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だらけたい白騎士隊長と苦手な侍女は内緒の和平を結ぶ  作者: ユミエリ
第一章 だらけたい白騎士隊長は苦手な侍女と内緒の和平を結ぶ
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04 両親についての情報

書類が崩れたぐらいで、いちいち腹を立てるローズ宰相に、余程┄仕事に追い込まれているのだろうと、辺りに散らばる書類で推測でき


「┄あんたも色々と追い込まれてんだな」


とつい同情の眼差しを向けていえば、ローズ宰相は、大きなお世話だと言わんばかりに舌打ちされ、書類へと視線を向けてしまう


それは話しなど終わりだと態度にて示しており、俺も余計な会話をする義理はないため、チラリとミラ嬢を見て


「┄資料は無事に届けたし、俺も失礼するよ、ミラ嬢とは午後一緒に来てほしい場所があるから、頼めるかな?」


俺がそう用件を話すとミラ嬢は、仕事ですね、わかりました。とだけ返事を返すため


いまいち固いミラ嬢の口調が変に気になるものの、了承したことをよしとすることにした


そのあとは、ローズ宰相の執務室をあとにし、両親について調べるために動くことにする


前にも色々と調べはしたが、さすがに隣国にて戦争を吹っ掛け、国王に領内の徴兵を進言しようとしているなど、馬鹿なのか? と本気で頭が痛い


だが、本気で馬鹿ならば┄もしかすると別のものにより利用されている可能性も拭えない


他にも色々と考えがあるが、1つずつ潰していく必要があるからだ


まずはミラ嬢には頼らずに、両親が贔屓している城のクライン大臣に聞き込みをしようと、歩きだしていた。


◆◇◆◇◆◇


クライン大臣のいる執務室は、ローズ宰相の部屋よりは近くにあるため、すぐに着くことが出来た。


ノックをすれば、返事が返ってきて、入室の許可をもらい執務室に入るとクライン大臣は、資料棚の場所にてファイルを開き立って、パラパラと捲り見ていた。


クライン大臣は、美容系の研究を主にしていて、女性ながらに、歳もとっているにも関わらず、綺麗な金髪が顔を撫でていて、大人の色気があった。


「┄クライン大臣、少しばかり話がしたいのだが、いま時間は宜しいですか?」


俺が声をかければ、ファイルを閉じるなり、真っ直ぐに俺を見つめ


「┄別にいいわよ、そこのソファーに座りなさい、ゆっくり私も話たいと思っていたもの」


優しい感じで言われ、俺は頷くとソファーに座るとクライン大臣も座り、対面式な状態が出来上がり、クライン大臣はズボンを履いた足を組み、手を組むなり


「┄それで話しとは何かしら?」

「実は、貴方を贔屓にしている私の両親、サリエナ・コードについて、お聞きしたく思いまして」

「サリーについてなのね、いいわよ何を聞きたいの」

「はい、聞くべき内容は、母君の我が国への危機を持ち込もうとしていることについて、貴女は加担していますか?」

「えらく直球ね、まあ回りくどいのは嫌いだから、いいんだけどね。そうねえ~加担はしてないけど、私には協力して欲しいとかの文は来てるわね」


クスクスとクライン大臣は笑い、スッと冷たい瞳になるなり、先程持っていたファイルから一枚取り出すと、俺のほうに滑らすように渡してきた


「これを貴方にあげるわ、好きに使いなさい」

「┄これは何ですか?」

「サリーの計画書よ、まったく馬鹿よね、私が大臣だからって、全面的に協力すると思ってるんだから」

「いくら贔屓で友人であろうと、国への反逆行為は、死と同列、私はそこまで国を見限るほど憎しみも、嫌悪もないし、協力する義務もないからね」

「だからこそ、証拠がいるでしょ」


冷たい瞳のままに淡々と話す大臣に


「確かに、ですが┄宜しいのですか、贔屓する爵位を1つなくすのに」


と少し疑問に思ったことを聞いて見れば、俺を見て冷たい瞳が柔らかい感じになり、クスッと笑みを浮かべて


「┄両親を弁論せずに、私のことを心配するとはね、面白いよ君は。別に友人のサリーがいなくなろうと、私はとても面白い女性にあったからいいのよ。それにその子と商品開発をする約束も取り付けてるしね」


