15話 これはもはや帰宅
「えっ……なんでここに……!?」
「ひさしぶりだね、あいたかったよ。おたがいさまだね」
ぼくはきゃばくらからちょくでなまはむちゃんのおうちへきた。
うーん、ここまでちかづいたのははじめてだけど、なかなかいいおうちだ。
「すぅーーーーーー…………はぁーーーーーー。いいかおりだね、ふるーてぃーだ」
すこしなかをのぞくとげんかんに『あろまでぃふゅーざー』があった。しんぷるならべるのはられたこびんに、くろいぼうがさされている。
なまはむちゃんはせんすがいいんだよね。
ふだんからこうすいのいいかおりがしていたのをおもいだした。
「どうしてこの場所を知っているん……ですか……」
「よくいっしょにかえったじゃない!わすれるなんてひどいなぁ〜」
なまはむちゃん、からだがふるえている。よろこびにうちふるえるってやつだね。
ぼくも、さいかいできてうれしいよ。
「私っ、貴方と帰ったことなんてありません!」
「えっなに?きゅうにおおごえださないでよ。きんじょのひとがおどろいちゃうよ」
まったくじょうちょふあんていなこだなぁ。そういうところが、こどもみたいでかわいいんだよね。
「あれ?」
「えっ……何ですか……?」
「いや、わかるでしょ。え?わかんない?」
なまはむちゃんはなにもいわない。
ほんとうにわかっていないの?
しんじられない。
「ぼくずっとたってるんだけど?」
「は……?」
「いやっ『は?』じゃなくてさ、はは」
なんだかわらえてきちゃった。ほんとにわかってないんだ。
「なんでぼくがそとでたってるの?ってききたいんだけど」
「え……なんでって」
「はぁ……ぼくはきみのすきなたべものだよ?はやくいれてよ」
「本当に何言ってるんですか」
「すてきないえだね」
いいながらぼくはいえにはいった。
なまはむちゃんはわめきながらぼくのからだをおしてきたけど、そとではなすのもきんじょめいわくだし、はいらないわけにもいかなかった。
「も〜なに?」
「痛っ……!」
「ちょっと!なにころんでんの!?」
なまはむちゃんはなぜかころんだ。とびらにぶつけたのかうでをおさえてる。
「はぁ……そそっかしいなあ!」
「うぅ……痛い……」
「はやくたちなよ。ちょっところんだだけでしょ?えんぎ?はは、うまいね」
「う……うぅ……」
いつまでたってもうずくまっているものだから、ぼくもすこしいらだってきた。
「ねぇ、あのさぁ。そうやってひがいしゃぶるのやめな?すこしつきとばしただけでそんなけがするわけないじゃん。だいたい、きみがよくわかんないかじつとけっこんなんかしなければぼくがこんなにかなしむことはなかったんだよ?」
「う……何を言って……」
「はなしにならないな……」
ぼくはなまはむちゃんのからだをつかんで、いえのなかにいれた。
なにかさけんでいたけど、もうめんどうだ。
ぼくはとびらをしめ、かぎをかけた。
あけおめです
 




