ミーティング
「集まってもらったのは他でもない。次の仕事についてだ」
ダンがいつも通り会話の口火を切る。ジューンさんは宿で休んでて、あたしたちは別に打ち合わせてないのに、馴染みの定食屋のいつものテーブルで晩御飯してる。くどいけど、別に集まってないわよ。同じパーティーだとどうしても行動が似通ってしまうのよ。
「ガハハハハハッ。次は、アストリアの時と違う、斬新で新しい追放を考えないとな」
エールと粥を交互に口にしながら、バルがなんか言ってる。魔法使いは滑舌が命とか言って、奴はダッシュの後だろうが、飯食ってようが、普通に喋る。常在戦場らしい。どうでもいいけど、汁物と炭酸をよく一緒に食べられるわよね。あたしはラーメンとエールはダメな人で、油そばならなんとかいける感じだ。それに、斬新も新しいも同じ意味よね? この人教養があるのか、ないのか、ボケてるのかいつも謎だ。
ダンが腕を組んでムムムと言ったあとに話し始める。
「新しい追放なんか微塵も思いつかねー。だが、俺らも追放のレベルを上げてよりいい追放をしないとな。多分もっと俺らならより良い追放ができるはずだ」
なんだよ、追放のレベルって。より良い追放なんかあるのかしら?
「はい」
リコッタが手を上げる。
「もっと追い込、追い詰めるために、もっと逆境な追放する。例えば全裸追放とか」
今、追い込むって言いかけたわよね。借金とりじゃあるまいし。
「全裸追放か……」
おいおい、ダン、そんなの即却下でしょ。全裸追放されたら、覚醒したら全裸覚醒でしょ? そんなん見たくないわ。
「全裸追放。なんか言葉的にはいい感じだが、さすがにそれは犯罪じゃねーのか?」
ダン、犯罪だよ。
「ガハハハハハッ。面白いなリコッタよ。それは追放じゃなくて、追い剥ぎって言うのだよ」
「追放できて、剥いだ身ぐるみ売れば懐も潤い一石二鳥」
なんか、リコッタ、可愛いのにボッチなのがよーくわかるわ。
「だから、それは間違いなく違法だって。いくらギルドがみてくれるからって、それはやり過ぎよ」
「やっぱ俺らじゃ、進化した追放なんか思いつけねー。ここは追放のプロのレイチェルにアイデア出してもらおう」
ダンがあたしをジッと見つめる。こんな不毛な会話より、ご飯の方が大事なんですけど。
「そんなにポンポンと新しい追放思いつくわけないでしょ。宿題にしましょ。いいの思いついたら発表するから」
後でよく考えると、これは一芝居打たれたんじゃ? あたしは追放に乗る気じゃなかったのに、これからしばらくジューンをどう追放するかずっと考えてた。
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