とても楽しげに言うクライン大臣は、その女性のことを思い出したのか、フフッと笑みを浮かべていた。


「┄なるほど、では母君のことは見限る予定であるのですね」

「そうとってもらっていいわよ」

「でも、これは、貴女と私の秘密にしときましょうか。いまはバレると困るでしょ、お互い」

「┄┄確かに、そうかもしれません」

「そう、なら話しは終わりかしら」


クライン大臣より話しの終了の意を示され、俺は頷くと大臣から渡された書類を持ち、立ち上がろうとしたとき


「ねえ、貴方に聞きたいんだけど、自分の両親をどうするの?」

「┄┄さあ、俺は┄どうするんでしょうね」


クスッと俺が笑みを返せば、クライン大臣は何も言わず、ただ笑み、もう行っていいわと手をヒラヒラさせた。


俺は立ち上がり、一礼したあとに執務室をあとにした。


◇◆◇◆◇◆


クライン大臣より、母君に対する書類を持ったあとは自分の執務室に行くと、部下達が何故かジッと憐れみの瞳が一斉にやってきて


一瞬なんだと思いながら、自身の机にいくと


片付けた筈の書類とは別に、山積みになった書類がローズ宰相にあったものと同等の量が追加されているのを目撃し


俺の眉間と血管がピクピクとし


そして書類の近くにあるメッセージの文字に余計イラッとした。


何故ならば


【シリウス、お前の為に仕事を追加してやったから、仕事に励めよ、by心の親友ルーヴェンスより】 


俺への嫌がらせと思えるような内容に、本気で苛ついしまい、ドンッと机を叩くと、バラバラバラと書類の山が崩れ落ちた


自分でやっとおいてなんだが、二度手間に舌打ちが出た。


そんな俺の光景を見ていた部下達は、少々ビクつきながらも


「えっと┄手伝いましょうか?」


と気遣う声をかけてくる


いかんな、ルーヴェンスの書類ごときで苛つくなど大人げないと言うものだ


ルーヴェンスは大概、重要な情報を挟むなり、俺に教えるついでに、こんな嫌がらせをするんだよなと思いだした。


「いや┄いいさ。これぐらいなら数分で片付けられる。だからお前達は仕事に集中してくれ」


やんわりと断れば、部下達は何故か折れてくれず、部下の一人の新人3人が代表して立ち上がり、俺の近くにある散らばった書類を纏めあげるなり半分を俺に渡してきた


「┄クロード副隊長より、言伝てがあります。あまり無理をせずに、部下に頼れ! いつもなら、そうだろうが⁉ と、言ってましたよ」


チルトからのクロードの言伝てに、あいつらしいなと思っていれば、次にジマがニカッと笑い


「何かと忙しいんですから、俺達を頼っていいんすよ」


と言われて、それぞれが書類を持っていた。


忙しいのは確かだが、珍しい言い方に、一瞬瞠目するも、心遣いに感謝を思い、部下達を見れば頷くため、思いを無下にするのも憚れた


「┄わかった、お前らに頼らせて貰う。だが何か気づくようなことがあるならば、俺のもとへ持ってこい、確認する」


もしも必要最低限の内容になっているだろうが、下手に問題のあるものがあれば、俺が対応する必要があるからだった。


◆◇◆◇◆◇


せっかくクライン大臣からの書類は、机にしまい、ルーヴェンスからの仕事を部下達との振り分けて片付けていく


休憩する暇もなく、書類を片付けた頃には昼時の鐘が鳴り出し、それぞれに休憩を取らせた


昼食は取らないと午後など、耐えられる訳がないからだ。


俺の午後はミラ嬢と回るところがあるため、一応は腹の虫など、女性の前で鳴らすなど恥ずかしいと、食堂へと足を向けて歩いていた


そのときだった、何故か城の廊下にある中庭あたりの木の近くにミラ嬢を見かけた。 

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