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だらけたい白騎士隊長と苦手な侍女は内緒の和平を結ぶ  作者: ユミエリ
第一章 だらけたい白騎士隊長は苦手な侍女と内緒の和平を結ぶ
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01  両親の帰宅の知らせ

どうも初めての方もお久しぶりの方も、シリウス篇に突入です。

全面的に書き換えた内容になっております。

前の秋になる頃合いに、俺の親友のクロードがメリア嬢と婚約式を向かえた頃には、とても幸せそうなクロードに俺は心より祝福した。


しかし、その後の後始末などは山のように俺を苦しめていく、まったくもって面倒くさいと思うほどだ。


あの王都への被害状況や、部下達の怪我の治療費、それのリハビリ、訓練の調整など、他にも、新人の教育等々、隊長としても責務が嫌おうにも俺を苦しめていった。


そんな冬の到来が訪れる、藤月の12月

王都の中は慌ただしく喧騒し、近衛兵や騎士などが、バタバタと行き来している


何故に慌ただしいのか?


冬の行事には王国誕生祭があり

現国王ガイエル・セルナルドの生誕49歳の誕生日なのだ


そのためにいま城内は忙しく、町中はお祭りの準備で賑わいを見せていたりするのが理由だったりする


そして我が第一部隊白騎士隊も、準備や警護の班を分けたり、書類整理が山となって押し寄せていた。


やってもやっても終わることのない


山、山、山┄うん、逃げてしまいたい!


と思っている俺ことシリウス・コードは机に突っ伏していた。


「あ~もう~やだなぁ~、何で俺┄隊長なんて任に就いたんだろ~、面倒くさ~い、やりたくな~いなぁ~」


ぐた~と机にいっそのこと溶けてしまいたいなぁ~


とブツブツと言っていたら


机をバンッ! と叩く音が近くからし


「シリウス~‼ お前なぁ~、気が抜けることを言ってんじゃねぇーっての、そんなブツブツと言う暇があるなら、仕事してさっさと終わらせろーー!!!」


再びバンッと机を叩く音に本当┄真面目だねぇ~っと思っていれば、溜め息を吐いてくる


おや? もう諦めたのかい、いつもだったら、もっとツッコンで怒りそうなものなのに


俺はチラリとクロードに顔を向ければ、何を思ったのか人差し指で額に、ビシバシビシと三連続の攻撃をされた


うお┄無言の物理攻撃とは┄新しいな痛いけど


額に手を当て何をするんだ? と睨めば


「言ってわからなければ┄物理攻撃が有効かと思ってな、愛のムチだ」

「え? いや┄そんな愛はいらないぞ~‼」

「ふ、遠慮なく┄受けとるがいい、フフフ」


クロードの目が楽しげだ┄ヤバイ本気だ、どうする┄おれ?


そう思ったときだった、ノックもなしに執務室の扉が開けられ┄ルーヴェンスが入って来るのが見えた


「何だか楽しげだなシリウス?」

「┄楽しくないわ、助けろ!」

「嫌だね、どうせお前が余計なことでも、したかだらけてたか、どっちかだろう」

「うわ! 見ていたかのようで、気持ち悪る」


つい素直な気持ちが口から、いけない言葉がこぼれおちた


するとルーヴェンスがフッと悪い笑顔になり


「┄┄クロードやれ!」


と言えば、クロードは覚悟しろよ! といわんばかりに詰め寄り半端ない人差し指の連撃が額に、テクニカルヒットし大ダメージが舞うのであった、チーン!


