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 アストリア王子


「アストリア、お前をパーティーから追放する!」


 ダンはそう言うと、アストリアさんの背中を押す。アストリアさんはたたらを踏んで、部屋の中に入る。


「おい、ダン、私が何かしたのか? 追放? 冗談だろう?」


 アストリアさんはこちらに来ようとするが見えない壁に当たってこちらには来られない。


「いいや、冗談じゃない。お前はムカつくんだよ。女にはもてるし、綺麗事ばっか言いやがって」


 ダンはとびっきりの悪そうな顔で言う。もしかして演技じゃなくて本音が入ってるんじゃないの? アストリアさんメッチャイケメンだから。


「ガハハハハッ。じゃあな坊ちゃん、この先にいるゴーレムを倒せば帰れるから。アンタなららくしょーだろ」


 バルもメッチャ悪そうに笑う。なんかあたしたちが悪者になった気分だ……


「アンタ、強いんでしょ。それならゴーレムなんて楽勝でしょ、キャハハハハッ!」


 無口なリコッタも頑張っている。ちょっとつり目な彼女が手の甲を口に当てて笑うとメッチャ悪そうだ。けど、あたしは無理。演技なんて全く出来ない。


「お前たち、何を言っている。私が何をしたと言うんだ?」


 アストリアさんは見えない壁をドンドン叩く。なんか少し可哀想……


「レイチェル、君はどう思ってるんだ?」


 あたしは何て言えばいいのか解らない。


「ごめんなさい……」


 あたしはそれしか言えなかった。


 そして、リコッタに手を引かれてアストリアさんの閉じ込められた部屋に背を向けて歩いていく。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 アストリア・マクドラン


 東方諸国連合の西の大国。カルバーン帝国の第3位王位継承者。現皇帝バルバレス・マクドランの4つ下の弟だけど、巷間では王子と呼ばれている。マクドラン帝国は完全な実力主義でその王は最も強き者。そのバルバレス王を力で屈服させるために出奔し武者修行に諸国を回っている。白い肌に金髪碧眼でサラサラな髪を肩口で切り揃えている。ぱっちりとした目に細マッチョ。今はチェインメイルの上に要所を板金で覆ったハーフプレートメイルを纏っている。鎧を脱いで体型が隠れる服を着たならば、その容姿は女性と言っても解らないだろう。その性格は曲がった事が大嫌いな熱血漢。今まで、彼と出会った者で、彼に好感を抱かなかった者は稀有だろう。完璧超人の王子様。それがいままでの彼だ。

 諸国を巡り、迷宮都市にやって来たその日に冒険者ギルドで彼に話しかけて来た者が居た。


「あのう、もしよろしければ、あたしたちのパーティーに入りませんか?」


 彼はいままでの勧誘を全て袖にしてきた。けど、彼は思わず息をのむ。彼に話しかけて来たのはまだ二十歳にも届かないと思われる少女。プラチナブロンドにエメラルドのようなグリーンの瞳。痩せているのに豊満な胸。まるで古代の彫刻のような、見る者の動きを一瞬止めてしまうような美の化身がそこには居た。


 読んでいただきありがとうございます。


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