「……ん。行ってらっしゃい」
「……ん、ふぁぁ……」
……懐かしい夢を見た。あれからもう数百年、
か……。時間が経つのは速いな。あの後ひたすらに修行をして現在のステータスが、
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メイ・ライゼンデ(?歳)人族?
筋力:測定不能、防御:測定不能、魔力:測定不能、俊敏:測定不能
炎・氷・雷・岩・光・闇属性
瞳:真紅、髪:漆黒
スキル『情報』
その他多数
ギルドランク:S
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こうなってる。……言っとくけどスキルでやった訳じゃないからな? 修行したらこうなっただけだ。スキルは見るだけ面倒くさいからオリジナル以外は纏めてある。
【んー、おはよー】
「おお、おはよう」
こいつは闇の精霊で名前はティア、瀕死だった所を助けたら懐かれたから契約した。 因みに精霊は契約者の瞳と髪と同じ色をするので真紅の瞳で漆黒の髪をロングにしている。
「……おはよう」
「おはよう、フィー」
そして、フィー。義妹兼妻だ。目を半分閉じてい
て、 所謂ジト目だがそこがまた可愛い。深縹の瞳に烏羽色の髪をセミロングにしている。フィーに色目を使った奴はスキルで呪ってやる。一年の間不能になる呪いをな……。
今はこの三人で万屋の二階に住んでいる。因みに王都であるグローリア――街並みは小説とかでよくある中世ヨーロッパと思われる――に建っていて住宅街の近くでこんなところに店を建てられるなんて、スキルは便利極まりない。『改竄』を使って歴史を改竄したから、建っていたことにしたんだけどな。
万屋の一階は事務室、キッチン、居間になっているため、三人で一階に下りる。今日は光の日なのでフィーが料理担当だ。料理は一日交代で光・火・風の日がフィー、闇・水・地の日が俺の担当になっている。
「おー、流石はフィー。今日も美味しそうな料理
だ」
「……そんな事ない。メイの方が美味しい」
【そんなこといいからー、早く食べよー?】
「お前が食べるのはご飯じゃなくて俺の魔力だ
ろ?」
【まーそうなんだけどねー】
「……取り敢えず、食べよ?」
「それもそうだな。さて、いただきます」
「……いただきます」
【いただきまーす】
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「ごちそうさまでした」
「……お粗末さまでした」
【はふー、ごちそうさまでしたー】
「さてと、今日はギルドにでも顔を出すか?」
ギルドとは冒険者ギルドのことで、簡単にいえば依頼を受けて採取や討伐、護衛等をする仕事で誰でも登録できる。冒険者として生きていくなら当然、強くないと駄目だがな。
「……今日はいい。のんびりしたい気分」
「そか、じゃあ昼までには帰ってくるわ」
「……ん。行ってらっしゃい」
「行ってきまーす」
【行ってきますー】
万屋の仕事はぶっちゃけ俺とフィーなら一人でできるし、客が店に近づくと分かるのでいざとなれば俺が行けばいいから店にいるかどうかは気分だ。ギルドは商店街を抜けた先にあるけど話好きの人に捕まると時間を食われるので、スキルを使って一気に行く。
「アレで行くぞ、ティア」
【んー、りょーかいー】
さーて、愛しのフィーが待ってるから討伐系の依頼があればいいんだが……。