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だらけたい白騎士隊長と苦手な侍女は内緒の和平を結ぶ  作者: ユミエリ
第一章 だらけたい白騎士隊長は苦手な侍女と内緒の和平を結ぶ
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07 ミラ嬢とシリウスの関係②ーミラ視点ー

シリウス様に許可を貰った私は、急ぎ気配を感じた場所である、建物の2階辺りへと移動すると、そこには暗部を抜けた昔の仲間が楽しげな笑みを浮かべていた


「フォルトロン、あんた、よくもまあ、私にわかるように気配を飛ばしてくれたわね」

「┄まあな、僕が久しく会いたいのはミラだけだし、気配を飛ばせば気づいてくれるだろ?」

「┄┄┄あんたの、その子供のような口調、変わらないわね、昔のままで┄┄」

「変わらないようにしてあげてるんだ、せっかくの久しぶりの挨拶だしね、嬉しいだろう」


ニヤニヤと笑う姿に、人をバカにした態度も変わらない真似をされて、私は呆れ


「不愉快なんだけど、私にとっては」


と呟き、睨むように目を細めフォルトロンを見据えれば、クククと笑いだした 


「┄さすがに喜んでくれないか、でも┄どうするつもりなのかな、また捕まえるかい?」

「捕まえるわよ、貴方は私の大切な人を傷つけた、そしてシリウス様の両親を┄┄┄」

「狂わせたといいたいんだよな、まあ┄もとより、魔女の実験も兼ねてなんだし、せっかく築き上げた物を壊すのは、魔女と利害が一致してたんだ、恨まれるなど、筋違いだとおもうがな」

