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だらけたい白騎士隊長と苦手な侍女は内緒の和平を結ぶ  作者: ユミエリ
第一章 だらけたい白騎士隊長は苦手な侍女と内緒の和平を結ぶ
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08 ミラ嬢とシリウスの関係③

副隊長ブルム殿と話をしている最中に、外が騒がしいことに気づいて、俺と副隊長のブルム殿は、部屋を出る


するとそこには、ミクライスとヴェルスが近衛兵に怒鳴りつけている現場に遭遇した。


何事かと近寄り事情を聞けば、どうにも先程教えてもらった、内容のことで誤解があったと理解した俺は、そうそうに二人に近衛隊長の策謀と計画の有無などを説明した


すると自分達の行動が間違っていたことを判断したらしく、詫びの品を差し入れで渡す約束のもと、皆に詫びて建物より出て行った。


俺と副隊長殿は、苦笑していたものの


急にブルム殿が俺の方向へと振り向き、真剣な面持ちで話しかけられた


「┄話の途中により遮断していたことですが、シリウス様が探ってらっしゃる内容に、少しの誤りがあります、いま現在の情報ですと我が国の孤児院にて増税を含む嫌がらせなどを、城の重臣たる方が、コード家のジルビオ様と協力態勢をとりまして」

「中々に証拠が見つけることが出来ない状況にございます。しかし隊長が部下にて命令を下し動いています、それをもとに証拠を掴めるかと」


貴重な情報をこんな場所で? 

とも思うが、いま話すべきだとブルム殿は判断したのだろうと思い


「では、その内容と情報・証拠などは、私のもとに提出して下さいませんか?」

「┄┄身内たる貴方様にですか? 何故と問いても宜しいか?」

「先程も答えましたが、俺は身内である両親に対しては、何の情もないため、裁くための材料を集めている途中なのです」

「もしも信頼にあたいしないと判断するのでしたら、そちらの判断にて提出を拒んで下さい」

「強制するなどして、貴方達と協力出来ないなど愚の骨頂ですので」


誠心誠意に嘘偽りなく、相手を信頼しての言葉を紡ぎ応えると、ブルム殿は一度、瞠目しながらも、フッと笑みを浮かべていた


「┄さすがは白騎士の部隊長を纏めている方だ、貴方の誠意、俺は信頼にあたいすると判断しよう」

「信頼に感謝を。┄ブルム殿は、より警戒をして下さい、俺は確両親について確実に調べようかと思いますが、何があるかもわかりませんので、」

「┄あと協力ほどを隊長に知らせて下さい」

「はい┄我が町を汚されることを、隊長は嫌っておいでなので、必ずや協力するでしょう。では、のちほど、報告の書類を部下にて運ばせます」

「感謝しますブルム殿」


騎士の礼を向け、感謝の意志を告げたあとは、副隊長としての仕事の用があると、俺の前より立ち去ったあと


残された俺は、不意に周囲を確認する


何故ならば、ミラ嬢が俺の前より離れ用事があると別れて時間的にも10分弱経っているからだ。


まあ、ここには男女関係なくいるため、目立つことはなくとも、何となく無茶をしそうなミラ嬢をほっとけない気持ちになっていた。


突飛で無表情、落ち着いているのに発言に毒を含ませ、正論を述べるミラ嬢は、俺の知る女性とは違い、別に嫌いじゃないなあ~とか思っていたとき


妙な視線を感じて、その方向を向いた瞬間、ミラ嬢がそこに立っていた。


じ~っと観察されるような視線をまっすぐに受けた俺は、ミラ嬢のことを考えていたことを見透かされそうな気分になり、徐々に顔が赤くなる


あまりにも視線が合い、逸らすのも憚れてミラ嬢をみつめ、どうしようとか思っていたら、段々とミラ嬢が不愉快そうに眉を寄せ


「┄人の顔を見るなり、動揺するなどイラッとくるんですが?」


と言われてしまう


「え? あ、いや、そのな。う~ん、気にしないでくれ」

「言い淀むのも、歯に小骨が刺さった言い方も不愉快なのですが?」


正直に思っていることを告げてくるミラ嬢は、俺の返答に余計に不愉快な気分になったらしく、目を細めて睨まれてしまい


ここで俺も正直に言わないと、何となく怒られそうで、渋々ながら話すことにした。


「┄┄ブルム殿と会話を終ったあとに、少しばかりミラ嬢のことを考えて探したら、近くにいて、ちょっと動揺したんだよ」


言ったはいいが、何だか照れ臭い気分に襲われて、頬を掻いていると、ミラ嬢からは理解出来ないような表情をされてしまい


最終的に俺は苦笑していた


◆◇◆◇◆


何となくの会話を逸らそうと、ミラ嬢にブルム殿との内容に対してのことを報告した


ミラ嬢は俺の対応に一瞬だけ、眉を動かしていたけれど、ブルム殿の内容に、一度難しい顔をしていた。


手を口にあて、小声で何かを呟いていたが、すぐに俺を見て冷静に


「┄なるほど、一応は今後の対策のために旦那様に報告しておきます」


と告げてくるミラ嬢に、俺は頷く


そして次にどうするかを考えようと思いつつも、ここで突っ立っているのも、何だか気分が悪くなる


何故かジッと俺達は近衛の連中に見られて、まるで珍しい組み合わせなのか、コソコソと噂を立てていて、イラッとする


だからこそ、無駄にジロジロ見られて噂などたてば、ミラ嬢に迷惑することになる


いつか彼女も大切な男性を見つけ、添い遂げる相手とくっつく日も来るのに、俺みたいな人物とだなんて困るよな


チラリとミラ嬢を見れば、うむっと何かを思案しているようで迷惑そうじゃないことに、少なからずホッとしてしまい、何をしてんだかと自分に呆れた


しかし迷惑がられてないにしろ、ここに居続けるのも気分が悪いため、ミラ嬢の手を掴み


「まだ行くところがあるので、早くここを出ましょう」

「え? まだ行くところがあるのですか?」

「はい、調査を付き合ってくれますよね」


仕事で付き合って貰っているのに、こんな所で不愉快な気分になって貰うなど、何だか嫌だと思い、つい手を掴んだまま告げてみると


一瞬の瞠目と、俺の様子に無表情は変わらずとも、目が一度視線を逸らされてしまう


もしかして、時間的にもローズ宰相の仕事か?

メリア嬢の仕事が気になっているのかと思うが、せっかく仕事をするならば、仲良くなっておきたいと思うため


「┄ミラ嬢の時間を、俺のために使ってくれないかな?」


と話した瞬間、口をワナワナと震え、少しの間を開けて、俺を見るなりキッ! と睨まれ


「┄┄当たり前です、()()()()()()として来てるので、協力は惜しみません」


と業務的な物言いをされた。


だけど、何処か┄言葉に毒舌を含みながらも、変に優しい言い方をされた気分になり、クスッと自然に笑みが浮かんだ


そのあとは手を掴んだまま、近衛の屯所を後にした。


このとき近衛達は思う、あの辛辣なシリウス様が、あんな大胆かつ仕事の中で、女性と、それもメイドと仲良さげに、いちゃついている様子に、微笑ましさと、堂々と口説く姿に尊敬していたのだった

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