わがままディナー 3
「おい、おめーにこれやるよ」
ジューンがリコッタの皿に謎肉の串を置く。
「ありがと」
リコッタは無表情で受け取ると口に運ぶ。ジューンに突っ込まれたからか、さっきから、一口二口は串ままで、根元は箸で抜いて食べてる。
「ん、なにこれ。んまっ」
リコッタが目を見開いてる。美味しいって言ってる女の子って可愛いわ。特に彼女は。
「チチカブだ。おめーには足りてねーだろ。十分補充しとけ」
「チチカブ? どこの肉なの?」
「まあ、アレだ。うめーからどこだっていいだろ」
「私に足りてないもの? そう、痩せすぎ。少しは脂肪つけないと」
今、ジューン、リコッタの胸をチラ見したわよね。ジューンの顔が赤いのはお酒のせいだけじゃないだろう。意外に純なのね。ジューンなだけに。照れるなら自分から振らなきゃいいのに。少し可愛い。チチカブって確かおっぱいの肉よね。さすがに、さっきのセリフはセクハラすぎるわ。んー、美味しいのかもしれないけど、なんかイメージで手を出しづらい部位よね。
確かにホルモン系は美味しいのかもしれないけど、なんて言うか見た目が独特。少し怖い。知り合ったばっかの男女が食べるものとしてはレベルが高い。まあ、あたしたちはそういうの慣れてはいるけど、普通の女子ならドン引きしてアウトだろう。
ジューンとリコッタは、次々と謎ホルモンにトライしていき、あたしはしいたけとか、ぎんなんとか肉以外を攻める。鶏皮と鶏モモ、ネギまなども挟んだりしながら。
「あれだな。焼き鳥って肉が小さいのに腹溜まるよな。エールじゃなくてサケで良かっただろ」
あたしたちもカパカパとサケをあけてった。うん、エールだったらもう腹パンだっただろう。けど、ジューンが言う通り、焼き鳥って小さいのにお腹に溜まる。そういえば昔神殿で習ったわね。人間って頭で満腹を感じてるって。だからしっかり噛んだらいっぱい食べた気分になる。太りたくないならしっかり噛んで食べるようにってよく言われてたわね。焼き鳥って良く噛むからお腹に溜まりやすいのかも。もしかして、ここ選んだのって、あたしたちが太らないように? さすがにジューン、そこまで考えてないわよね?
あたしとリコッタはちまちまと、ジューンは豪快に食べる。とっても美味しそうに食べる。なんか美味しそうに食べる人っていいわよね。ジューンは体が大っきくていつも自信に溢れた顔してるから、あたしよりかなり年上なのかもって思ってたけど、今の彼は幼く見える。もしかして、あたしとあんまり歳が変わんないのかも。なによこの店って思ってたけど、たまにはこういうのもいいかも。
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