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3話 侵入者

 ダンジョン内を映す画面は、二十代男性が3人を捉えていた。その内の1人、男Cはスマホで動画を撮っている。


 男達は肝試しをしている風に見え、ビクビクしながらも、何かを期待している感じだ。


 そしてダンジョンは、入ってすぐは洞窟で細い道が続くが、少し道なりに歩くと広い広間に出る。


 その広間に男達はたどり着いたのだが、広間に入った途端に辺りをキョロキョロ見始めた。さらに片腕をあげ、何もないはずの空中で指を彷徨わせ始めた。



「何してんだ? こいつら......」



 その不自然な行動を見ていた空は、男達の行動が理解できないでいた。



「閉所で気が狂ったとか? こんな短時間じゃありえないし素振りもなかったしな......。あ! ステータスか!」



 ダンジョンに入り、今男達のいる広間に入ると自身のステータスが与えられる。今操作しているのはステータスを振っているか、スキルを獲得しているのだろう。


 ちなみに、ダンジョンマスターのステータスはレベルとスキルのみ記されており、それ以外の者

には『HP』『MP』『STR』などゲームでよく見るものも記されており、レベルアップした時に得たポイントをそれぞれに振れる仕組みになっている。ダンジョンマスターは自動振りだ。


 スキルも仕組みは同じで、ステータスを上げるポイントとは別のポイントを使って所得可能なものを獲得できる。



「あー、やっと終わった。流石に長すぎ......」



 男達はステータスを振るのに20分近くかけ、ようやくそれが終わり広間の先にある洞窟を進み始めた。


 空はその間やる事が全くなく、ただじっと男達がはしゃいでいる光景を眺めつずけていた。



「せめて女の子だったら......。というかこいつら武器なしで大丈夫か? 絶対死ぬと思うんだけど」



 何か武道をしているとかならば、狭い通路でも上手くウルフの攻撃を躱せたりもするのだろうが......。空には一般人が躱せるとは思えない。何か武器を持っていたら、振り回したり投げるけたりするなりで、混乱していてもどうにかなるかもしてないのだが......。


 男達はステータスを得て気が大きくなっているのか、大きな声で笑いながら話をし、全く警戒心を持っていない。



「おいおい......なんでそんなに余裕そうなんだよ? ちょっとは警戒しろよ」



 そんな空の心配も虚しく、男達は1匹のウルフに遭遇する。


 ウルフを見た男達は、警戒するどころかスマホで動画や写真を取り出した。



「そんな暇があるなら逃げたり何かしらしろよ!」



 そして、ウルフはそんな男達の内で一番近くにいる1人に襲いかかる。


 襲われた男Aはなすすべなく押し倒され組み伏せられ、ウルフの爪や牙でなすがままになっている。他の2人はと言うと、襲われているのを見て思考が停止してしまったが、少ししてようやく自体を理解したのか一気に来た道を引き返していく。



「あーあ、こうなるか......」



 そして、男Aを殺したのかウルフが必死に走る2人を追いかけ、足が遅い方に襲いかかった。


 案の定、襲われた男Bはなすすべがなかった。


 また、襲われなかった方の男Cは命かながらダンジョンから出る事ができた。



「はぁ、こんなに弱いもんなのか? レベル1に相応なのがウルフなんだけど......」



 召喚するために必要なDPが一番少ないのが『ウルフ』だ。だからモンスターをこれ以上弱くなんて出来ない。



「こんな調子で人類の進化なんて可能なのか......?」



 空はこの先のことを考え鬱になりかける。


 目の前で人の『死』を見たのだが、全く堪えている様子がない。


 それが神によっていじられたせいなのか、はたまた元からそう言う人間なのか、しかしそれはどうでもいい事だ。

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