表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/29

 わがままディナー 4


「親父、面白いもの出してるな。それ三本頼む」


「あいよ」


 ん、ジューンがまた何か頼んだみたいだ。あたしはそこまて飲んでないけど、リコッタは目が座っている。そりゃそうよね、昨日も結構飲んだみたいだし、明らかに飲みすぎよ。三本串頼んだって事はあたしたちも強制的に食べさせられるの? 面白いものってジューンが言ってたからホルモンなんじゃないだろうか?


「あいよ」


 ギン爺があたしたちに串を振り分ける。


「なんなのよコレ?」


 見た目は普通に肉だけど、なんか所々穴が空いてるように見える。穴が空いたチーズみたいでもある。


「とりあえず食ってみろよ」


 あたしとリコッタはその謎串を口に運ぶ。タレがいい感じに焦げてて美味しそうだ。うっ、なにこれ、グニュグニュしてて、言うならグミキャンディーの食感。そう言えば最近グミキャンディーは人気でガムよりも売れてるそうよね。これってグミキャンディー肉? 肉には細かく切れ込みが入っている。味がのりやすくしてるのだろう。


「面白いだろ。それはフワだ」


 フワ? そういえばそう言う名前の有名人いたわよね? 嘘! そう言えばあんまり最近聞かないし。その肉!? そんな訳ないわよね。


 焼き物はとりあえず一息ついて、ギン爺がこっちを向く。


「おいおい、兄ちゃん、姉ちゃんたちが目ー白黒させてるじゃねーか。フワって言うのはだな。肺だ。空気吸う肺だ。うちでは豚の肺を使ってる」


 フワって肺? じゃ、フワさんは肺さんって意味なの? なわけないか。語源ちがうわよね。


「親父、これ新鮮だな」


「おうよ、朝引きを下茹でして、一日しか使わないから面倒なんだよ。時間経つと血生臭くなるからなレバーと一緒だ。残ったのはカレーにぶち込んでる」


「懐かしいな。金が無い時に肉屋に打って出るもらってよく食ってたなー」


「あんた、田舎の出身だろ。ここらじゃフワは下手したら犬のエサだ人気ねーからな。ちゃんとしたら不味くはねーんだが、人ってもんはよ、知らないものにはあんまり手ーださねーんだ。いいものでも、しっかり確認しないとその良さはわかんねーんだよ。当たり前だがな」


 リコッタはハフハフ食べてる。あたしも気にならずに食べてる。あたし的には好き寄りの好きだ。


「捨ててるようなもんだな。そりゃ勿体ねーな。フワってデカいから腹には溜まるのになー。親父、あと三本だ。おいおい、耳長、そんな目で見るなよ。俺様が三本食べるんだよ」


 さすがにリコッタは満腹なんだろう。


 ギン爺が手を動かしながら背中越しに語る。


「どうでもいいんだがよー。なんか最近の若いもんは女の子を『フワフワ』とか『ゆるフワ』とか言うじゃなーか。あれ聞くと『フワ』をおもいついていけねー」


 フワフワな女の子、肺肺な女の子。訳わかんない。ゆるフワ、肺が緩いの? ため息でもついてるのかしら。

 ジューンは美味そうにフワをガツガツ食べている。あたしはそのうちの一本を略奪した。うん、グミキャンディーだ。




 読んでいただきありがとうございます。


 みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。


 とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