◆◇◆◇◆◇


そのあと額を擦りながら、俺は真面目に仕事をすることにしてルーヴェンスの用件を確認することにする


「┄で、こんな所に何用ですか、ルーヴェンス殿下?」


ニッコリと笑み仕事モードになっている俺に、ルーヴェンスは呆れた表情で見てくるが気にせずに、再び同じ質問を投げ掛けると


「実は今回の王国誕生祭の日には、各方面より領主を召集するように父上より頼まれているんだが」

「その中にはお前の両親であるジルビオ・コードとサリエナ・コードが帰ってくることになるんだが、大丈夫かと心配になってな」


なるほど、だからここに来たわけか

まったく良い友人だよ、殿下も、それを聞いてたクロードも心配してるし見てるしな


少々嬉しくて口元が緩みそうだが我慢する


「┄一応は大丈夫だ、いま殿下が知らせてくれたので、色々と対策は練れますから」

「そうか、ならいい。でも本当に辛いなら言えよ絶対にな」

「┄わかってるって」


最後まで仕事モードでいたいのに、心配する友人に、まったくかなわないなと、己れに呆れる。

他にもあるのか? と聞いてみれば、新たに護衛の追加と町にいる近衛兵の鍛練などの話などが追加され仕事を増やされてしまう


くそ、聞かなければ良かった


と後悔した瞬間だった。


ルーヴェンスは俺に仕事の追加の話のあとは、すぐにやることがあると席を外して


「邪魔したな┄」


と言うなり、手をヒラヒラと振りながら部屋を出ていった。


俺とクロードは互いに顔を合わせ、苦笑しながらも、部下に新たな仕事の追加をしに行くために動いた。


◇◆◇◆◇◆


追加の部下への命令を済ませたあとは仕事を済ませていき、部下達もキリが良いところで休ませるために帰宅させた。


俺は椅子に寄りかかり、両親どもの事を考えてみることにした。


両親が帰ってくるならば、やることは一つだ


どうせ金をたかりにくることは目に見えている

あいつらは面倒事を嫌い、俺を利用することにより、仕事の経営や金管理は全部俺まかせであり、領内での経営などは、ほぼしてないと、領民より連絡がきていた。


苦情は山のように来ていたりする


税の上乗せにより、贅沢をし、領民は金を稼ぐ道具だという認識が両親にはあった。


最近など、愛人に金を貢ぐ始末だ


本当によく今まで、コード家が成り立っているものだと思う


まあ、俺が遣り繰りしてるおかげだろうが、まだ色々やっている可能性もあるんだろうな


後でじっくり調べてやるけどさ


クククと黒く笑っていると、雪がシンシンと粉雪のように降りだしている光景が視界に入った。


へえ~、雪か。どうりで冷えるはずだよな


俺は起き上がりながら、窓の近くにより外を眺めて見ると、サラサラと降って行くのを窓を開けて手を当てれば、雪が掌にあたり溶ける


冷たく、気持ちよくて


大人になり最近なかった童心の心だろうか、何となく、外に出たくなりベランダにて全身を浴びていると


不意に傷が痛み始め、苦笑が漏れたが変に落ち着く感覚に、何時間かゆったりと浴びていると


「┄シリウス、何をやってるんだ!」


そんな焦る声に、時間を忘れるほど、ぼんやりしている頭で、声がした方向を向けば


そこにはクロードがいた。


「┄うん? あ、ああクロードか? どうかしたのか、そんなに慌てて」


ベランダの手すりに寄りかかりながら言えば、クロードがつかつかと近づき、バシンと頭を叩かれた。


「痛いな、何するんだよ⁉」

「お前はバカなのか! 傷に触るから寒い所に行くなと言われてるだろうが‼」


怪我ねえ、そんなの気にしなくてもいいのにな


両親からの傷に、クロードからの傷痕がある、最近になってクロードの奴が、俺を怪我させた事を思い出したらしく、婚約式の前に謝り来たもんな


俺はクスクスと笑い、クロードの肩をポンポンと叩いてから


「┄バーカ、こんなことで傷なんか開いたりしないって、それにお前も気にしすぎだアホタレ」


ペシッとクロードの頭を軽く叩き、ベランダを後にすれば、部屋は外より暖かくホッとする


そして再び、椅子に寄りかかり、机に片方だけ肘を置いてクロードを見れば


妙に思案顔だったが、振り向いて見せた顔は変に、困惑気味だったものの、俺が笑う姿に徐々に笑みを見せた


「┄ところで、クロードが戻ってくるなんて、どうかしたのか?」


ふとクロードが仕事場に戻ってくるなんて妙だと思い、問いただせば


クロードはどうにも、ルーヴェンスより、外回りを重点的にすることになったことを報告したかったらしいことや、ローズ宰相よりシリウスを呼び出していることを言われた。


「┄ローズ宰相が、俺に┄用だって?」

「ああ、どうにも不可解な点が三、四点見つかったらしくてな、ローズ宰相も嫌そうにしていたぞ」

「俺だって嫌に決まってるだろう、だいたい俺に┄用ってこと事態に気味が悪い、行かないからな!」

「┄┄それは無理だと思うぞ、何故ならお前の両親についてだからな」


両親、という単語に俺は反応し、舌打ちが漏れるが、それならば行かないなど言えるはずがなかった。


「┄わかった、いつだと言っていたんだ?」

「明日の夜┄満月の日にメリアの屋敷にくるようにと、言伝てがあった」

「わかったと伝えておいてくれ」


何の了見かと思うが、どうせ碌なことではないとわかっているぶん溜め息がこぼれた


そのあとはクロードが変に謝るせいで、こっちが困るから辞めろと注意し、少しの愚痴の後にクロードは再び部屋を出ていった。

前の段階を知らない人は、白騎士は黒い狼に恋をするをお読み下さい。

まあ知らなくても楽しめるように書いていくので、気にせずに読んで下ださいね

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