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照らす雨

作者: 雑食紺太郎

音楽にのせるように頭の中で読み流してみて下さい。


 ふらり、ふらり、雨が降る。

ぽつりぽつりと音がする。耳を澄ませながら目を瞑る。


雨足が早く急ぎ足。行かなきゃ、行かなきゃーー今すぐ。

行こうか、行こうか。君が待ってるあの場所へ。


ゆらり、ゆらり、揺れている。

水面が明かりにてらされている。希望の光のように。

月が明るる、そんな時は固定されたように動かない。


 時間も思考も停止して、何もなかったかのように消えている。触れることも叶わずに、まっさらだ。


いつの間に僕の元を去ったのだろうか。


ゆらり、ゆらり、揺れている。


影が差す、光が明るる。そんな時は、影が濃く残される。

僕たちを拐っていく。足に絡み付き、自由を奪う。

常識という名の枷に囚われて、動けない。


『動け、動け!動け!動け!動け!動けよ!!』


叫んだ。動き出したいという一心だけで、叫んだ。

声が枯れるまで、叫んだ。

雨の中叫んだ。冷たい雨に打たれながら叫んだ。

時間さえ忘れて、ひたすら心を叫んだ。


『っーー!?』


声が枯れた。そんな時は、天を見上げた。


雲を押し退け、太陽が顔を出して輝いていた。

僕たちの心も照らしてくれている。


モヤモヤが、晴れていく。

天と同じように、僕らの心も晴れたんだ。


ねぇ、見てるかい?


『僕の心は救われたよ……』


明かりが照らした雨の中を叫び続けた。


僕の心は晴れやかに晴れ渡っていた。


ありがとうございました。

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