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「覚悟しろや肉ー!」

さて、『魔の森』に到着したけど……うーん。


「ティア?」

【多分ー、予想どうりー】

「やっぱりか……」


ちょっと離れたところに人間と獣人が魔物から逃げてるって『感知センシング』が囁いているんだよな。フィーが待ってるから行きたくないけど、ここで見捨てるのもなぁ……ああなんだ、簡単な解決法があったじゃまいか。


◇◆◇


「ぐっ……お嬢様、お逃げください!」

「しかし、それではクレアが……!」


どうしてこうなってしまったのか……わたくし――エルザ・ハイリッヒは後悔しております。ことの発端は今朝、僻地にも関わらず精一杯働く両親を労うため、いつもの様に食事を作ろうと食料庫を覗いたときでした。場所が場所なので食料を調達するのにも一苦労するので食料が底を尽きかけていたのです。

幸い、わたくしには魔法の才能があったらしくよく動物を狩っていたので、午前の内に狩っておこうと思っておりました。しかしわたくし一人では辛いので従者であるクレアと一緒に行きましたが……。


結果は動物を狩る前に魔物に出会ってしまつたので

す。クレアは弱い魔物なら倒せるのですがその魔物は強いらしく、歯が立ちませんでした。そして必死に逃げていたのですが、そろそろ……限界のようです。クレアは足を怪我し、わたくしは疲労困憊。もう打つ手がないので最期の抵抗とばかりに睨みつけていた、その時です。


ゴゥ!っと凄い音がし、強風が吹いたので思わず目を瞑ってしまいましたが……恐る恐る目を開けると、なんと魔物が跡形もなく消えていてのです。一体何が起きたのか、さっぱり分かりませんでした。クレアは獣人なのでもしかしたら見えていたかもしれませんね。


「クレア……今のは、一体……?」

「…………黒を基調とした衣装の人だったので恐らくは――」


◇◆◇


うーん、いい事すると気分も良くなるねー。通りすがりに跡形もなく破壊すれば良かったんだよな、いやーこんな簡単な解決法があったのに何故すぐに思いつかなかったのか。……そういや誰かいたような? まあ細かいことはいいか。さっさと依頼――ドラゴンの退治という名の抹殺をしないとな。


「……そういえば、ドラゴンの肉って美味いのか……?」

【? そーだけどー?】

「よし、明日食卓に並べてやろう」


◇◆◇


なお、その十数秒後には一匹の凶暴なドラゴンが討伐対象である牙を残し、忽然と姿が消えたそうな。近くにいた冒険者によると

「覚悟しろや肉ー!」

という大声が聞こえたらしいが、真偽の程は定かではない。

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