さらに迷宮を先へ
なんで、あたしたちに地獄かというと、しばらくは巨大昆虫がメインで現れるから。蟻とかGとか、はては虫じゃ無いだろとツッコミたくなるナメクジとか、気持ち悪い奴らのオンパレード。
あたしたちはキャーキャー言う事しか出来ず、ダンとバルそれとアストリアさんがガンガン虫たちを倒してくれる。
ダンとバルは虫たちから出る汁でドロドロだけど、アストリアさんは全く汚れてない。育ちの違いってこんなとこにも出るのね。
そして、なんだかんだで虫ゾーンをくぐり抜け、あたしたちは地下10層のボス部屋へとたどり着いた。
ここに巣くうのはキングスライム。ただただデカいスライムがいる。牛くらいの大きさのスライムは圧巻だ。けど、所詮はスライム。動きは遅いし、魔法各種に弱い。事故るとすれば、体当たりを食らって転倒してのしかかられた時くらい。その時は即座に討伐して、犠牲者を助け出さないと、全身火傷のようになって急いで回復魔法をかけないと助からない。
まあ、だけど、あたしたちにとっては、全く造作ない敵だ。
ダンとバルがチクチク攻撃して、アストリアさんがその隙を見て威力が高い攻撃を放つ。あたしとリコッタは応援だ。
戦いは直ぐに決着がつき、しばらく休憩して、下に向かう。
次の層からは人型の魔物が出てくる。まずは定番のゴブリン。犬頭のコボルト、豚頭のオーク。迷宮を潜るにつれて、敵は大きく、数が増えていく。そして、運命の地下20層に着く。ここにもボスが居て、その魔物はゴーレム。動く石巨人だ。
ゴーレム。
削り出した石の塊に仮初めの魔法の命を与えたもの。昔の魔法使いは、これを生み出す魔法を使えたらしいけど、今は失伝している。それ故、迷宮でしかその姿を見る事はない。
石で出来た固い体は武器や魔法に強く、これを倒せたらやっと中級のパーティーと認められる。
基本的な倒し方は、魔法使いが攻撃力が上がる魔法を味方の武器に使って、神官がゴーレムの防御力を下げる魔法を使う。さらに魔法使いが相手の攻撃力を下げる魔法を使って、神官が味方の防御力を上げる魔法を使う。そして、みんなで殴る殴る殴る。
相手は石で出来た魔物。人間がそれを倒すには、バフ、デバフを重ねまくってそれでも分が悪い。あたしたちは、バルとあたしで魔法をかけて全員で攻撃して、なんとかかんとかやっつける事が出来る。
けど、昔のドラゴンスレイヤーとか伝説の英雄は1人でゴーレムを倒してたとか言われている。卓越した剣技、超魔法、チートなスキルとかを持って無い限り、それは無理だろう。けど、あたしが求めてるのはそういう勇者だ。