ物警察官が現れようと、僕の体液が僕自身を守り、彼らの発砲は無意味だった。


気づけば空には橙色の幕が降り始めていた。


「ハァ……ハァ……随分遠くに来てしまったな。都会とも田舎ともつかないやや栄え気味の住宅街に来てしまった」


「お、おこめくん……?」


「なんだァ?僕にシャビシャビにされたいのかァ……あっ!?」


「変わったのね……もう、おこめくんとも呼べないのかしら」


「な……なまたまご……おねえ……さん」


「私はたまごよ。昔の名前で呼べないのはお互い様ね」


なまたまご……いや、たまごお姉さんは言った。夕陽を背に微笑む彼女は、相変わらず美味しそうだった。


あざますm(_ _)m

次は15日に投稿します

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