「┄屑ね貴方は、本当に┄」

「ありがとう、誉めてくれて、最高に嬉しいよ、ミラからくれる最高に最上の誉め言葉だ」


あの魔女並みに、イライラするため


手元にクナイを取り出して、俊敏に動きフォルトロンの首を掻き切ってやろうとしたら


私のクナイごと、地面にいつの間にか倒されうつ伏せにされた。


「┄な⁉ なんで?」

「昔より腕は上がったようだけど┄僕も、いや俺も腕は上がったんだよ、弱虫ミラちゃん!」


フォルトロンが昔の嫌なアダ名で呼ばれて、イラッとするが、次に行動を移されビクッとなり、首筋にフォルトロンの唇が落とされチクリと痛みが走り、すぐに離された


「┄┄何をするんです! 気でも触れたのですか‼」

「ククク、別に┄お前の嫌がるのが楽しいだけだし、それにお前は俺のものだって証をつけとかないと悪い虫に捕まえられるからな」

「┄証などつけて何の意味があるのです、だいたい私に悪い虫など、もとよりいませんから、こんな行為は無意味かと」

「┄さて、それはどうだろうな」


ニヤリとフォルトロンが呟くや否や、私から手を離し、素早く距離をとり


「まあ┄一応は俺も気がすんだし、ミラとも挨拶したことだし、仕事に戻ろうかな」


と軽い口調で言われ、私は咄嗟に起きあがり戦闘体勢を整えれば、フォルトロンはクツクツと笑い


「あ┄そういえば、これは再会記念に良い情報をやるよ、もしも┄黒い鳥を見たら気を付けな、心の弱い者に寄生するからよ」


短くアドバイスをするフォルトロンに私は、訝しげ、睨めんでやると余計に笑いだして「じゃあ┄またなミラ」とだけ言い残し去るように消えた。


時空転移を使われ、フォルトロンを仕留め損ない、舌打ちが出たときだった。


近衛兵の人間が何故か騒がしくなり始める


私はフォルトロンの怒りがあったが、頭を切り換えて、騒がしい場所を2階より覗いてみたときです。


そこには何故か、ミクライス様とヴェルス様がきており、近衛兵に二人して詰め寄っていた


そしてミクライス様が足をダンッと地面を打ち鳴らした瞬間、建物が揺れ動く


私は咄嗟に近くの手すりを掴んで揺れに耐えれば、ミクライス様が


「┄もういい、お前らだけでは話にならん、隊長殿はいないのか⁉」


と怒鳴りつけた。声はどうにもお怒りのようで、私はこっそりと覗いてみたら、ヴェルス様も不愉快そうで近衛兵を睨んでいる


しかし、この騒ぎに気づいたのかシリウス様と副隊長である方を伴い現れ、話をしていた。


「┄どうかしたのか、いきなり建物が揺れたから驚いたが、お前がやったんだろうミクライス」

「ああ、そうだ。だからなんだ、シリウスまでも文句をいいに来たのか⁉」


ピリピリとするミクライス様としては珍しく、表情は機嫌の悪さが、しみじみと出ていました


そんなミクライス様にシリウス様は、やれやれと言わんばかりに溜め息を交わらせ


「文句を言うにしても、注意をするにしても、ミクライスが、何故にこんなことをするのか理由もわからずに説教などしないさ」

「ただ┄一言いうのならば、周りをビビらせずに、落ち着いて話せ、らしくないぞ」


シリウス様は、ゆっくりとした口調のなかで、近づくなり肩をポンポンと軽く叩く


するとミクライス様とヴェルス様は、苦虫を噛み潰したような苦い顔をしていたが、シリウス様の柔らかさな優しさに、諦めたような表情をして


「┄確かにらしくないだろうさ、でもよう┄近衛兵にしては警備の手薄さに、苛立ちもくると思うぜ」

「┄僕もそう、思う。さっきなんか、祭りの準備中にも関わらず、盗賊が侵入し、民間人に、怪我、させていた」

「まあ軽く捻って、僕の友人達に見張らせてるけどね」

「それな事が二、三件もあったんだよ。お陰で、やりにくいんだ。俺は殿下に仕事頼まれて忙しいってのに」


などと説明をなさっていました。


他の騎士の方々も、それぞれが仕事の振り分けをしているため、余計な仕事は酷く不愉快と


まあミクライス様とヴェルス様の言葉には、そのような含みがあるようで、シリウス様は何とも言えない表情をしていました。


しかし、どうにもそれは、近衛兵の隊長による一斉取り締まりによって捕まえる計画のためだったと話し、それによって怪我人が出たことも報告が上がっていたらしく


すぐに副隊長が、怪我をなさった方の援助を部下に指示を出したと、お二方に説明なさっていた。


すると二人は、互いに視線を合わせて苦笑し、後で詫びの品を近衛兵達に、差し入れすると約束し出ていかれました。


その光景に、少々人騒がせなとも思いましたが、民間人に対する優しさや大切だと感じて、さすがは隊長となられた方々だと感動した。


◇◆◇◆◇◆


ミクライス様とヴェルス様が出ていかれたあとは、私は己れの用も終ったのでシリウス様と合流しようと一階に下り、声をかけるためシリウス様の方へと歩き近づこうとしたら


少しの移動の間に、シリウス様が何故か、怒りのこもるような表情で、ブルム副隊長殿と会話をなさっていた。


「┄ブルム殿は、より警戒をして下さい、俺は確かに両親について確実に調べようかと思いますが、何があるかもわかりませんので、あと協力ほどを隊長に知らせて下さい」


「はい┄我が町を汚されること、隊長は嫌っておいでなので、必ずや協力するでしょう。では、のちほど、報告の書類を部下にて運ばせます」

「感謝しますブルム殿」


騎士の礼をする姿は立ち居振舞いは格好良く、毅然とする姿は騎士の隊長としての風格もあり、見ている分には綺麗だと思う


ぼんやりとそんな感想を抱いて見ているなか、話が終ったらしいシリウス様が、キョロキョロと何かを探している素振りをしていましたが、私の存在に気づくなり


何故か動揺しているような表情をされるため、ちょっと不愉快になる


「┄人の顔を見るなり、動揺するなどイラッとくるのですが?」

「え? あ、いや、そのな。う~ん、気にしないでくれ」

「言い淀むのも、歯に小骨が刺さった言い方も不愉快なのですが⁉」


少々の不愉快さを、語尾に深々と出して目を細めて睨みながら言い返す私に、シリウス様は何故か赤い顔をする


言い淀んだり、顔を赤く照れ臭いような態度をするシリウス様に、私は理解が出来ず、訝しげていれば


「┄┄ブルム殿と会話を終ったあとに、少しばかりミラ嬢のことを考えて探してたら、近くにいて、ちょっと動揺したんだよ」


とシリウス様が頬を掻いて答えてきた。


何故に私のことを考えて動揺する必要があるんだろうか?


そんな疑問が込み上げてきた。


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